知的障害者と遊びを考えるとき、楽しめるものは何か?なかなか難しいと思うのです。
- 簡単にできるだろうか?
- 楽しんでもらえるのか?
いろいろ考えちゃいます。
今回は障がい者スポーツ指導員の私が経験にもとづいて、知的障害者の遊びについて写真付きでお伝えします。後半には、割引についての例も記載してみました。それではいってみましょう。
知的障害者の人が楽しめる遊びとは?
私は19歳のときに車の事故で首の骨を折り、頚髄を損傷して車椅子生活しているのです。障害を持ってからは、車いすツインバスケという障害者スポーツを行っています。
また障がい者スポーツ指導員の資格も取得し、普及にも関わっているのです。そのため、よく知的障害者の方を支援に行くことがあります。
一緒に関わっていくうちに、楽しんでもらえるコツがあることがわかりました。その内容がレクリエーションスポーツや既存の障害者スポーツを行うのに工夫が必要ということ。なぜならルール通りにできない場合があり、簡単にできるよう調整がいるのです。
先日、知的障害者との交流で行われた内容がこちらです。
- ボッチャ
- 卓球バレー
- ディスゲッター
- カローリング
写真で紹介してみますね。
【ボッチャ】
ボッチャのボールを使い、ブルーシートに描かれた赤の円に向かって投げて楽しんだ。
【卓球バレー】
長方形の板を使い、ボールが落ちないように打ち合って楽しんだ。
【ディスゲッター】
ディスクを的に投げ、落として楽しんだ。
【カローリング】
ペットポトルをピンとして置き、ローラーの付いたジェットローラーを転がして倒し楽しんだ。
ただこれらはすべて道具がいるので、県の障害者スポーツ協会で借り実践しました。貸借が難しいのであれば、音楽を使っての簡単なダンス。椅子に座っての風船バレーや、ペットボトルをピンにして輪投げ。ビーチボールを転がすボーリングなどが、いいのかもしれませんね。
身近にあるものを利用し、いろいろと工夫すればいいですよ。
ポイントはただやみくもに行うのではなく、点数を付けることがいいです。高得点が出ると、盛り上がりますからね。参考にどうぞ。
ここまでは、知的障害者と遊びについてみてきました。次の章からは、障害者という幅広い分野に広げ、遊びや具体例、関わってくる割引の制度についてみていきたいと思います。
障害者にとっての遊び
障害者は心身の障害によって機能面、能力面のハンディキャップを有しています。どうしても健常者に比べて制限があり、社会参加の機会が限定されてしまうのです。
回復を見込める場合は、リハビリをして目指すことになります。結果的にハンディキャップが解消され、社会へ再参加することも可能なのです。しかし、回復が望めない場合もあります。その場合は障害を受容し、うまく付き合いながらいかにして質の高い生活を送るかが重要になるのです。
そこで遊びを手段として用いるリハビリ、中でも作業療法や障害者支援の現場で実践されるようになりました。
また高齢者や障害者のリハビリの現場では「遊びリテーション」と呼ばれる概念が、治療的な手段の一つになるのです。楽しく実践できて回復にもつながるのは、まさに一石二鳥ですね。
障害者の遊びをリハビリに使用する具体例
障害者が有しているレベルによってどのように活用してリハビリに活かすか、それぞれ異なってきます。つまりそれぞれの障害像はもとより遊びが持つ要素や特性をも理解し、戦略的な視点が必要になるのです。それを踏まえた上で例を示すと、以下のようなものが挙げられます。
- 【手指の巧緻性(こうちせい)に発達上の問題がある対象者】
- テレビゲームをすることでコントローラーの操作を通して楽しみながら手指機能の改善
手先の器用さや巧みに指先を使う能力のこと。
- 【身体機能の重度な障害による車椅子ユーザー】
- 散歩の機会を設定し、視覚的・感覚的に四季の変化を体感することで精神面の活性を促す
- 【対人関係が苦手なことにより仕事が長続きしない精神障害者】
- 本人の好む活動を通して人と関わる場に参加することで、自然な形で対人交流を促す
- 複数の人と関わることにより、職場環境で必要とされるストレス耐性の獲得を図る
- 【重度の発達障害により身体活動や意志表現することが難しい障害児】
- 音や光を発するおもちゃを処方し、聴覚刺激や視覚刺激を与えることによって反応を促す
- 【自宅に引きこもっている精神障害者】
- 映画を観賞するために必要な予算(鑑賞料や交通費等)を計算
- 映画鑑賞に係る一連の行動を計画
- 引きこもりを解消し、社会との接点の獲得を促す
遊びと言っても工夫により、リハビリに繋がっていくのです。
障害者の遊びに関係する制度とは?
障害者の遊びに関係する制度として、各種障害者手帳を持っていることによる割引制度があります。障害の種類や程度により内容や額等が異なりますので、サービスの提供先・実施主体等に確認してみるのがいいですよ。
過去に書いた記事があるので、お時間がある際にお読みいただけるとありがたいです。
少し書き出してみますね。
- ≪割引制度の例≫
- 公共交通機関運賃や高速道路料金等の割引
- 映画鑑賞料金の割引
- 美術館や博物館、水族館や動物園等の入場料の割引
- アミューズメント施設やスポーツ施設、レジャー施設等の利用料金の割引
- 宿泊施設の宿泊料の割引
- スポーツ観戦料金の割引
以上の例を見て分かるとおり、社会参加を促す活動に対して割引が設定されています。このことからも、遊びとの密接な関係があると言えるのでしょうね。
まとめ
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障害者と遊びには、リハビリや社会と密接な関係があります。楽しみながらすることで自然と体を動かすことができ、参加することもできるのです。さらに障害者にとって遊びが発展することを、願っております。
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