障害者支援と聞いたことがあると思います。どのようなことを言うのかご存知でしょうか?私自身が障害者のため、普段から恩恵を受けているので大変ありがたい存在なんです。
今回は障害者支援について、わかりやすく解説します。後半には頚髄損傷者の友人にも取材してみました。それではいってみましょう。
障害者支援とは?
私は19歳のときに車の事故で首の骨を折り、頚髄を損傷した障害者です。普段は車椅子で生活を送っています。障害者支援をされているのですが、支援と聞けば手助けしてもらうと想像しませんか?
まさにその通りで日本では障害者総合支援法という法律があり、障害者の生活に対して手厚い援助をしているのです。
簡単に言うと、すべての障害者が生活していく上で困難な場合は必要なサービスを有効に使い、個人の思いを理解して暮らせるように手助けを行うとされています。その原文が以下になるのです。
(目的)
障害者及び障害児が基本的人権を享有する個人としての尊厳にふさわしい日常生活又は社会生活を営むことができるよう、必要な障害福祉サービスに係る給付、地域生活支援事業その他の支援を総合的に行い、もって障害者及び障害児の福祉の増進を図るとともに、障害の有無にかかわらず国民が相互に人格と個性を尊重し安心して暮らすことのできる地域社会の実現に寄与することを目的とする。障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律 - Wikipedia
次の章では、過去の歴史について見ていきましょう。
障害者支援の歴史とは?
障害者支援に関する具体的な日本の制度は、第二次世界大戦後以降に措置制度というものがありました。これは当事者が決めるのではなく、行政側が利用するサービスや利用先を決定するものだったのです。
つまり障害者を援助する制度でしたが実際は本人の自由がなく、する側の都合で行っていたと言えます。
その後、時を経て2003年になると、措置制度に代わって契約へという支援費制度が登場しました。これは当事者本人の意思で、介護事業所やサービスを選ぶことができるようになったのです。
ただ制度が始まると福祉サービスの需要が急増し、財源の確保や地域格差の問題が生まれました。そこで2006年から、三障害共通サービス(身体障害、知的障害、精神障害)の障害者自立支援法が施行されたのです。結果的に各地にあった障害者施設は、多機能型施設に変わっていきました。
利用者の状況、ニーズに応じたサービス事業所を選択できるもの。
しかしこの制度の問題点としては、利用者に料金の一割を原則負担させるという応益負担の制度が導入されたのです。
これには障害者の団体をはじめ多くの関係者たちによる猛反発があり、2010年に障害者自立支援法の廃止が決定。2012年度からは応能負担となり、現在の障害者総合支援法が施行されたのです。
その人の負担能力(収入が多いか少ないか)に応じて、費用を負担する方式のこと。
障害者支援に求められることとは?
日本は第二次大戦後の経済成長期まで、当事者目線の介護や支援がまったく行われていませんでした。というのも人里離れた施設でされるがままの介護を受けさせるという、主体性のない行われ方だったのです。
いわゆる憲法25条の生存権で保障される健康で文化的で最低限度の生活とは、ほど遠いものでした。
その流れが当事者や関係団体のソーシャルアクションにより、人間らしい生活ができるように施設から外、そして在宅への流れになったのです。たとえ施設内で生き続ける場合でも、当事者本人の意思が尊重されなくてはなりません。
困ることを生み出している社会構造へ働きかける動きのこと。
しかし、支援者が主体となったサービスが続いていたのです。このような経過からも目指すべきは当事者の尊厳を守り、黒子のように支えて接するということではないでしょうか。それが支援者の目指す姿だと思いますね。
障害者支援について取材してみた
私は車いすツインバスケという、障害者スポーツを行っています。チーム内に同じ頚髄損傷の選手がいるので、障害者支援についてどう思うか取材してみました。
その内容を書き出してみます。
- 法律だけが先に進み、現実に受け入れられていないことが多い
- 田舎のような地域は、都会に比べて遅れている
障害者総合支援法で、福祉サービスを一元化とあります。しかし地域によって行うことがバラバラになってて、頼みたいものが無いのは困ると言っていました。
たとえば移動支援をやっている市町村もあれば、行っていない地域もあります。特に制限があり、病院に行く通院や買い物でないと利用できないのです。障害者スポーツを行うために体育館へ行く場合は、該当しないと断られたことがあると言っていました。
さらに就労支援で言えば、最近ニュースなどで問題になっている法定雇用率について。障害者と偽って、健常者をカウントしているから驚きです。「行政がそんなことしていると本当に困る!」と言っていました。
このように国を挙げて障害者を支援するとは言ってはいますが、確かに法律だけが先に進んでいるように感じますね。誰にでも隔たりなく、優しい世界が生まれることを願っております。
さいごに
障害者といえど性格と一緒で、レベルが人それぞれ違ってきます。障害をひとくくりとして捉えるのではなく、個人個人に応じた支援が必要になってくるのです。そう考えると、さらなる法律の手直しが必要なのかもしれませんね。
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