車いすツインバスケのルールをご存知ですか?
車いすバスケと聞いたことはあるでしょうが、ツインバスケのほうになります。私自身チームの代表を任されていて、まだまだ知名度が低いので多くの人に知ってもらいたいと思っているのです。
今回は健常者から障害を持って長い私が、車いすツインバスケのルールやサポート内容についてお伝えしたいと思います。後半には、手伝ってもらいたいことを詳しく書かせていただいていますよ。それではいってみましょう。
車いすツインバスケ 車いすバスケの違いとは?
オリンピック・パラリンピックの時期になると、車いすバスケがテレビでよく紹介されます。
車いすバスケは有名です。車いす同士がぶつかり合い迫力満点!多くの人がテレビで見たことがあるはずです。でも、車いすツインバスケはそれとは違います。一体どこが違うのでしょうか?
2つを、表で比較してみました。
車いすバスケ | 車いすツインバスケ | |
---|---|---|
考案時期・場所 | 1940年代・アメリカ | 1980年代・日本 |
障害 | 腰髄損傷者 胸髄損傷者 その他下肢障害者 | 頚髄損傷者 脳性麻痺者 その他四肢麻痺者 |
ゴール | 1ヶ所(ハーフコート) | 2ヶ所(ハーフコート) |
ボール | 皮革製7号 | ゴム製5号 |
試合時間 | 1ピリオド10分を4ピリオド (計40分) | 1ピリオド10分を4ピリオド (計40分) |
時間制限 | 制限区域3秒 フロントコートまで 8秒 ショットクロック 24秒 | 制限区域8秒 フロントコートまで15秒 ショットクロック30秒 |
車いすツインバスケは車いすバスケと違い、四肢麻痺者という手にも障害を持つ人のスポーツなんです。だからスピードを比べると、動作が全体的に遅くなるので時間制限が違ってきます。日本で考案されているのが、驚きではありませんか?
残念ながら、国体やパラリンピックの正式種目ではありません。理由がこちらになります。
- 対象の四肢麻痺者である頚髄損傷者・脳性麻痺者が少ない
- 各都道府県・各国に存在しないチームがある
私は代表を任されています。しかも現役の選手のため、認知度が低いのを上げたいという強い思いがありますね。
ただ車いすツインバスケと言っても、まずルールを知ってもらうことが先決だと思うのです。次の章で、それをお伝えさせていただきますね。
車いすツインバスケ ルールとは?
車いすツインバスケの障害の種別は、四肢麻痺者とお伝えしました。簡単に言うと両手両足に障害を持つ人で、身体障害者手帳の1級でも重度障害者にあてはまります。車いすバスケの選手である手が動く「胸髄・腰髄損傷」の方よりも、さらに状態が悪いのです。
ポイントとなるのが、ハーフコートにゴールが2つあることからツインバスケと呼ばれています。
なぜゴールが2つあるの?と、疑問になられる方もいるでしょう。
選手は手にも障害があると言いましたが、その中でも状態がさまざまなんです。
- 上のゴールに届く人
- 上のゴールに届かない人
上のゴールに届かない状態の悪い人を、ゲームに参加させることが目的になっています。そのため、フリースローサークルの中央に置いた1.20mの高さのある下ゴールを用いてプレーするのです。
写真の低い位置のゴール周りには、円(サークル)があるのですがわかりづらいですね。
選手の状態により、シュート位置が3ヶ所あるのです。
- 円(サークル)から下ゴール
- 円(サークル)から下ゴール
- 上ゴール
円内シューター・円外シューター・上シューターと言います。
選手は、医師やPT・OTにメディカルチェック(障害の状態を判定)されクラス分け後に登録します。
理学療法士のことを言う
作業療法士のことを言う
試合中は選手を見分けるのに色の付いたヘアバンドをするので、表にまとめてみました。
シュート位置 | 個人の持ち点 | ヘアバンドの色 |
---|---|---|
円内から下ゴール | 1.0点 ~ 2.0 点 | 赤バンド |
円外から下ゴール | 1.5点 ~ 3.5 点 | 白バンド |
上ゴール | 2.5 点~ 4.5 点 | バンド無し |
1チーム5人で試合(選手の合計点数を11.5点以内)、という決まりが存在します。
表を見ると点数が低い人は状態が悪いと分かるでしょうが、以下を参考にしていただけると幸いです。
- 1点×5人 = 合計点数5点 ◯(11.5点以内だが、状態の悪い選手でボール運び出来ない)
- 4点×5人 = 合計点数20点 ×(状態の良い選手ばかりで、点数オーバー)
ちなみにドリブルは、白バンドとバンド無しの選手だと車いすを2回漕ぐごとに床につかないといけません。状態の悪い赤バンドの選手はその工程ができないので、2回漕ぐごとに両手で胸までボールを上げるのです。
さまざまな人を織り交ぜて5人で11.5点にし、チーム編成しなければなりません。だけど四肢麻痺の人口も少なく、なかなか都合良くいかないので全国登録出来ないチームが多いのが現状ですね。
ところで車いすで障害者スポーツをするなら、生活用に使われている普段の車いすと構造が違ってきます。次の章では、バスケ用の車いすについて詳しくお伝えさせていただきますね。
車いすツインバスケ 専用車いすとは?
まずは写真で見てみましょう。私たちチーム練習前の風景ですが、普段から乗っている生活用車いすとは明らかに形が違うと思いませんか?
このようになります。
- バスケ用車いす = スピード走行が可能に作られている
- 生活用車いす = 安定性を重視して作られている
バスケ用車いすの特徴がこちらです。
- ブレーキが無い
- スピード走行ができるよう、タイヤがハノ字になっている
- 小回りができるよう、前輪が極めて小さい
- 後ろに転倒防止バーが付いている
実際に乗ってみるとわかりますが、弱い力でも漕ぎ出しが軽く小さいお子さんでも簡単に動かせますよ。
でも健常者の方が手伝うのであれば、どんなことが協力できるのでしょうか?次の章では、その内容についてお伝えさせていただきますね。
車いすツインバスケ サポート内容とは?
車いすツインバスケの選手は何回も言いますが、両手両足に障害がある四肢麻痺者です。手にも障害があるので、準備段階から手伝ってもらわないと練習をする事ができません。
そこで、内容をまとめてみました。
- 生活用車いすからバスケ用車いすの移乗
- 手にテーピングをして保護する
- 練習道具の準備(下ゴール、ボール、電光掲示板)
手伝ってもらいたいことは選手それぞれたくさんあるでしょうが、大まかに言うと上記のような感じですね。
写真は、手袋をはめてテーピングをしてもらっています。練習に参加したときお伝えした以外のことも言われるかもしれませんが、そんな難しく考える必要はないですよ。
また方針はチームによって違い、選手だけの練習を重点的にするとか、参加者みんなで楽しむとかさまざまです。
ちなみに私たちのチームは、『健常者と障害者が気持ちを共有しあう』ということをコンセプトに活動しています。
ブログを掲載しておきますね。
私たちのチームに参加していただく健常者の方には、実際バスケ用車いすに乗ってもらい練習やゲームを体験してもらうのです。またバーベキューや忘年会も一緒に楽しみ、障害を持った方との交流を図っています。
お手伝いだけするのは、面白くないですからね。一緒に楽しみながらするのが一番です。
私たちはこれからも車いすツインバスケの普及に向け、全力で頑張っていきます。温かい気持ちで見守って頂ければ、嬉しい限りです♪
まとめ
今回、車いすツインバスケについてお伝えさせていただきました。いかがだったでしょうか?
それぞれのチーム方針は違うでしょうが、練習に参加すればあなた自身が楽しめると思いますよ。
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- 車いすツインバスケ 車いすバスケの違いとは?
- 障害の種別やゴールの位置、ボールの大きさが違う
- 車いすツインバスケ ルールとは?
- シュート位置が障害の状態によって3ヶ所ある
- 車いすツインバスケ サポート内容とは?
- バスケ用車いすの移乗やテーピング、練習準備など多数ある
重度障害者がスポーツをするには、健常者の力が必要になります。だから私たちは常日頃、選手やスタッフを募集をしながら活動しているのです。
協力してくれる人が増えることを、願っております。
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