「バイタルチェックが必要な理由って?」
頚髄損傷者を担当することになった看護学生さんで、こんな風に思った人はいないでしょうか?ヤフー知恵袋で質問されていたので、思わず記事にしたいと思いましたよ。なぜなら私は頚髄損傷者だから、もっと障害について理解してもらいたくなったのです。
そこで今回は頚髄損傷者を知ってもらうために、バイタルチェックや接し方をお伝えします。ぜひ参考にして、今後の業務に役立ててもらえれば幸いです。
頚髄損傷と看護 バイタルチェックが必要な理由とは?
冒頭でも記載したように、私は19歳の時に車の事故で首の骨を折り、頚髄を損傷してしまいました。健常者から障害を持ったため、いろんなことに苦労したんですがね。その中でも大変だったのが、病院に短期入院したときでした。
これまで何回も看護師さんにお世話になったんですが、頚髄損傷者の症状を知らない人が多いと実感したんです。こんな状態だと一つ一つ説明するのも大変で、快適な入院生活になりません。
ベテランの看護師さんでさえ知らないのであれば看護学生さんになれば、さらにわからなくなると思います。
看護師さんにとってバイタルチェックは、重要な業務の一つです。
- バイタル - 生命
- チェック - 確認
上記のように訳しますが、バイタルサイン(生命徴候)を見るための必要不可欠なお仕事になります。私は訪問看護を利用してて、月2回の様子とバイタルチェックをしてもらっていますよ。
ただ健常者のバイタルチェック自体は、普段から必要なことではありません。たとえば定期検診の為や病気で病院を訪れた方は、看護師さんがやってくれますがね。
普段から必要となるのは高齢者や幼児のように免疫力や抵抗力が低い人に対し、行うことが多くなるのです。ということは、「頚髄損傷者も、免疫力や抵抗力が低いのでしょうか?」
そうなんです。頚髄損傷者になると、免疫力や抵抗力が低くなります。
ちなみに障害を持ってからの私の普段の値は、こんな感じです。成人男性の値と比較してみました。
【バイタルの比較】
血圧 | 脈拍 | 呼吸数 | |
成人 | 100~130 60~85 | 60~80 | 12~18 |
私 | 80~90 50~65 | 90~110 | 18~20 |
このように、健常者の成人男性と比較して違う値になります。確かに体に障害を持ったことにより、色んな不都合がでてきました。
以前に頚髄損傷の後遺症について書いた記事があります。時間がある際に、お読みいただけるとありがたいです。
私のバイタル数は健常者の男性と比べただけでも、かなり違ってくるのが理解できたと思います。これでも毎日、筋トレして体を鍛えているのです。そう考えると、入院中の頚髄損傷者はベッド上にいることが多いため、免疫力や抵抗力がさらに低くなるかもしれません。
そこで私の体の状態からですが、ぜひ看護師さんに知ってもらいたい特徴があります。
頚髄損傷と看護 知ってもらいたい特徴とは?
私が病院に入院した時は、看護師さんに頚髄損傷の症状を必ず聞かれます。人の性格が同じでないように、全て一緒の症状ではありませんからね。
ただ下記3つの事項は、頚髄損傷者に共通すると思います。
- 体温調節が不可能となり、高温の場所だと体温も上昇する
- 肺活量が低くなり、痰を自力で出しにくい
- 普段から血圧が低く、上が100以下の値で、排便時はさらに低くなる
私は車椅子ツインバスケという障害者スポーツを行っていますが、夏場の蒸しかえる体育館で練習すると風邪もひいていないのに、39.0度位の体温になりますね。逆に寒ければ体温は、35.0近くに下がることもあるのです。
体温の上昇だけで風邪と判断できません。だから私は、痰が詰まるようになって体温が高くなれば風邪と判断するようにしています。
また普段から血圧も低く、調子が悪い日は目の前が真っ白になることもありますね。車椅子に乗った状態でこうなれば、介助者に車椅子の前輪を上げてウィリー状態にしてもらい、足より頭を低くして難を逃れます。判断や対処法は、長年の経験から習得することができるのです。
このようにいくつか挙げましたが、頚髄損傷者は健常者の時に比べ、体が弱くなるためバイタルチェックが重要になってきます。
ただ怪我をして落ち込んでいる頚髄損傷者を見て、以下のように悩まれることがあると思うのです。
- 「患者さんを励ましていいの?」
- 「何て話かければいいの?」
それでは次の章でどう接すればいいのか、私の経験を元にお教えしますね。
頚髄損傷と看護 学生はどう接すればいいの?
まだ経験のない看護学生さんであれば、もし頚髄損傷者が担当になった場合、どう接すればいいのか悩むと思います。何を話かければいいか、わからなくなるのではないでしょうか?
私の場合は事故をして入院した時19歳だったし、若い分、看護師さんにもてはやされました。またその時実習に来ていた看護学生さんは学年が1個か2個上の近い年代でしたし、打ち解けるのも早かったです。
今思い出してみると、看護学生さんが単独で来たバイタルチェック時が一番楽しく喋れましたね。内容としてはテレビ番組だったり趣味だったりと、他愛もない話です。
やはり質問を投げかけてくれ、聞き役に徹してくれる看護学生さんは話を聞いてくれたので、ありがたかったです。ちなみに担当のベテラン看護師さんがいると、誰もが真面目な話しかしませんでしたが。
しかし中にはこんなKYな看護学生さんがいたので、注意が必要です。
- 一方的に自分自身の話しかしない
- 怪我する前に何をしていたか詮索してくる
- 怪我について、必要以上に励ます
どこでも空気を読めない人が必ずいます。そう考えると、事情聴取のように必要以上に質問することをしない方が何かといいです。
私が最高に嬉しかった看護学生さんとのことと言えば、一緒の時期に実習していた仲間同士で実習終了日の最後に、挨拶に来てくれたことですね。17:00を過ぎた夕食前だったので長居はされませんでしたが、来てくれたという気持ちが嬉しかったですよ。
私の経験上、頚髄損傷者は受傷してかなり落ち込みます。そう考えると、他愛もない質問を投げかけ聞き役に徹してあげることが、一番の喜ばれる方法なんでしょうね。
まとめ
今回、頚髄損傷者の看護についてお伝えさせて頂きました。あなたの笑顔で、元気づけていただければありがたいです。
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- 頚髄損傷者にバイタルチェックが必要な理由とは?
- 怪我をして免疫力や抵抗力が低くなっているから測る
- ぜひ知ってもらいたい頚髄損傷者の特徴とは?
- 体温調節ができなく、高温の場所だと体温も上昇する
- 肺活量が低くなり、痰を自力で出しにくい
- 血圧が普段から上が100以下で低く、排便するとさらに低くなる
- 看護学生は頚髄損傷者とどう接すればいいの?
- 他愛もない質問を投げかけて聞き役に徹するのがいい
私は入院中の出来事で印象的なのが、看護学生さんとの出会いなんです。実際に、実習後に付き合ったこともありました♡今ではいい思い出として、残っていますよ。あなた自身、まずは実習を乗り切れるよう頑張っていただければ幸いです。
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