褥瘡になる原因をご存知ですか?私自身が車椅子ユーザーなので、当然のごとく知っているのです。できると厄介ですからね。
今回は健常者から障害を持って長い私が、褥瘡になりやすい原因と箇所を経験にもとづいてお伝えしたいと思います。それではいってみましょう。
褥瘡の原因 メカニズムとは?
私は19歳のときに車の事故で首の骨を折り、頚髄を損傷した四肢麻痺者です。胸から下の感覚が全くないため、車椅子で生活を送っています。
そのためこの記事は、私と同じ頚髄損傷者を対象にした内容です。ご了承願います。
このような2つの理由から、褥瘡ができやすくなるのです。
- 痛みがわからない
- 体が思うように動かない
私が受傷した当時は健常者から障害を持ったため、自分自身の体について感覚が理解できず褥瘡を何回も作ってしまいました。今では経験を積み、車椅子に乗っている際やベッド上にいるときは細心の注意を払っています。
それでも日ごろから気を付けていないと、すぐできてしまいますよ。
過去に、車椅子のクッションとベッド上の予防について書いた記事があります。お時間がある際にお読みいただければ幸いです。
ちなみに、褥瘡ができる大きな原因がこちらです。
- 皮膚の圧迫
- 皮膚の擦れ
- 皮膚のズレ
- 皮膚のかぶれ
- 栄養不足
私は過去に、お尻と足の部分によく作りました。ですから次の章では、上の原因をお尻と足に分けて説明していきますね。
褥瘡の原因 お尻の部分
お尻の箇所にできた褥瘡は、なかなか治りません。参考に気を付けていただけるとありがたいです。
皮膚がふやけた状態からのズレ
頚髄を損傷すると、排泄機能が麻痺してしまいます。つまり、必然的に尿や便を漏らすことが多くなるのです。
写真は私が排便日の直後に使用している、パンツタイプのオムツ。これ以外に、フラットタイプの大きなモノや尿取りパッドも使い分けています。
オムツを使用するのはもちろんですが、それ以外でも下のような状況下になると湿気で蒸れて皮膚をふやかすのです。
- オムツを使用した状態
- オムツを使用中&尿や便で漏れた状態
- ズボンとパンツを穿いたとき&尿や便で漏れた状態
この条件で移乗をすると、肛門付近や仙骨部の皮膚が1枚ぺランとめくれることがあります。またオムツをずっと使用していると肛門付近の弱い皮膚がかぶれ、その部分が傷になるのです。
そこで私は普段から蒸れを作らないため、尿や便を漏らすことに気を付けながらボクサーパンツで過ごしています。
特に、上記3つの状況下での移乗は本人はもちろん、介護者に気を配っていただきたい内容です。お尻にできた傷はどんなに小さくても、褥瘡のもとになりますよ。
テープのかぶれ
もし傷ができた場合もしくはできそうなとき、保護するためにガーゼを貼ることがあります。その場面で使うテープは、特に気を付けないといけないのです。
写真は、ガーゼを留める粘着力のあるビニールタイプのテープです。これをお尻のような弱い皮膚の部分に長い間貼ると、かぶれてしまいます。どうしても粘着力が強いタイプは、テープを貼りかえるときに皮膚がいっしょに剥がれ落ちる場合があるのです。
その傷が褥瘡のもとになるため、ガーゼを留めるのに粘着力が弱い紙テープのタイプを使用した方がいいですよ。自分自身の皮膚に合ったテープを知ることは障害を持って生活していく上で、重要なことなのです。
おでき
お尻には小さなおできができることがあります。要は吹き出物ですが、毛穴から細菌が入り膿ができるパターンです。小さくても油断は禁物で、化膿した部分が擦れて潰れてその傷から褥瘡になる場合があります。
私は何回か作ったのですが、尿や便で汚れたのを不潔にしておくとできてしまう確率が高くなりますね。
ここまでお尻の部分を見てきましたが、オムツをしているだけでも褥瘡につながる要素が多くなるのです。そのためにも排便後や排尿後だけではなく、普段から清潔に保つことが重要になってきますね。
褥瘡の原因 足の部分
ここからの内容は、私の足にできた褥瘡の原因になります。参考にしていただけるとありがたいです。
車椅子のフットレストによる皮膚の圧迫
私の使用している車椅子は、フットレスト部分もすべて金属でできているタイプです。
車椅子の足を乗せる場所
外出時は靴を履くのですが、自宅にいるときは裸足か靴下。そのため足裏の皮膚を長時間も移動せずにフットレストに乗せたままにして、以下の箇所に褥瘡を作ったのです。
- 足裏の小指下の部分
- 足裏の土踏まず下の部分
まず水膨れになって傷が進行し、えぐれて深くまで達しました。完治するまでは数か月という非常に長い期間がかかり、毎日の処置も大変でしたよ。
これは経験しないとわからない内容なので、参考に気を付けていただけるとありがたいです。
車の長時間運転による皮膚の圧迫
私は車を運転しているとき、靴を脱いで座席に座ります。裸足か靴下の状態のほうがよく滑るので、移動しやすいのです。
そのため座席の足元には念には念を入れてマットレスを敷いていますが、それでも硬い床の状態。3~4時間の長距離運転したときは足の圧迫まで気にしなかったため、かかとに褥瘡を作ったのです。
要は置きっ放しがいけませんので、気を配る必要があります。足の部分はベッドに寝ていなくてもできる箇所なので、気を付けなくてはいけません。
さらに栄養不足も関係してくるのです。
褥瘡の原因 栄養不足とは?
褥瘡の原因は、栄養不足も関係してきます。食べないのも困りますが、中でも揚げ物やファストフードばかり食べていると皮膚トラブルの影響を及ぼすのです。
不足になりがちな栄養成分がこちらになります。
- タンパク質(血管・筋肉・肌を作る) - 肉類・魚介類・卵・大豆製品・乳製品
- ビタミンE(血行を促進) - うなぎ・かぼちゃ・赤ピーマン・アーモンド
- 鉄(血液の成分) - レバー・牛肉・卵黄・鮎・しじみ
- 亜鉛(新陳代謝を促進) - 牡蠣・ごま・たらこ・レバー
- ビタミンA(活性酸素から守る) - レバー・あん肝・うなぎ・たら・あなご・しそ
- ビタミンC(免疫力アップ) - パプリカ・パセリ・キャベツ・ピーマン・ゴーヤ
上記の栄養素は、肌に影響を及ぼすものになりますね。そこで褥瘡ができる前から、食事の面でも改善が必要になってきます。できてからでは遅いのです。
まずは好き嫌いなく何でも食べることが、良いのではないでしょうか?和食を意識して食べられると、健康に繋がると思いますよ。
海外では日本食が、健康的で理想的な食生活として注目を集めています。
体の皮膚は胃腸と繋がっているため、腸内環境を良くさせれば皮膚も丈夫になることが分かっています。ただ頚髄損傷者は排便機能が麻痺しているため、快便になってしまうといろいろと困るのです。その点は深く記載しませんでした。
しかし、あなたの排便機能がシッカリしているのであれば、食物繊維や発酵食品を摂ることによって褥瘡予防につながります。皮膚に良い食べ物はたくさんありますし、独自で学ばれることをおすすめしますね。
褥瘡ができてしまったときの対処法や保護法は、長文となるために改めて書かせていただきますのでご了承願いますね。
この記事で紹介した部分は、特になりやすい原因と箇所になります。毎日の生活にご活用いただければ幸いです。
まとめ
今回、私が褥瘡を作ってしまった原因を中心にお伝えさせていただきました。いかがだったでしょうか?
あなたには私のような同じ過ちを繰り返して欲しくないので、参考にしていただけるとありがたいです。
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- 褥瘡の原因 メカニズムとは?
- 皮膚の圧迫・擦れ・ズレ・かぶれ・栄養不足
- 褥瘡の原因 私が褥瘡を作った要因とは?
- お尻の皮膚がふやけた状態からのズレ
- オムツやテープのかぶれ
- おでき
- 車椅子のフットレストによる皮膚の圧迫
- 車の長時間運転による皮膚の圧迫
- 褥瘡の原因 栄養不足とは?
- タンパク質(血管・筋肉・肌を作る)
- ビタミンE(血行を促進)
- 鉄(血液の成分)
- 亜鉛(新陳代謝を促進)
- ビタミンA(活性酸素から守る)
- ビタミンC(免疫力アップ)
褥瘡をなめちゃいけません。私は相当、苦しみましたから。
まずは食生活を改善し、健康な体を保ちたいですね。応援しています。
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