車椅子スロープに勾配基準があるのをご存知ですか?私自身、車椅子ユーザーなのでいつも利用して知っています。というのも、気になって詳しく調べてみたんです。
今回は健常者から障害を持って長い私が、車椅子に関わるスロープについて、お伝えしたいと思います。それではいってみましょう。
車椅子とスロープ 勾配基準とは?
私は19歳のときに車の事故で首の骨を折り、頚髄を損傷して車椅子で生活しています。そのため、日頃からスロープを利用しているのです。
スロープは、法律によって勾配の基準が定められています。こちらがその値です。
- 【バリアフリー法で定められたスロープの勾配基準】
- 屋内 1/12以下(角度は5°位)
- 屋外 1/15以下(角度は4°位)
簡単に言うと、高さ1mを12mもしくは15mかけて上がる(下がる)のです。
ちなみに私の障害は、両手両足に麻痺が残る四肢麻痺者になります。障害のレベルはC6のAになり、胸から下は感覚が無く指もグーのまんまです。
車椅子を自走するときはタイヤを握ることができないので、手のひらを使って漕いでいます。そのため、急なスロープであればまず自力で上れません。
しかし手袋をしてバスケ用車椅子に乗り換えた場合は、ある程度の勾配があっても上れるのです。写真は、車椅子ツインバスケ練習に使っている体育館入り口。スロープの勾配は、1/4(角度は14°位)になりますね。
ただ生活用車椅子の場合は手袋をしてもバスケ用車椅子より漕ぎ出しが重く、自力でこの角度を上るのは、辛いものがあります。人に手袋も、はめてもらわないといけません。
このように考えると車椅子を自走できる人にとっては、素手の状態で上がれる最適なスロープの勾配となるのがバリアフリー法で定められている屋外の値なんでしょうね。
つまり、ベストになる角度が4°位です。
ちなみに私の自宅入口スロープは、写真のような感じになります。
ここは1/15以下(角度は4°位)になり、写真奥にある自転車を突き当たって左に向かうのが1/12以下(角度は5°位)になります。私はこの角度だと、素手の状態で何とか上れますよ。
とはいっても世間にあるすべてのスロープが、なだらかではなく急な角度が多いのです。かつ手袋はいつもしていないため、スロープを上ることや下ることがスムーズにできません。
介助する場合、気を付けることはあるのでしょうか?次の章ではその内容について、お伝えさせていただきますね。
車椅子とスロープ 上りを介助する場合は?
日本ではバリアフリー化が進み、いろんな場所が、障害者や高齢者にとって優しい環境となってきています。しかし現実は古い建物も多く、まだまだ車椅子ユーザーにとって不便な箇所が多いのです。
上記の写真は、ある福祉関係の建築物です。中にはエレベーターもあり普段使わない避難経路になりますが、踊り場までちょっと遠いですね。もし上に行く際に写真のようなスロープだった場合、介助はどのようにすればいいのでしょうか?
この場合は、上まで一気に上がりましょう。疲れて坂の途中で休憩するのは転倒する可能性もあるため、何かと危険です。無理であれば、とりあえず踊り場まで上がることで難なくクリアーできます。
だけどスロープを下る介助の場合は、どのような注意点が必要になってくるのでしょうか?
車椅子とスロープ 下りを介助する場合は?
障害者の方や高齢者の方は急なスロープの下りを介助の場合、前のめりになると体を支えられなくなります。そのため、転倒してしまう恐れがあるのです。
最悪のパターンを想定し、バックで下ることを心がけるといいでしょうね。配慮があれば介護される側は安心につながるので、信頼を得ることができます。
どうしても前からの場合は、車椅子ユーザーに手をかざしながら下ることが最善策です。バスケ練習後の帰り、スロープを下りたのを撮影しました。マネージャーにこれをされただけで、安心できましたよ。
ただスロープの勾配は分かりましたが、幅はどれくらいあればいいのでしょうか?次の章ではその内容について、お伝えさせていただきますね。
車椅子とスロープ ゆとりある幅とは?
私の自宅はスロープが付いているので、自分一人で簡単に車椅子で出入りできるのです。写真は私がスロープを漕いで上がるのを、後方から撮ってもらいました。幅を測ってみたんですが、118㎝ありましたね。
これくらいの広さがあれば、問題なく走行できます。また先の角は踊り場になっているので、休憩することができるのです。
スロープの路面は親父の嗜好で、見た目を重視して細かな玉砂利が塗られています。見栄えはいいのですが、摩擦が少なくなるので走行中はタイヤが止まらなくなり、非常に危険になりますね。むき出しのコンクリートだけのほうが見た目は悪いですが、滑り止めになって安全だと思いますよ。
私の自宅スロープは、幅が広くて自力で上れる角度なのでさほど苦労しません。しかし1ヶ所だけ、危険だと思う箇所があるのです。
次の章では、その内容についてお伝えさせていただきますね。
車椅子とスロープ 通れるギリギリの幅とは?
上記章の写真から左に曲がると、さらにスロープがあります。奥に玄関入口の引き戸はあるのですが、手前に大きな下駄箱がいつの間にか置かれていました。(°◇°;)ゲッ
踊り場から玄関前までのスロープの距離は短く、角度がきつくなっています。漕いで前進しているのを後方から撮ってもらいましたが、角度が急で必死の状態なんです。
そして下駄箱が置かれている、狭くなった箇所があります。難なく通れますが、90㎝の幅しかありません。
このスペースだと、非常に危険と思うのです。それではこれ以下のスロープの幅だと、どんな支障が出てくるのでしょうか?
車椅子とスロープ 幅が狭いと?
まずは、写真を見てみましょう。この箇所は下駄箱が置かれて、90㎝しかない幅を上りきった玄関の入口です。高さを測ると、30㎝もありました。スロープの幅が今より狭くなり車椅子の前輪や後輪が落ちた場合、どうなるのでしょうか?
地面となる部分は硬いコンクリートなので転倒して転落すれば、骨折はさけられないでしょうね。自分自身で怪我をしたのであれば、仕方がないと思うのです。だけどスロープの幅が狭いため、ヘルパーさんがミスる可能性が大きくなります。
結果的に怪我を負わせた場合、賠償問題にまで発展するかもしれません。
このようにスロープの幅が狭いと、怪我だけではなく、人間関係が壊れるリスクも高まります。支障が出ないように、ゆとりを持ってスペース確保が必要です。
敷地の関係から、なかなか思うように行かないことが多いと思います。ただこのようなリスクがあることを、知っておくだけでもいいのではないでしょうか?怪我させないためにも、いろいろ考える必要がありますね。
まとめ
今回スロープの勾配や介助、幅について、写真を使ってお伝えさせていただきました。いかがだったでしょうか?
私を含め車椅子障害者は、とにかく転倒に強雨心を抱く人が多いのです。少しでも介助の参考にしていただければ、書いた甲斐があります。
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<スロープに関する重要な項目>
- 車椅子とスロープ 勾配基準とは?
- 屋内 1/12以下(角度は5°位)
- 屋外 1/15以下(角度は4°位)
- 車椅子とスロープ ゆとりある幅とは?
- 118㎝あればゆとりがある
- 車椅子とスロープ 幅が狭いと?
- 転倒や転落し、怪我につながる
<ヘルパーさんにお願いしたい重要な項目>
- 車椅子とスロープ 上りを介助する場合は?
- 車椅子を後ろから押しスロープを上がる
- 車椅子とスロープ 下りを介助する場合は?
- バックか手をかざしてスロープを下る
- 車椅子とスロープ スロープの幅で気をつける部分とは?
- 90㎝がギリギリ通れるので、これ以上狭い箇所は通らないようにする
- 車椅子とスロープ ヘルパーさんが気をつける部分とは?
- 車椅子ユーザーが転倒しないように気を配る
スロープの幅を取れるスペースがあるのであれば、広いほうがいいです。怪我してからだと、遅いですからね。
障害者の方や高齢者の方にとって、優しい世界が実現できることを願っております。
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