パラリンピックに射撃があるのをご存知ですか?このような競技が、障害者スポーツにあることを知って驚きです。どのような銃が使われるのでしょうか?
今回はパラリンピックの射撃について、詳しく解説します。後半には日程や見どころについても、記載してみました。それではいってみましょう。
パラリンピック射撃のルールとは?
まずは動画で、パラリンピックの射撃競技を見てみましょう。車椅子ユーザーでもできるのが素晴らしい!
障害者の射撃競技は、1976年開催のパラリンピックトロント大会で初めて正式種目として採用されました。
参加対象者は下肢または上下肢に障害がある選手です。ライフル・ピストルで制限時間内に規定弾数を射撃し、正確性で得られる点数の合計で順位が決まります。
標的との距離は種目によって、10m・25m・50mの3つに分けられます。また的には10個の同心円が描かれており、中心に近い部分を撃ち抜くと高得点です。
ちなみに中心部(10点圏)の得点は10点。外側になるにつれて9~1点と下がっていき、的を外すと0点です。ライフル種目では10点圏内をさらに電子計測し、最も中心に近い部分を撃ち抜くと最高10.9点(=満点)が得られるルールとなっていますよ。
なお競技の公平をはかるため、クラス分けが実施されます。他の障害者競技のようにハンデの程度によってではなく、射撃できるかの機能に基づいてです。
具体的に、以下の2クラスに分かれて行われます。
- SH1クラス - 上肢でライフルを保持することが可能
- SH2クラス - 上肢に障害があり、支持スタンドの使用なしでライフルを保持することが不可能
ちなみに、ピストル種目はSH1クラスのみの設定となっています。競技における射撃姿勢は、立射・膝射・伏射の3種類です。
パラリンピック射撃競技は車椅子の選手も参加するので、ルールに一部変更が加えられています。個別に挙げると以下になるのです。
- 立射・・・車椅子や射撃用椅子に着座したまま射撃することが可能
- 膝射及び伏射・・・台に両肘をついて方腕にスリングを巻き、安定した姿勢を取って射撃することが可能
- 膝射・・・車椅子や射撃用椅子に座って射撃する場合、肘をスタンドに置いて射撃することが可能
(SH1クラスで車椅子を使用する選手に適用)
ハンデに合わせて、取り組めるようになっているのです。
パラリンピック射撃競技の種目
パラリンピックの射撃競技は、以下の組み合わせによっ種目が分けられます。
- 銃の種類(ライフル/ピストル、空気銃/火薬銃)
- 標的までの距離(50m・25m・10m)
- 射撃姿勢(立射・膝射・伏射)
種目数については2016年開催のパラリンピックリオデジャネイロ大会まで、男女別3種目と混合 6種目の計12種目が実施されてきました。しかし2020年開催の東京大会では新たに1種目(男女混合の50mライフル伏射SH2)が加わり、13種目実施されることが決まっています。
パラリンピック東京大会で実施が決まっている種目の詳細が、次のとおりです。
- ≪ライフル≫
- R1 10m エアライフル 立射 SH1(男子)
- R7 50m ライフル 三姿勢 SH1(男子)
- R2 10m エアライフル 立射 SH1(女子)
- R8 50m ライフル 三姿勢 SH1(女子)
- R3 10m エアライフル 伏射 SH1(男女混合)
- R4 10m エアライフル 立射 SH2(男女混合)
- R5 10m エアライフル 伏射 SH2(男女混合)
- R6 50m ライフル 伏射 SH1(男女混合)
- R9 50m ライフル 伏射 SH2(男女混合)
- ≪ピストル≫
- P1 10m エアピストル SH1(男子)
- P2 10m エアピストル SH1(女子)
- P3 25m ピストル SH1(男女混合)
- P4 50m ピストル SH1(男女混合)
どのような記録が生まれるのでしょうか?今から楽しみです。
ちなみにパラリンピックで使用される銃には5種類あり、標的までの距離は種目別に定められています。ライフル種目ではエアライフル(10m)とライフル(50m)の2種類。
ピストル種目は、エアピストル(10m)、スポーツピストル(25m)、フリーピストル(50m)の3種類が設定されています。エアライフルとエアピストルは、圧縮空気の圧力で弾丸を撃ち出す仕組みです。
ただ所持に関しては火薬銃と同様に公安委員会においての手続きを行い、銃砲所持許可を受けなければなりません。
2020パラリンピック射撃の日程
2020年に開催される東京パラリンピック射撃の日程は、すでに決まっております。
以下に記載しますので、参考にして頂ければ幸いです。
【射撃競技】
8/25 | 8/26 | 8/27 | 8/28 | 8/29 | 8/30 | 8/31 | 9/1 | 9/2 | 9/3 | 9/4 | 9/5 | 9/6 |
★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ |
【8月31日】 決勝 8:30 – 16:45 | 【9月1日】 決勝 9:30 – 15:30 | 【9月2日】 決勝 9:30 – 14:45 | 【9月3日】 決勝 8:45 – 16:45 | 【9月4日】 決勝 9:30 – 16:30 |
【9月5日】 決勝 9:30 – 15:45 | 【9月6日】 決勝 9:30 – 12:30 |
陸上自衛隊朝霞訓練場は、東京都練馬区・埼玉県朝霞市・和光市・新座市を含む地域にまたがる陸上自衛隊の駐屯地です。大会期間中は向かう際、公共交通を利用した方がいいでしょうね。
パラリンピック射撃の見どころとは?
パラリンピック射撃の見どころは、選手たちの高度な集中力からの正確な射撃技術です。一般的な他のスポーツ競技は、筋力・スタミナ・瞬発力・柔軟性といった、動的な要素が成績を決定付けることになります。
しかし射撃は集中力のスポーツ・静のスポーツと称され、まさに精神力の闘いと言っても過言ではありません。一射にかける選手たちの真剣なまなざしは、見る人に並々ならぬ緊迫感と迫力を与えます。
また種目によっては、終えるまでに3時間以上の長時間を要する場合もあるのです。その間選手は感情面を平静に保ちながら引き金を引く一瞬に、集中と緊張のピークをもっていくようにしています。
そんな点に着目して観戦すると、より深く競技の醍醐味に触れることができるのではないでしょうか。
申し遅れましたが、私は19歳の時に車の事故で首の骨を折り、頚髄を損傷して車椅子で生活しています。障害を持ってからは車いすツインバスケという障害者スポーツを、趣味と健康のために行っていますよ。
私自身、パラリンピックのトップアスリートとは比べ物になりませんが、アスリートの端くれです。当時者からすればたとえ競技はちがっても応援という行為をされれば、ものすごく力が発揮できると体感しています。
ましてや自国で開催なら、同じ日本人からの声援で無限の力が引き出せると思いますね。ぜひメダル獲得に向け、アスリートを応援しちゃいましょう!
まとめ
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パラリンピックの射撃は、究極の集中力を費やす競技です。繊細なスポーツなので、まだまだ多くの人に知られていないかもしれません。日本開催でたくさんの人に、周知してもらえることを願っております。
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