摘便は誰でもできることではないのをご存知ですか?実際に私自身が介護される当時者なので、知っているのです。というのも、いつもされていますからね。
今回は健常者から障害を持って長い私が、摘便についてお伝えしたいと思います。実際に行っている方法を、詳しく記載してみました。それではいってみましょう。
摘便とは?
私は19歳のときに車の事故で首の骨を折り、頚髄を損傷して車椅子で生活しています。胸から下の感覚がなく、排泄機能が麻痺しているのです。そのため力めず自然排便できません。そこで、摘便をしてもらわないといけないのです。
この言葉は、聞きなれないと思うかもしれません。入院したことがあれば、看護師さんがよく言いますので分かるでしょうけど。
摘便とは字のごとく、このような意味なのです。
肛門から指を入れて便を摘まみ出すことを言う
なお医療行為に当たるため、お医者さんや看護師さんでないとできません。したがって介護士さんやヘルパーさんは、本来であればすること自体が違法行為です。
どうしても大腸や直腸の中はデリケートな部分であるため、指を入れたときに傷つけてしまう可能性があります。そのため危険な作業となるので、医療行為とみなされるのです。とは言え、私は母にしてもらっています。
なぜなら排便は生理現象のため、いつなんどき訪れるか分かりません。そこで当事者と接する時間が特に長い家族が病院を退院する前に看護師さんの指導の下、摘便を教えてもらうのです。
医療行為に当たりますが、当事者の不快感と医療従事者の負担を減らす二方の役割をになっているのでしょうね。
もし身内の方に摘便をされる場合でも指導があってできる行為でしょうし、まずはお医者さんや看護師さんにお聞きするのがいいですよ。
次の章では、その方法についてお伝えさせていただきますね。
摘便の方法とは?
私の排便は便器を使わずにベッド上に新聞紙を引き、その上にしているのです。その後、汚物入れに便を流してもらいます。
汚い話で申し訳ありません。^^;
どうしても障害を持つと上半身でバランスが取れなく、トイレで長時間にわたって座りながらいるのは困難なことですからね。病院で重度障害者が排便する場合は、寝転がってベッド上という方法が一般的です。
ただ私の場合は寝ながらではなく、部屋のリフターで宙吊りになりながら。というのも両腕両足を空中に吊られた状態でベッド上に敷いた新聞紙の上に移動し、その状態から排便して摘便するのです。
以前に排便コントロールについて、書いた記事があります。お時間がある際に、お読みいただけると幸いです。
母は手袋をしてキシロカインゼリーを付けて滑りを良くし、肛門に入れてかき出す感じですね。そうしないと滑りも悪く、切痔になってしまうのです。
ちなみに排便行為は、吊られた状態なので重力も関係するのか20分もかかりませんよ。もしなかなか便が出なく、確認のため肛門内に指を入れたとき大腸内に無い場合があります。でもその刺激によってちょっとでも降りてきますからね。さらに繰り返せば、排便に繋がるのです。
ベッド上でするため、だるくなった場合はすぐ横になれるので最高の方法ですよ。
ただここでは言えましたが、トイレの内容だけに今まで公表していませんでした。恥を忍んでお伝えさせていただきましたので、後はご想像にお任せしますね。^^;
それでは次の章で、家族が出来なくなった場合の内容をお伝えさせていただきます。
摘便を看護師に依頼する方法とは?
私の介護は、週2回の入浴介助をヘルパーさんにお願いしている他は家族がほとんどしてくれています。ただ過去に母が検診でガンが発見され、手術のために1週間入院したことがあるのです。決まったとき、着替えや日常生活を誰に手伝ってもらえばいいか悩みました。
そこで昔から知り合いのケアマネージャー(介護支援専門員)さんに、藁にもすがる思いで相談してみたのです。言われたのが、「市役所の福祉課に相談すればいい」でした。
その内容について、詳しく書いた記事があります。お時間がある際にでも、お読み頂けるとありがたいです。
上記の記事を見るとわかりますが、まずは市役所の福祉課に電話し、自分のおかれている状況を伝えます。
地域によって健康福祉課や社会福祉課と名前は違いますが、間違ってても担当の課に繋げてもらえますよ。
住所と氏名はもちろんのこと、障害を持っていることも伝えるのです。その際このように言えばいいですよ。
これだけで、訪問看護を利用したいことが職員の方に伝わると思いますよ。後日、福祉課の担当者さんと相談支援専門員さんが聞き取りのため、自宅に訪問してくれます。その後に個別支援計画が作成され、決定されれば電話報告があるのです。
尚、自己負担額はサービスの利用に係る費用の1割が必要になります。所得に応じて、上限負担額があるのです。
母の入院中は、1回だけですが訪問看護師さんに摘便をしてもらいました。初めてだったので緊張しましたが、なんとか無事に済ませましたよ。こればっかりは、慣れなのかもしれませんね。^^;
ここまでいろいろお伝えしましたが、私のように摘便を家族に任されている場合があるかもしれません。そのためもしもの場合を考えて、何か対策はあるのでしょうか?
次の章では、私が行っている内容についてお伝えさせていただきますね。
もしもの備えとは?
私自身、入浴介助でヘルパーさんは来ていましたが摘便が無理ということは知っていました。そこで母が入院したときは訪問看護ステーションに摘便をお願いし、1回で済んだのですが。
上記の章でお伝えした相談支援専門員さんに、先を見据えていたほうがいいと言われたのです。それからは訪問看護師さんに月2回バイタルチェックに来てもらい、もしもの備えをしていますよ。
普段から定期的に訪看を利用していれば、いざ摘便してもらいたいときでも顔見知りで頼みやすいですからね。今では個別支援計画の変更があればすぐに相談支援専門員さんに電話し、お願いしていますよ。
もしご家族がご健在の場合は、看護師さんに頼むことがまったく無いかもしれません。
ただまだ大丈夫!と思っていても、いつ何時都合が悪くなるか分からないのです。そのように考えると、今後、急に摘便をしてもらいたい場面が出ることを想像する必要があると思いますよ。
突然そんな状態に陥ったとき訪問看護をお願いしたとしても、恥ずかしくて躊躇したくなりませんか?看護師さんのほうも、会っていきなり排便行為を手伝うことになるとコミュニケーションに悩むと思うのです。
その点、私のように普段から訪問看護でバイタルチェックだけでも関わっておけば、いざというときに困りません。このように考えると、まだ依頼したことがない人は先を見据えておいたほうがいいかもしれませんね。
頚髄を損傷すると、お願いすることが増えてしまいます。どうしても摘便は、切っても切り離せないことなのです。今後の参考にして頂けると、書いた甲斐があります♪
まとめ
今回、摘便について、私の経験をもとにお伝えさせていただきました。いかがだったでしょうか?
いろいろ不安だと思うのです。そのため看護師さんとは普段からコミュニケーションを取り、信頼を深めておくのがいいですよ♪
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- 摘便は介護士さんやヘルパーさんだとできないの?
- 医療行為になるので、お医者さんや看護師さんでないとできない
- 摘便を看護師に依頼する方法とは?
- 市区町村の福祉課に電話をして相談する
- もしもの備えとは?
- 普段から訪問看護を利用しておく
摘便は多くの頚髄損傷者にとって、生活していく上で必要不可欠なことなんです。
聞きたい事があれば、私でよろしければ相談に乗らせていただきますね。その際はコメント欄からお気軽に、お伝え頂けるとありがたいです。^^
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