頚髄損傷のレベルと後遺症とは?違いを含めて当事者が詳しく解説!

障害者

 
 
頚髄損傷のレベルと後遺症をご存知ですか?私自身、19歳のときに車の事故で首の骨を折り、車椅子で生活している頚髄損傷者です。そのため自分のことなのでよくわかりますし、同じ障害を持った友人や知人を多く知っていますよ。
 
 
今回は周知させたい意味を含めて、頚髄損傷のレベルと後遺症についてお伝えしたいと思います。尚、私の体をもとにいろいろ書かせてもらいました。それではいってみましょう。

 

 

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頚髄損傷のレベルとは?

 
私が受傷した原因は、車の事故によるものでした。なお頚髄損傷者の多くは首の骨を折るなど怪我が多いですが、中にはウィルスが要因の人もまれにいますね。
 
 
過去に記事を書きましたので、時間がある際にお読みいただけると幸いです。

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まず頚髄損傷者は神経が切れているか切れていないかで、以下のように区別されます。
 

  • 完全損傷 - 頚髄が切れてしまっている
  • 不全損傷 - 頚髄が切れずに残っている

 
私の場合は完全損傷で、足が全く動きません。不全損傷の場合は感覚がある程度残るため、何とか歩くことができますね。
 
 
さらに完全損傷の場合はレベルがC1~C8によって違ってくるのです。以下がその内容になります。
 

★の数が多いほど後遺症がキツイです。

    【C8】★

  • 自立が可能
  • 指は動くが、握力が低下していることがある
    【C7】★★

  • 自立が可能
  • 手の指が麻痺
  • プッシュアップが可能
  • 入浴が可能
    【C6】★★★

  • 手と指が麻痺
  • プッシュアップができる人と出来ない人がいる
  • 自己導尿が可能
  • 車椅子の自走可能
  • 車の運転が可能
    【C5】★★★★

  • 車椅子の自走が難しい
  • 腕はわずかに曲げられるが伸展や突っ張りは困難

    【C1-C4】★★★★★

  • 生存が難しい
  • 電動車椅子で生活になる
  • 呼吸に使われる筋肉の麻痺で、人工呼吸器が必要となる
≪プッシュアップとは≫
腕の力だけで、お尻を上げて移動する行為
まっつん

大まかですが私や友人、知人のレベルを参考に書き表してみました。

 
このように損傷箇所は、機能に対しての違いを生み出すのです。

ちなみに、この中で私はC6のレベルになります。そして、そのC6の中でも細かくレベルが設定されていて、上記の内容をできる人とできない人がいます。実際に私のレベルであれば、車を運転できる人もいればできない人もいる瀬戸際ラインであると、理学療法士の知り合いに言われましたからね。

ただ上記内容まではできることを、理解していただくといいですよ
 
 
また後遺症はどのレベルに対しても大きい小さいはありますが、根幹は共通しています。次の章ではその内容について、お伝えさせていただきますね。
 

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頚髄損傷の後遺症とは?

 
冒頭でお伝えしたように私は車の交通事故で首の骨を折り、頚髄を損傷したのです。受傷して間もないときの頭の中では体に麻痺が残って動かなくなりましたが、リハビリすれば元の体に戻ると思っていました。だけど現実は違ったのです。
 
後遺症は、このような内容になります。
 

  • 四肢麻痺になる
  • 体温調節ができなくなる
  • 排泄機能が失われる

 
ここからは私の体をもとに、1つ1つ詳しく説明させていただきますね。
 

    【私のレベル】
    C6-A
≪C6のレベルとは≫
悪い順に、以下のようにわかれている。
  • C6-A プッシュアップできない・移乗が難しい
  • C6-B1 プッシュアップできないが、肘を固定して移乗可能
  • C6-B2 プッシュアップ可能で、移乗も可能
  • C6-B3 プッシュアップ可能で、移乗も可能

 

四肢麻痺になる

 
頚髄を損傷すると、両手両足に障害が残ります。足が動かないのはもちろんですが、手の指も動かなくなるのです。この写真は私の右手なんですが、普段からずっと握り拳をつくった感じでいます。

 
 
手の形は頚髄損傷者によってさまざまで、指が真っ直ぐに伸びきった人もいれば緩く握った感じの人もいるのです。要は、怪我した後の対処法で違ってきます。

ただ指を動かす行為に障害を持つことは、全ての受傷者に言えることなのです。私は手で物を掴むことはできませんが、引っかけたり挟んだりと工夫して対処していますね。
 
 
そして最大の違いは、損傷箇所によって感覚機能や運動機能が違ってきます。上記でもお伝えしましたが私のレベルはC6-Aで腕の3等筋が利いていなく、プッシュアップができません。

この行為は体を自分自身で移動させるため、自立するための重要なことなのです。3等筋が利くか利かないかによって、できることが大いに違ってきます。

まっつん

ちなみに、C6-B2,B3のレベルになると3等筋が利いているのでプッシュアップができて自立可能です。

 
 
また頚髄損傷者の完全損傷の場合は、画像黒い部分の運動機能や感覚機能が失われるのです。要は胸から下の部位は、感覚が無い箇所

 
 
機能しない部分は動かせないので、筋肉が落ちてやせ細ってきますよ。
 

体温調節ができなくなる

 
頚髄損傷者は上記画像のように、上肢の一部以外の感覚が失われます。さらに感覚の無くなった部分は、皮膚呼吸をしていないのです。
 
 
人間は、次のような構造になっています。
 

  • 皮膚呼吸 ⇒ 汗を出す ⇒ 36度前後の体温を保つ(体温調節)

 
頚髄損傷者は皮膚呼吸をしない部分が多く汗を出す機能が停止しているため、体温調節できない人が多いのです。そのため、夏場や冬場はエアコンが必須アイテムになってきますね。
 
 
ちなみに私は、車いすツインバスケという障害者スポーツを現在行っています。夏場の体育館は暑いので、独特の方法で対処しているのです。過去に記事を書きましたので、時間がある際にでもお読みいただけるとありがたいですね。

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排泄機能が失われる

 
頚髄を損傷すると、排泄機能が失われる場合が多くなります。簡単に言うと、排尿や排便が自力でできなくなるのです。
 
 
この話は本来タブーとされていますが、私の経験をもとにお伝えさせていただきますね。
 

排尿

 
完全損傷・不全損傷によっていろいろ違ってきますが、排尿にはいくつかの方法があります。
 

  • 自力で出す
  • 自己導尿する
  • 尿道から管を膀胱に入れて固定し、袋に繋げておく
  • 膀胱ろうという下腹部から膀胱に穴を開けてカテーテルを差し込んで袋に繋げておく

 
私の現在は、自己導尿という方法になります。尿意をもよおすと自分自身でカテーテル(管)を尿道に入れ、排尿するのです。

 
 
ただ私は上記の方法を、受傷してから現在に至るまですべて経験していますよ。その話は語ると長くなりますので、また違う記事で詳細を書こうと思っています。ご了承願いますね。
 

排便

 
頚髄損傷になると便秘になる場合が多くこのペースも人によってさまざまで、私は週に1回しか排便しません。

その方法は、決めた曜日の前日から漢方を飲み出していますね。過去に書いた記事があるので、こちらも見ていただければ幸いです。

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便はシッカリ出し切らないと後からダラダラと出て始末が大変になるので、摘便という行為を最後にしてもらいます。

≪摘便とは≫
肛門に指を突っ込んで、便をかき出してもらう行為

今は母にしてもらっていますが医療行為になりますので、いずれは訪問看護師にお願いすることになりますね。
 
 
このように頚髄を損傷すると、後遺症はたくさん出てくるのです。

感覚が無くなるのは理解できたと思います。しかし昨日まで歩いていたのに、1回の事故か怪我の損傷で本当に歩けなくなるのでしょうか?
 

頚髄損傷の後遺症で歩けなくなるの?

 
頚髄を損傷した場合、完全損傷と不全損傷があるとお伝えしました。これによって、歩行に関しての違いが出てくるのです。
 

  • 完全損傷 - 車椅子で生活
  • 不全損傷 - 杖をついて歩行可能の場合がある・車椅子で生活

 
頚髄損傷者は、大半の方が車椅子を利用しての生活になります。受傷したことにより、何らかの障害が残ってしまうのです。

不全損傷のように頚髄が切れていない場合は、かろうじて歩くことができます。しかし、健常者の時のようにスムーズにはいきません。何らかの障害が残るため、杖をついての歩行か物につかまっての伝い歩きになります。
 
 
私の知っている不全損傷の数人は、杖をついて歩行していますよ。ただそこまで感覚が残るのはまれで、ほとんどの方がモノに伝って歩き、普段は車椅子を利用しています。

まっつん

車椅子に乗っている方が、動作も素早くなって使い勝手がいいようですよ。

 
 
このように頚髄を損傷すると、今の医学では元通りに戻ることができません。障害を持った部分はそのままなのです。だから私のような完全損傷の場合は、二度と歩けなくなります。
 
 
当事者は、事実を受け入れがたい状態です。むやみに励ますのではなく、優しく見守ってあげることが受傷した直後の一番の接し方だと思いますね。
 

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まとめ

 
今回、頚髄損傷のレベルと後遺症について経験をもとにお伝えさせていただきました。大変なのは当事者なんです。
 
 
折れそうな心を、支えてあげてもらいたいと思います。
 


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    頚髄損傷のレベルとは?

  • C1~C8にわけられる

 

    頚髄損傷の後遺症とは?

  • 四肢麻痺になる
  • 体温調節ができなくなる
  • 排泄機能が失われる

 

    頚髄損傷の後遺症で歩けなくなるの?

  • 完全損傷と不全損傷とでは違うが、歩けたとしても障害が残る

 
頚髄損傷は、大きな障害を背負うことになります。レベルによっては自分自身でできることが少なくなるため、周りのサポートが重要になってくるのです。
 
 
ただ、たとえ体が不自由でも生きていることに価値があるのですから。当事者を焦らさずに、充実感や満足感を持って社会生活が送れるよういろいろ手伝ってあげていただきたいですね。
 
 
 

はじめまして、頚髄損傷者のまっつんです。

健常者から障害を持つようになり、車椅子で生活していることでの感じた考えを綴ろうと思います。

共感していただければコメント欄からどしどし書き込んでもらえると幸いです。

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