「車椅子に乗っている時に足が痙攣したらどうやって止めるの?」頚髄損傷者でこのように思われる方が、おられるのではないでしょうか?突然始まると、意外と恥ずかしいのです。
そこで頚髄損傷者の私がこれまでの経験をもとにして、足の痙攣についてお答えします。後半には、私が普段から気を付けていることを記載していますよ。それではいってみましょう。
頚髄損傷者の足の痙攣とは?
私は19歳の時に車の事故で首の骨を折り、頚髄を損傷した中途障害者です。健常者から障害者となったため、メチャメチャ落ち込みました。だけど今では吹っ切れて、ポジティブに生きていますよ。
障害を持ってからは車いすツインバスケを行っているのですが、チーム内に足の痙攣が強い選手がいます。しょっちゅう足をトントンしているので私がやっている止め方を教えたらその方法を知らなかったようで、感心していました。
だから同じように悩んでいる頚髄損傷者がいると思い、記事にしようと考えたんです。
ちなみに頚髄損傷者の完全麻痺の場合は胸から下の感覚が無くなり、歩くことができません。過去に後遺症について、詳しく書いた記事があります。時間がある際にでも、お読みいただけるとありがたいです。
痙攣は別名で、痙性または痙縮と呼ばれることもあります。この記事では、痙攣と呼ばせて頂きますね。
まずは私より症状の強い選手を、動画で見てみましょう。
「わざとステップを踏んでるの?」と思うでしょうが、こんな風に足が勝手に動き続けます。
いろんな刺激に対して筋肉がいっせいに収縮することで、引き起こされると考えられているのです。いきなり動き出すと格好悪いんですよね。
そこで私の場合は、痙攣が引き起こされている足の膝裏に手を突っ込んで矢印のように持ち上げ、動きを止めるという方法をとっています。
止まった後は、ゆっくり足を下ろすのです。単純作業ですが、これをすれば大概は動かなくなりますよ。ただ足を持ち上げるだけの筋力が、必要になります。
私は上記の動画の選手に比べ、痙攣が比較的に少ないです。これは日頃から気をつけていることが、功を奏しているのだと思います。次の章で、詳しくお答えさせていただきますね。
頚髄損傷者と足の痙攣 工夫していることは?
私は毎朝に車椅子移動する直前、母に足を動かしてもらっています。と言ってもリハビリの先生みたいに本格的にではなく、数回だけ足を折り曲げてもらうのです。車椅子に乗る前に足をほぐす、準備体操と言ってもいいのでしょうね。
もしこれをしなければ車椅子に乗った際に足が突然伸びて痙攣し、転げ落ちそうになります。実際に数回、落ちた事があるんです。(゚ω゚;)!
また体が固くなっていると、体勢を維持するのも車椅子をこぐのにも影響します。
私のようにやってもらえる人がいないのであれば、足を延ばしたまま、前屈して体を折り曲げるだけでも全然違うと思いますよ。これをするだけで体全体の筋肉の拘縮がほぐれ、痙攣も少なくなるでしょうから。
もう1つ普段から行なっている、とっておきの工夫があるのです。
頚髄損傷者と足の痙攣 とっておきの工夫とは?
私は普段からベッドを、睡眠だけの理由で利用しません。ギャッジアップ(背上げ)できるので、起きてパソコンで仕事などをやっています。
ベッドに上げてもらえれば誰かにお願いしなくても、早朝や夜中のような好きな時に一人で起きて作業が出来ますからね。そういうことからベッド上での足の向きを、工夫しているのです。
写真を見てもらうと、わかりやすいと思います。
ワインレッド色のマットは除圧マットをコンパクトに切ったもので、かかとの床ずれ予防をするものです。
床ずれ防止のために、身体のある部分に圧力をかけないよう分散してくれるマット。
白の長い枕は足の空いたスペースを埋めるもので、体のずれを防止します。このようにして体を起こした際にかかとをL字になるようにし、足のアキレス腱を伸ばすようにしていますよ。
床ずれ予防の体位変換はしていません。
理由はこちらです。
ではなぜこの方法で、痙攣が少なくなるのでしょう?理由はアキレス腱の硬縮が考えられますので、次の章で詳しく説明させていただきますね。
頚髄損傷者と足の痙攣 なぜ引き起こされるの?
動画で痙攣をしていた彼はベッド上でかかとを私のようにしていなく、つま先を伸ばしたまんまで寝ると言っていました。結果的にアキレス腱が伸びたままの状態で硬縮します。そうなってしまえば車椅子に座って足をフットレストに置くだけで、刺激となって震えるようです。
聞くところによると彼の体内にはポンプが埋め込まれてて、薬を注入し緊張を抑えるようになっているそうなんですが、何もしていない私より痙攣が強いんですよね。そう考えると、普段から睡眠する時の足の置き方も重要になってきます。
過去に私は痙攣が強かったためドクターから、「神経ブロックをして止めよう」と言われた事がありました。だけどもし実行しても足の太さが腕のように細くなって、見た目が悪くなるデメリットがあるのです。
それを思い、私はあえて使い易さより見た目にこだわって、神経ブロックをしませんでした。
経験上から言いますが、多少の痙攣があったとしても体はそれに慣れてきます。動きが体の一部分の要素と思うようになり、別に苦ではなくなってくるのです。
もし朝に体がこわばるのであれば、ほぐすように工夫すればいいだけですからね。無理に痙攣を止めようとせず、体に慣れさせることをお勧めします。
まとめ
今回、頚髄損傷者の足の痙攣についてお答えしました。もし聞きたいことなどあれば、コメント欄からかメールでお伝えください。私のわかる範囲で、お伝えさせていただきますね。
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- 頚髄損傷者の足の痙攣とは?
- いろんな刺激に対し、筋肉がいっせいに収縮することで引き起こされる
- 足の痙攣を止める方法とは?
- 足を持ち上げて、痙攣を止めている
- 普段から痙攣を引き起こさないための工夫していることは?
- 朝にベッド上から車椅子に降りる際、足を動かしてもらう
- かかとをL字になるよう、工夫して置いている
- 痙攣は無理やりでも止めた方がいいの?
- 痙攣することが次第に慣れてくるので止めなくてよい
私の知っている頚髄損傷者で痙攣を止めようとポンプを入れたのは、上記動画の彼だけです。その他の人は、私を含めて何も変わった事をしていません。無理に止めると見た目も悪くなるので、何もしない方がいいと思いますよ。
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