尿漏れに悩んでいませんか?私自身が、過去にそうとう苦労しました。今では軽減されているのですが、その方法を知りたくなりませんか?
今回は健常者から障害を持った私が、尿漏れ対策で経験したことについて詳しくお伝えしたいと思います。後半には、現在の状態も書かせていただきました。それではいってみましょう。
尿漏れ対策に薬は有効?
私は19歳のときに車の事故で首の骨を折り、頚髄を損傷して車椅子で生活しています。障害を持ってからは、排尿機能が失われました。そのためだんだんと膀胱容量が小さくなり、漏れる確率が高くなったのです。
私自身C6-Aという最低レベルですが、自己導尿をし始めた頃はとにかくよく尿漏れをしましたよ。
- ≪頚髄損傷C6レベルの内訳≫
- C6-A ★★★★
- C6-B1 ★★★
- C6-B2 ★★
- C6-B3 ★
★が多いほど障害がキツイです。
過去に書いた記事があります。お時間がある際にお読みいただければ幸いです。
一番尿がたまらなかった当時は、膀胱容量を測ると130mlと少ないものでした。オロナミンC(120ml)1本くらいで、雀の涙みたいなものです。^^;
ただ頚髄損傷者はレベルごとに症状がさまざまなので、排尿に関して一概に言えません。そこで今回の記事はC6レベルの人を対象に書いていますので、ご了承願いますね。
ところで過去の私は、尿が漏れてお尻の皮膚が蒸れて床ずれ(褥瘡)がよくできたのです。対策としては泌尿器科で診察し、処方された薬を試すことをしました。写真のバップフォーという薬を、朝と晩の2回に分けて飲んでいましたよ。
ちなみに、効果や副作用がこちらになります。
- 【バップフォーの効果と副作用】
- 効果:膀胱平滑筋の収縮をおさえ、膀胱容量を増加させる
- 副作用:口渇、便秘、せん妄、ふらつき
飲んでみた感想ですが、尿が大量に溜まるようになった効果は得られませんでしたね。その代わり、副作用にある口の渇きがひどかったです。
結論としては、薬だけで漏れを治すことは不可能でした。
そのため下の内容を並行し、徹底して行っていたのです。
- 水分量を減らす
- 2時間起きに自己導尿する
だけど、完璧な内容ではありません。
尿漏れは水分量を減らすことで、確かに少なくなります。ただ脱水症状になったり血液中の水分が少なくなり、心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こす恐れも出てくるのです。ハッキリ言えば、体に良くありません。
また2時間おきに自己導尿するのは、連続して寝れないので本当に大変です。私は薬を飲むのと並行してこれら2つをしても、尿漏れが改善することはありませんでした。
そこで藁にも縋る思いで泌尿器科の先生に、一番良い方法が何か相談してみたのです。すると、「尿漏れを防ぐには、膀胱拡大術が一番いい!」と言われました。
それでは次の章で、その内容について詳しくお伝えさせていただきますね。
尿漏れ対策の膀胱拡大術とは?
膀胱拡大術と言われても、よくわからないと思います。言葉の通り、膀胱を大きくして尿を貯める容量を増やす手術なんですがね。
内容は、自分自身の腸を使い、一部を膀胱に張り合わせて大きくするのです。それと同時に、尿失禁を治す効果がある尿道スリング手術も行われます。
特殊なテープで尿道を吊り、膀胱(ぼうこう)に腹圧がかかっても尿失禁しないようにする手術
ちなみに、私がした手術と経過がこちらです。
【私が過去にした膀胱拡大術の経過】
手術日2週間前に入院
⇩
手術日まで食事量を減らし、尚且つ下剤を飲んで小腸を空っぽにしていく
⇩
手術日当日は朝から病衣に着替えてオペ室に入り、全身麻酔で開始
⇩
手術日(術後1日はICU≪集中治療室≫で過ごし、落ち着けば普通病棟に戻る)
⇩
毎日、医師と看護師による膀胱洗浄がある
⇩
術後、1ヶ月半~2ヶ月弱で退院
各医療機関によって入院期間が違いますので、ご了承願います。
手術で膀胱を繋ぎ合わせていますが、小腸自身が粘液を放出するため膀胱洗浄が欠かせなくなります。
カテーテルを尿道から膀胱に入れ、注射器で生理食塩水を入れたり抜いたりして洗浄すること
これをしないと排尿時に入れたカテーテルが粘液で詰まり、尿を出せなくなるのです。上記、手術の経過は人それぞれ個人差があると思いますので、参考程度にご覧いただければと思います。
ちなみに、私がお世話になった病院名は厚生連高岡病院(富山県高岡市永楽町5番10号)です。
金沢大学の関連基幹病院のようですね。
手術は8時間くらいの長丁場でしたが、全身麻酔であっという間だった感じです。ただ術後の4日間は、何とも言えない体のだるさと辛さが続きましたね。5日目から徐々にではありますが、楽になったのを覚えています。
その後、開腹手術の傷が治り、術後2か月になる前に体調も良くなって退院となりました。
次の章では、膀胱拡大術をした後の私の経過をお伝えさせていただきますね。
尿漏れ対策の手術をした後の経過とは?
もし手術を考える人にとって一番気になることといえば、「すぐ効果はあるの?」という内容だと思います。
ハッキリ言わせて頂ければ、私はすぐに大量の尿が溜まるようになりませんでしたね。しかし、漏れ止めの薬を飲んだからなのか膀胱容量が200㎜前後にはなりました。1年~2年は漏れもありましたが、手術前よりは減りましたよ。
術後3年目ぐらいからでしょうか、尿がだんだんと溜まり始めましたね。今では漏れ止めの薬を飲まず、これ位の尿量が溜まります。
- 車椅子に座った状態 - 250㎜~300㎜
- 寝た状態 - 350㎜~500㎜
また尿意が催されてからも、30分~1時間もちますね。だから外出時の水分量は、気にせずにガンガン飲んでいますよ。
なお膀胱洗浄は自宅に戻ってから、欠かさず行わないといけません。写真はそのセットになります。生理食塩水を紙コップに入れ、注射器で吸い上げてカテーテルで膀胱に入れてまた吸い取るという単純作業です。
この作業で、小腸が放出するドロドロの粘液が掃除されます。19年経った今でも出てきますが、今では膀胱拡大術をして本当に良かったと思っていますよ。
その利点は、具体的に何があるのでしょうか?次の章ではその内容について、お伝えさせていただきますね。
尿漏れ対策の膀胱拡大術メリットとは?
私が手術をして思うメリットはいくつかあります。日頃から思う内容がこちらです。
- 尿漏れが原因の床ずれができなくなった
- 外出時にいろんな飲み物を気にせず飲めるようになった
- カフェインが含まれる飲み物が飲めるようになった
- 飲み会でビールをガンガン飲めるようになった
漏れを気にせず飲める自体、本当に嬉しいことなんです♪飲み会でビールのおかわりができるのは、最高だと思いませんか?
もし漏れを気にしていたら、飲みの場や集まりが楽しくありません。さらに失敗してしまえば、ブルーになってしまいます。些細なことと思うでしょうが、本人にとっては非常に重要なことなんです。^^;
ただ間違ってもらいたくないのは、膀胱拡大術をすれば完全に尿漏れが無くなる訳ではありません!こんな私は、今でもたまに失敗していますよ。でもしないよりは、確実に減りますからね。
手術自体、辛いことが多いけど、長い人生を考えるのであればおすすめしたい内容です。もし質問があれば、コメント欄からお願いしますね。この内容が参考になれば、嬉しい限りです♪
まとめ
今回、膀胱拡大術について私の経験をもとにお伝えさせていただきました。いかがだったでしょうか?
気晴らしに、お酒やジュースをたくさん飲みたくなることがあるのです。私は今後の人生を考えれば、手術をやって良かったと思いますね。
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- 尿漏れ対策に薬は有効?
- 薬だけでは限界がある
- 尿漏れ対策の膀胱拡大術とは?
- 開腹して膀胱に小腸を縫い付け、膀胱容量を増やす手術
- 尿漏れ対策の手術をした後の経過とは?
- 術後3年後ぐらいから漏れも減り、膀胱容量も増えた
- 尿漏れ対策の膀胱拡大術メリットとは?
- 尿漏れが原因の床ずれができなくなった
- 外出時にいろんな飲み物を気にせず飲めるようになった
- カフェインが含まれる飲み物が飲めるようになった
- 飲み会でビールをガンガン飲めるようになった
個人差はあるでしょうが、膀胱容量が増えるのは確かです。また尿漏れが減ることは、一番ありがたいですね。未来に向け、ゆっくり考えていただければ幸いです。
応援していますね。
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