「障害者のドクゼツ本音とーく」をSNSで応援しよう!

頚髄損傷とは?原因と受傷した直後の症状について経験者が詳しく解説!

障害者

 
 
頚髄損傷の原因や症状をご存知ですか?私自身、首の骨を折って障害を持った頚髄損傷者なんです。最近、有名人や著名人で受傷される方が多いので、この機会にどのようなものか知ってもらいたく記事にしようと考えました。
 
 
今回は健常者から障害を持って長い私が、頚髄損傷の原因や症状とその他いろいろについてお伝えしたいと思います。後半には、お見舞いに関してのアドバイスをさせてもらっていますよ。それではいってみましょう。

 

 

スポンサーリンク

頚髄損傷の原因とは?

 
頚髄損傷って聞くと、「何それ?」と思われる方が多いのではないでしょうか?言葉からすると、頚髄という箇所が損傷(傷がつくこと)のことを言うのです。
 
 
人間は写真のような脳からお尻に延びる背骨のそばを、長い神経が通っています。

背骨

 
 
その神経全体を総称して脊髄と言うのです。そして脳側から順に、次の31対に分かれています。
 

  • 8対の頚髄(けいずい)
  • 12対の胸髄(きょうずい)
  • 5対の腰髄(ようずい)
  • 5対の仙髄(せんずい)
  • 1対の尾髄(びずい)

 
上記から言えば頚髄損傷とは、8対の頚髄という首の箇所を損傷した場合に言われるのです。またいずれの部分で受傷した場合すべては、脊髄損傷(せきずいそんしょう)と言いまとめられます。
 
 
ちなみに私の原因は、車のシートベルトをしていない状態で縁石に乗り上げて横転し、首の骨(頚椎)を折ってそこを通る頚髄を損傷したのです。もし着用していれば、ここまで障害が残らなかったと言われましたよ。まさにシートベルトは、体を守る命綱なのです。

シートベルト

 
 
ところで一般的に言われている原因が、以下の内容になります。気になるのは、過去20年以上前と現代とを比較すると大きく変化していることです。
 


【1996年】
交通事故 45%
転落 30%
スポーツ 10%
起立歩行時の転倒 5%
下敷き落下物 5%
自殺企図 2%
その他 3%

【2016年】
交通事故 30%
転落 30%
起立歩行時の転倒 30%
スポーツ 7%
その他 3%

全国脊髄損傷データベース | 吉備高原医療リハビリテーションセンター

 
 
確かに今は原因の交通事故が、エアバックが標準装備されたりシートベルトの厳罰化が行われていることにより減っていますからね。以前に知り合いのPTさんが言っていました。「高齢者の方は転倒で頚髄損傷して入院される方が多い」と。

実際に、結果として起立歩行時の転倒が増えているので、ある意味納得です。
 
 
冒頭で書いた著名人2名の方々は、自転車で転倒原因とプロレスの試合で首の骨を折り受傷されたと聞きました。今は苦しいことばかりだと思いますが、生きているだけで幸せを感じられますのであきらめずに頑張ってもらいたいですね。
 
 
では頚髄を損傷した直後の症状は、どんな感じなのでしょうか?次の章では私が経験した身体的症状とそれに伴う呼吸機能的症状の2つに分けてお伝えさせていただきますね。
 

スポンサーリンク

頚髄損傷した直後の症状とは?

 
私は交通事故で病院に運ばれたとき、次のような状態でした。
 

  • 頭蓋骨を陥没骨折
  • 頚椎を骨折
  • 頚髄を損傷
  • 胸を強打

 
入院直後の記憶は、まったくありません。また病院に運び込まれたときは事故で頭を強打していたため、錯乱状態だったと後で聞かされましたね。

その後、数週間にわたって生死をさまよった状態で過ごしました。それまでの毎日は点滴漬けで、排泄もすべて介助されていたのです。
 
 
日が経つにつれて意識もハッキリして体の調子は良くなりましたが、なぜか両手両足はピクリとも動かせずにいました。「なんちゅ~重たい布団なん?」と、思っていましたよ。
 
 
私自身、病院での入院生活が長かったため、さまざまな原因でなったそれぞれ違うレベルの頚髄損傷者と話をしました。経過はいろいろ聞いたんですが、損傷した直後は一般的に「完全型」と「不完全型」に分かれて、人それぞれ全く違う症状なのです。

また意識を失わず、受傷して病院に運ばれる救急車内からベッドまですべて記憶がある人もいれば、私と同じようにまったく記憶が無い人もいました。ただ共通して言えるのは、怪我した直後からその後しばらくは誰しもが手足の感覚が無くなります
 
 
それと同時に、このような症状があるのです。
 

  • 運動機能が麻痺(胸から下が動かせなくなる)
  • 知覚機能が麻痺(麻痺した箇所の痛みや温度感覚が無くなる)
  • 体幹機能が麻痺(自力で座った状態を保てなくなる)
  • 排泄機能が麻痺(自力で排泄できなくなる)
  • 体温調節機能が麻痺(皮膚呼吸できなくなり、外気温に左右される)
まっつん
まっつん

大まか書いてみましたが、損傷した箇所によって違ってきますのでご了承願います。

 
 
そのため病室での状態は、次のようになっていましたよ。

病室
 

≪頚髄を損傷した直後とは≫

  • ベッド上で絶対安静
  • 点滴漬け
  • すべて介護されている状態

 
その後、体の機能や感覚が戻るか戻らないかも人によってさまざまになります。今考えると、健康な部分が受傷し動かせなくなるのは恐ろしい話です。
 
 
このように頚髄損傷の症状は、全ての人が一緒でないということが理解できると思います。だとすればコミュニケーションの基本となる会話は、可能なのでしょうか?
 

頚髄損傷 会話はできる状態なの?

 
言葉を発して話をすることは、意思伝達のためにも重要です。でも頚髄を損傷すると自分自身で呼吸することができなくなる場合があり、口から人工呼吸器を付ける人もいます。

実際に私は入院中に肺炎を引き起こしてしまい、人工呼吸器のお世話になることになりました。利用するとなれば、口から言葉を発するのは難しくなります。
 
 
また肺を強打していたのもあり痰が溜まって呼吸が苦しくなり、鼻からカテーテルを入れて吸痰していたのです。

≪カテーテルとは≫
医療用に用いられる柔らかい管のこと。

 
簡単に書きましたがこの方法は想像を絶する苦しみがあり、毎回で悶絶していましたよ。

それを解消するため体調が落ち着いてきた頃に気管切開(のどの部分を切開)し、カニューレを入れました。ここからカテーテルを使用して、肺に溜まった痰を吸痰していたのです。

≪カニューレ≫
傷口など管状の部分に挿入するやや太めの管をいう。

 
ただカニューレを入れると吸痰の穴が開いたままで空気が抜け、言葉が発せられないのです。そこでたまに穴をフタして、喋る練習をしていました。普段は口パクか文字盤を使って、コミュニケーションを取っていましたね。

文字盤
 
 
ここまでの経過でさえ大変なのに、さらに現実を突きつけられる医師からの非情な宣告があったのです。その内容が、「もう2度と歩けない!」です。

うすうすは感じていたのですが、ハッキリ言われると口では言い表せない精神的ダメージを受け、誰ともコミュニケーションを取りたくはなかったですね。だって一瞬の事故で手足が不自由になったことで絶望し、言葉が出てきませんでした。
 
 
しかし、生きていくためには、してもらいたいことを相手に伝えないといけません。母が泊りで介護してくれてたため、知らず知らずに文字盤を使ってコミュニケーションを取っていましたよ。

今から考えると家族の絆というのは、心の支えにもなるし元気の源になりますね
 
 
ここまで私の経験を元にお話しましたが、どうだったでしょうか?このように頚髄を損傷した人は人それぞれ症状が違うため、こんなことが言えるのです。
 

  • 会話はしたいけど、症状によって言葉が発せられない
  • 会話はできるかもしれないが、怪我のショックで話したくない

 
受傷してすぐは、病室のベッドで絶対安静になります。お見舞いに行きたいかもしれませんが、突然行かれると本人や家族も困惑すると思いますよ。盲腸や結石の手術とは、わけが違いますからね

もし心配であればまずは電話でご家族に確認をし、了承を得て行くのがいいです。当事者や親御さんの心身が落ち着くまでゆっくりさせてあげることが、労わる一番の方法なんでしょうね。
 

スポンサーリンク

まとめ

 
今回、頚髄損傷につい私の経験をもとにお伝えさせていただきました。いかがだったでしょうか?
 
 
あなたの疑問を解消する手助けになれば、嬉しい限りです。
 

にほんブログ村 介護ブログ 障がい者へ
にほんブログ村
応援お願いしますm(_ _)m
 
 

    頚髄損傷とは?

  • 首の骨(頚椎)を痛め、そばを通る頚髄を傷つけること

 

    頚髄損傷の原因とは?

  • 現代では高齢者による起立歩行時の転倒が増えてきている

 

    頚髄損傷した直後の症状とは?

  • 手足の感覚が一時的に無くなり、いろんな障害が出る

 

    頚髄損傷 会話はできる状態なの?

  • 会話はしたいけど、症状によって言葉が発せられない
  • 会話はできるかもしれないが、怪我のショックで話したくない

 
 
頚髄損傷と言われても、症状は皆が一緒ではありません。軽症の方もいれば、重症の方もいるのが現実なんです。
 
 
どのような症状の人も障害を持つのは一緒ですから、ケアが必要になってきます。むやみやたらに励ますのではなく、心に寄り添ってあげれば支えになると思いますよ。
 
 
 

まっつん

はじめまして、頚髄損傷者のまっつんです。

健常者から障害を持つようになり、車椅子で生活していることでの感じた考えを綴ろうと思います。

共感していただければコメント欄からどしどし書き込んでもらえると幸いです。

「障害者のドクゼツ本音とーく」をフォローしよう!
障害者
スポンサーリンク
「障害者のドクゼツ本音とーく」をFacebook Twitterでシェアしよう!
「障害者のドクゼツ本音とーく」をフォローしよう!
障害者のドクゼツ本音とーく

コメント