体温調節ができない人の、夏の暑い体育館での改善する方法をご存知ですか?私は車いすツインバスケを行っているのですが、練習場所の体育館に冷房設備がなく苦労していますね。ホント大変なんです。
今回は健常者から障害を持って長い私が、夏場の体育館での工夫している改善方法をお伝えしたいと思います。後半には、某大学の教授から聞いた興味深い内容もお伝えしていますよ。それではいってみましょう。
体温調節ができない 重度障害者(頚髄損傷者)とは?
私は19歳のときに交通事故を引き起こし、首の骨を折って車椅子で生活している頚髄損傷者です。両手両足に障害がある四肢麻痺者で、重度障害者に該当します。
受傷した当時は突然の車の事故で障害を持ったため、相当落ち込みましたね。だけど今では車いすツインバスケという障害者スポーツに出会い、趣味と生きがいとして頑張っています。
写真は、東海ブロック地区の大会開会式の様子です。
ところで頚髄損傷者の多くは、胸から下の感覚がなくなります。このことが体温調節と大きく関わってくるのです。
と言うのも、感覚が無い部分は皮膚呼吸をしていません。人間は皮膚呼吸をしていることで汗をかき、36度位の体温を保っています。
私は頚髄損傷者としてこの体と付き合うため自宅にいるときは、夏も冬もエアコンで体温を調節していますね。外気温の変化で、以下のように変化するからです。
- 気温が上昇 ⇒ 体温が上昇(37.5度~39.5度位になる)
- 気温が低下 ⇒ 体温が低下(35度台になる)
寒いのも辛いですが夏場の暑い日は体温が高熱になるのできつく、さらに鼻水が垂れるくらい出て最悪です。熱中症のように手が痺れてくるので、早めの対処法が必要になります。
次の章では、夏場の体育館で私たちチームが行っている方法をお伝えさせていただきますね。
体温調節ができない 夏場の体育館での対処法とは?
夏場の体育館に行ったことありますか?ハッキリ言うとサウナのような蒸し風呂状態で、私たち頚髄損傷者にとって過酷な状況下です。
練習を行っている体育館は古いので、冷房も完備されていません。先日の練習で室温を測ると32.3℃あありました。
最近は体温の上昇を自覚させるために、口の中に体温計を入れて測っています。写真はその様子ですが、このときは練習前で測るとすでに37.8度。練習終了後は、39.1度だったのです。
体温上昇は避けられないので、なんとか体を冷やさないといけません。
そこで扇風機が、暑さ対策に欠かせないアイテムとなります。ただ、これだけでは暖かい風を吹き起こすだけとなり、体温を下げることができません。
さらに私たち頚髄損傷者が行っている体温調節方法が、「霧吹きで頭部を中心に水を吹き付ける」やり方です。
写真は後頭部に吹きかけていますが、顔も頭頂部もさらに背中にもするのです。私が練習のサポートに来ていただいた選手のお母さんに、霧吹きで水を吹きかけてもらっている状況ですね。
霧吹き機は、ガーデニング用タイプです。
濡れた状態から写真の左後方に写っている扇風機で風を受けると、一時的に体感温度を下げることで暑さをしのげます。このようにして水が乾けば再び水をかけることを繰り返し、練習に頑張っているのです。
霧吹きと扇風機は非常に原始的ですが、一番効果的な方法になりますね。しかし、濡れるのは嫌だという方もおられるでしょう。次の章では、その他の方法についてお伝えさせていただきます。
体温調節ができない その他の方法とは?
私は坊主で水をかけやすいのですが、女性やロン毛の頚髄損傷者の方だと髪の毛が濡れて、暑さを我慢される方がおられるかもしれません。そんな人のために、さらに有効なその他の方法があるのです。こちらになります。
- 水を含んだタオルを首に巻く
- アイスノンを首に巻く
- 冷たいお茶やジュースを飲み、アイスを食べる
- 両肩や頚動脈に、冷えピタを貼る
- 休憩時間に車の中に入り、クーラーでガンガンに冷やす
過去に水の含んだタオルやアイスノン、冷えピタを使用してみたのですが、確かに効果はありました。しかし、自分には霧吹きのほうが合うので、最近は自宅からスポーツドリンクと霧吹きの水を事前に冷やし、クーラーボックスに入れて持っていくだけですね。
また体育館内で霧吹き機の中に氷を直接入れ、それを吹きかけるのも効果がありますよ。
写真はサポートに来ていただいたお母さん方に、氷を入れてもらっている様子です。体温が上昇した状態で冷たい水を吹きかけられるのは、至福の時ですよ。
あと余談ですが、体温が上昇すれば鼻水が垂れるくらいあふれ出てきます。そのため鼻をかむ意味で、ティッシュ箱をそばに置いていますね。「体温調節ができない 夏場の体育館での対処法とは?」の章、体育館室温の写真では、私が鼻水を吹いている瞬間が写っていますよ。
垂らしたままだと鼻下がかぶれて、ヒリヒリするのです。
このように私たちチームは、夏場の練習を行っています。車いすツインバスケのチームであれば、どこでも行っている内容だと思いますね。
さらにもう1つ、暑さからの体温上昇に強くなる方法をお伝えさせていただきます。
体温調節ができない 暑さから強くなる方法とは?
実を言うと、私が実際に行って体感している方法があります。
「毎日の筋トレをすることです。」
以前リハビリ(筋トレ)について書いた記事がありますので、時間がある際にお読みいただければ幸いです。
私は毎日欠かさず筋トレをしているのですが、昨年というか年々、夏場の練習が楽になっていっています。こんな風に書くと誤解を招きやすいですが、暑さに対する回復力が増しているように感じますね。
筋トレを行っていなかった5年以上前は夏場の練習が終わる前からグロッキーとなり、一足先に車の中でクーラー全開にして体を冷やしながら休んでいました。体力が回復した後、自宅に安全運転で帰ったのですが、今では体温が異常なくらい高くても霧吹きと休憩だけで復活できますね。
そのためいつもの夏より暑さが耐えられるのは、筋トレをして体力が付いたからと考えていたのです。
そこで某大学の教授と話す機会があった際、体温調節機能と筋トレの関係について聞いてみたところ、「効果の可能性を示した論文がある」と言われました。
他の大学の教授にも質問したところ、実際に筋肉を鍛えることによって体力が増強し、「機能が改善する率が高くなる」とも答えられましたね。私が体感したことは間違っていないようです。
- 筋トレ効果 = 体温調節機能の向上に有効である
適度に運動することは体に良いことです。負荷が掛かることで、体内の免疫力もアップします。
あなたがもし医療従事者の方や頚髄損傷者などの重度障害者と接することがある方であれば、筋トレに限らず体を動かすことを勧めるのがいいでしょうね。そのことに関連して、体育館へ行ったり道路を散歩したりと外出を促すキッカケにも繋がりますから。
応援よろしくお願いします。
まとめ
今回、体温調節ができない重度障害者の夏場の体育館での対処方法をお伝えしました。いかがだったでしょうか?
ぜひ、夏場をしのぐ参考にしていただければ幸いです。
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- 体温調節ができない 重度障害者(頚髄損傷者)とは?
- 夏場の体温が、37.5度~38.5度まで上昇する
- 体温が上昇すると鼻水が垂れまくる
- 体温調節ができない 夏場の体育館での対処法とは?
- 霧吹きで顔に水をかけ、扇風機の風を浴びる
- 水を含んだタオルを首に巻く
- アイスノンを首に巻く
- 冷たいお茶やジュースを飲み、アイスを食べる
- 両肩や頚動脈に、冷えピタを貼る
- 休憩時間に車の中に入り、クーラーでガンガンに冷やす
- 体温調節ができない 暑さから強くなる方法とは?
- 毎日の筋トレを欠かさず実行する
運動することは、どんなに障害を持ったとしても年齢を重ねようとも必要なことなんです。
健康を維持するためにも、運動と筋トレをお勧めしますね。
コメント
貴重なお話ありがとうございます。
日常生活において、車椅子で移動する際、夏場の暑さ対策はどのようなことをしていますか?
車椅子に乗っている状態で冷やすべき箇所はどこがベストなのでしょうか?
例えば、家の中にあるエアコンのような装置が車椅子に設置できるとしたらどうでしょうか?
長々と質問ばかりになってしまいましたが、宜しくお願いします。
ちなみに私はバスケ経験者で夏の体育館の暑さ・・・あれは辛いですよね
はじめまして。
お返事ありがとうございます。
日常生活で暑さ対策ですか。。。
私は自営なので、普段は家の部屋にこもりっきり。
クーラーと扇風機でガンガンに冷やしていますよ。
車椅子に乗って冷やす箇所は、体内が良いようです。
外で働いている頚髄損傷の友人が言っていましたが、
マックシェイクがお手頃のようですね。
アイスなどでもいいのですが、
シェイクであればストローを吸うだけで、
体内から冷やしてくれて良いと言っていましたよ。
それとツインバスケの他チームの選手が、
首にかけられる携帯用扇風機を使っていました。
どこまで効果が得られるか不明ですが・・・。
夏場の体育館の練習は地獄です。
チームの監督に、短時間でコンパクトに練習ができるよう、
依頼してみました。
今週末も練習なので、今からビビっていますよ。^^;
まっつんさん
こんにちは。カノウです。
マックシェイクですか!?確かに体の中から冷えそうですね。
継続的に体内から冷やすことのできるアイテムがあったら良さそうですね。
申し遅れましたが、私は空調関係のエンジニアです。
車椅子、また電動車椅子で生活されている方達の夏場、冬場の快適性に役に立てたらと考えています。
が、どうしていいか良く分かっていません。申し訳ありません。
ただ、体の表面よりも体内からの冷却の方が良さそうだということは分かりました。
ありがとうございます。体内を冷やせる技術・・・・・・難しそうです・・・考えます。
ツインバスケのことちょっと調べました。初めて知りました。
最近、バスケしていないのでまたやってみようかなと思います。暑いですけど・・・
下手になっているんだろうなぁ・・・
また何か困っていること等あったら教えてください。
宜しくお願いします。
お返事ありがとうございます。
空調関係のエンジニアの方でしたか。
それは本格的になりますね。^^;
ただ私たち、脊髄損傷者は、
感覚が無い部分があるのが特徴的です。
やみくもに冷やしたり温めたりすれば、
わからない分、凍傷・低温火傷を気にしないといけません。
だから、なかなか難しです。
これぞAIの力が必要になるのかもしれませんね。
この時期のバスケの練習は本当に大変です。^^;
明日も朝から体験会があるので、
今から暑さにヒビッていますが。。。
自分でよければ、今後ともよろしくお願いします。m(__)m