パラリンピックのカヌー競技をご存知ですか?私自身、車椅子ユーザーですが、カヌー競技があると驚きましたね。バランス感覚はもちろん、腕の筋肉もメチャメチャ必要だと思うのです。
今回はパラリンピックのカヌーについて、詳しく解説します。後半には障害者スポーツをする私の意見も、記載してみました。それではいってみましょう。
パラリンピックカヌーとは?
まずは動画で、パラリンピックのカヌーを見てみましょう!健常者と一緒の土俵に立てるのが、これまた素晴らしいスポーツです。
障害者が行うカヌーは、2016年に開催されたパラリンピックリオデジャネイロ大会で、初めて正式種目として採用されました。競技はレース専用のカヌーを使用し、水の流れのない200mストレートコースでスプリント形式のレースが行われます。
複数艇が一斉にスタートしてその着順を競う。途中で転覆した場合は失格。
なお参加できるのは、脊髄損傷や下肢切断、片麻痺等によって下肢に障害を有する選手となっています。
パラリンピックカヌーのクラス分けとは?
パラリンピックカヌーは競技の公平性を保つため、障害の程度によって次の3つのクラスに分けられます。
- ≪L1クラス≫
- 体幹の支持性が失われ座位の安定を保つことが難しいが、肩か腕の両方の機能でカヌーを漕ぐことができる。
- 体幹のバランスを保つ高い背もたれの付いたシートを艇に設置し、選手の体を固定して競技に参加する。
- ≪L2クラス≫
- 下肢の機能低下で踏ん張らせることは難しいものの、体幹と肩、腕の機能でカヌーを漕ぐことができる。
- 体幹のバランスを維持できるため、背もたれのないシートに着座して競技に参加することができる。
- ≪L3クラス≫
- 腰部及び上半身全体を使ってカヌーを漕ぐことができる選手のクラス。
- 主に下肢切断の選手に分類され、艇の操作性に優れる小型のシートに着座して競技に参加する。
Lに付く数字が小さくなるにつれ、障害が重くなります。
200mスプリント種目をさらに詳しく言えば各選手のコース幅が9mの走路を最大8艇でスタートし、船首がフィニッシュラインを越えるまでのタイムの速さを競うのです。走路の幅は9mですがそのうち中心の4mのみが漕行エリアとされており、そこから出るとコースアウトとみなされ失格になります。
パラリンピックカヌーの種目
2016年開催のパラリンピックリオデジャネイロ大会ではカヤック種目が実施されました。次回の東京大会は、カヤック種目に加えてヴァー種目も実施されることが決まっています。
足を前方に投げだすようにして座り、ダブルブレードパドル(両側に水掻きが付いたタイプ)で漕ぐカヌーのこと。
片側にアウトリガー(浮力体)のついた、スプリント専用の競技用カヌーのこと。シングルブレードパドル(片側に水掻きが付いたタイプ)で漕ぐ。
カヤック種目で使用される艇は直進性を最優先に設計されているため、真っ直ぐ速く進むことができます。ただ安定性や回転性は低く、カヌー経験者でも乗りこなすのが難しいのです。
一方ヴァー種目で使用される艇はアウトリガーの設置により艇の安定性は増しますが、直進性は低下して遅くなるのです。
ちなみにパラリンピック東京大会で実施される競技種目は、以下のように発表されています。
- ≪男子≫
- カヤック(K)… L1、L2、L3
- ヴァー(V)… L2、L3
- ≪女子≫
- カヤック(K)… L1、L2、L3
- ヴァー(V)… L2
2020パラリンピックカヌーの日程は?
2020年に開催される東京パラリンピックのカヌー競技は、日程がすでに決まっています。以下に記載しますね。
【カヌー】
8/25 | 8/26 | 8/27 | 8/28 | 8/29 | 8/30 | 8/31 | 9/1 | 9/2 | 9/3 | 9/4 | 9/5 | 9/6 |
〇 | ★ | ★ |
【9月3日】 9:30 – 12:45 | |
【9月4日】 決勝 9:30 – 12:55 | 【9月5日】 決勝 9:30 – 12:50 |
海の森水上競技場は、東京都江東区青海三丁目地先に整備される施設。今年の5月に竣工予定です。新しい場所でできるのは、アスリートも観客も気持ちの良い気分になれる空間なのでしょうね。
パラリンピックカヌーの見どころとは
パラリンピックカヌーは一般競技と同じく、水面をすべるように進むカヌーのスピード感が大きな見どころです。
パラリンピックのカヌー競技は200mのスプリント種目のみなのでレースの決着も早く、障害が軽いと約40秒ほどでゴールに着きます。スタートした瞬間から一気にマックスまで上昇させ、ゴールまで全力で突き進む選手の姿がダイナミックで迫力に満ちているのです。
また各選手それぞれ自分の障害の状態に合わせてシートやコックピットに改造を施すことが、認められています。形状や構造はもちろんのこと、使用する素材や材質等の工夫も含まれるのです。
いかに自分の身体と艇をフィットさせて一体にできるかも、勝負を分けるポイントとなってきます。競技の水面下では、選手とスタッフの間で改造に係わる努力が日々行われるのです。
十分の一秒・百分の一秒のタイム短縮に絶え間ない試行錯誤が繰り返されているということを知っておくと、レースの見方もより味わい深くなるのではないでしょうか。
申し遅れましたが私は19歳の時に車の事故で首の骨を折り、頚髄を損傷して車椅子で生活しています。障害を持ってからは車いすツインバスケという障害者スポーツを、趣味と健康のため行っているのです。
私もアスリートの端くれなので、カヌーをされている障害者の気持ちがわかります。というのもプレー中にある声援は、何十倍も何百倍も力になって後押ししてくれるのです。
多くの人が応援すれば、素晴らしい記録にも繋がるのではないでしょうか?みんなで日本の選手を信じて、観戦に行っちゃいましょう!
まとめ
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パラリンピックのカヌーは、まだまだメジャーな障害者スポーツではありません。東京で開催を機に、競技人口が増えることを願っております。頑張れ~日本!
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