車椅子ユーザーが転倒しやすい原因をご存知ですか?私自身が、車椅子で生活してて知っているのです。身を持って体験していますからね。
今回は健常者から障害を持って長い私が、車椅子ユーザーの転倒しやすい原因についてお伝えしたいと思います。後半には、頚髄損傷者の友人に聞いた内容も記載させていただきました。それではいってみましょう。
車椅子ユーザーが転倒しやすい理由とは?
私は19歳のときに車の自損事故で首の骨を折り、四肢麻痺の障害を持って車椅子で生活しています。損傷部位がC6でレベルがC6-Aという状態のため、胸から下は感覚がありません。
≪頚髄損傷C6≫
★が多いほど障害がキツイです。
C6-A ★★★★
C6-B1 ★★★
C6-B2 ★★
C6-B3 ★
そのため腹筋が利いていなく体を支えていられなくなり、衝撃で転倒しやすいのです。写真は、普段の車椅子でいる姿をま横から撮ったものですが、腹を前に出して腰掛けているのが分かると思います。
頚髄損傷者はレベルによって違いますが、機能していない部分が多いので車椅子に乗った状態での衝撃に弱いです。
さらに私を含めて車椅子ユーザーは上半身のバランスを保てる人が少ないのが現状で、転倒を引き起こす確率が高くなります。介助する場合は、これらを踏まえて行動してもらえると有難いですね。
それでは次の章で、車椅子を押す際に気を付けていただきたい転倒原因になる場所をお伝えさせていただきます。
車椅子の転倒原因ワースト3とは?
上記の章で車椅子ユーザーは上半身のバランス感覚が悪く、踏ん張っていられず転倒しやすいとお伝えしました。そこで、特に気を付けなければならない3つの場所が存在するのです。1つ1つ詳しくお伝えしていきますね。
グレーチング
いわゆる、格子状のフタです。屋外の排水溝などの上に置かれる場合が多いですね。写真は、撮影のために通ってみたんですが、これまた前輪キャスターがピッタリとはまりました。
突然ストップすれば、転倒しかねません。実を言うと先日、膝の上にノートパソコンを置いた状態で車椅子を押され、前輪キャスターがはまってしまいました。その際は見事に前転して転がり落ち、手や腕、さらには頭にまで擦り傷ができたのです。
幸い足の骨が折れるなどの大惨事にはなりませんでしたが、私のようにならないためにも徐行して斜めに通行するかバックで通るのがいいですよ。本当に災難でした。^^;
大小さまざまの段差
段差は車椅子を介助する際、特に注意したいお決まりの場所です。
何回もお伝えしていますが、車椅子ユーザーはちょっとした衝撃でも前のめりになってしまいます。写真のような箇所は当然ですが、手前に写っている緑色のマットも、微妙な段差があるのです。
私はこのような場所でも転倒したことがありますので、気を付けたほうがいいですよ。グレーチングのように、徐行して通行するかバックで通るのがいいですね。
過去に書いた記事がありますので、お時間がある際にお読みいただければ幸いです。
急な坂
急な坂の場合は、上りよりも下りに気を付けたいです。どうしても重力で上半身が前向きに倒れ、転倒しやしくなりますね。
もし前進する場合は、車椅子ユーザーに手をかざしながら下るのが最善策ですよ。写真は、バスケ練習場所での体育館の出入り口です。マネージャーに手をかざしてもらい、スロープを下りました。これをされるだけで安心できましたよ。
ただあえて無理をせず、最初からバックで下りるのも最善策です。それでは次の章で転倒防止のベルトについて、お伝えさせていただきますね。
車椅子の転倒予防にベルトはどう?
車椅子ユーザーは転倒すると、どうしても大怪我のリスクが生じてしまいます。その予防のために、「転倒防止ベルトを使用すればいいのでは?」と思われるかもしれません。
しかし!
過去に私は足の痙攣が多く、フットレストに足をベルトで縛って落ちないようにしたことがあります。その際、私自身が体勢を崩して車椅子から転げ落ち、大腿骨を骨折しました。どうもバンドで足を縛って固定していたことで、転倒した際に足をひねり、骨が折れる最悪な結果をもたらしたのです。
このように本格的な転倒防止のお腹にするバンドは、良くないと思うのです。私が考える理由が、こちらになります。
- 自分で付けるのが難しい
- 車の乗降時に邪魔になる
- いざ倒れたときに外せなくなったりする場合がある
またベルトをしているから、ちょっとぐらい強引に介助しても大丈夫と、勘違いされるのも困りますからね。^^;
写真は、駐車場にあった縁石の段差をゆっくりバックしてもらっています。こんな対応をされれば、メチャメチャ安心ですね♪
それでは次の章で、場所だけではない転倒するパターンをお伝えさせていただきますね。知っておくだけで予防対策になりますよ。
車椅子の転倒での予防対策として知っておく内容とは?
さらに転倒原因は、場所以外にも存在するのです。私の例で説明させていただきますね。
そのシチュエーションは、介助者一人で車椅子移乗をされたときです。転倒を引き起こした原因がこちらになります。
- ブレーキが外れて、車椅子が後退したから
- ブレーキが甘く、車椅子が後退したから
- フットレストが介護者の足に引っかかり、バランスを崩したから
- 足に痙攣が引き起こされ、ピーンと伸びて介護者が体勢を崩したから
これらの内容は、介助する側が転倒の予防対策として共有しておいた方がいい重要ポイントだと思いますよ。
写真は、私の車椅子を前方から撮ったものになります。赤矢印のフットレスト部分が、持ち上がらないタイプなんです。
もし介助者一人で移乗させるのであれば、奥に足を突っ込む体勢を取りながら移動させなくてはいけません。
移乗の際は車椅子の構造確認はもちろんのこと、ブレーキなどに関してのメンテナンスも事前にシッカリしておいたほうがいいですね。
また私は足の動かない部分が、たまに痙攣を引き起こします。特に朝起きてすぐの時間が多いですよ。早朝だと片麻痺者や四肢麻痺者、さらに高齢者のような車椅子ユーザーの筋肉は、硬直してこわばってしまう傾向があるのです。
さらに病院や施設の場合であれば、夜勤明けの職員さんしかいなくて一人で移乗を介助せざるを得ないこともあるでしょう。体力が消耗し疲れているうえでのことなので、転倒を誘発させるかもしれません。
特に危険な時間(6:30~8:30)と心得ておく方がいいでしょうね。
車椅子の転倒で友人に聞いた内容とは?
私は車いすツインバスケという障害者スポーツをやっていて、代表を任されています。そこで同じ障害を持つメンバーに、以下のような質問をしてみました。
- 車椅子の移乗時に転倒したことがあるのか?
- その理由は何なのか?
やはり私と同様、車椅子の移乗での転倒はあるようですね。^^;
基本的に彼の車椅子への移乗は、体重が軽いためヘルパーさん一人でラクラクとできるようです。
突然、足の痙攣が引き起こされ、ヘルパーさんが体勢を崩して転倒したと言っていましたよ。
さらに私とは違った興味深い内容が。聞いた彼は、数人のヘルパーさんに日替わりで介護をしてもらっているのですが、中でもあまり関わらない人が来た場合に転倒する確率が高くなるようです。コツを掴んでいない人であれば、失敗しやすいようですよ。
そのために移乗の方法や注意点などは介助者がシッカリ共有しあうことが、重要になるのでしょうね。
私自身、介助されることはありがたいですし心から感謝しています。
ただ以前、強引にされて転がり落ちたため、怪我するのが怖いのです。私と同様に転倒した経験のあるすべての人がトラウマになっている部分があります。私達はもう二度と落ちる恐怖体験をしたくないのです。心から改善を望んでいるため、記事にさせていただきました。
そして、これはメーカーさんに私達からのお願いなんですが、もっと安全で使いやすく、さらに確実に体を守れる安全ベルト製作を願っております。^^
まとめ
今回、車椅子ユーザーが車椅子から転倒しやすい内容を中心に、書かせていただきました。いかがだったでしょうか?
介助する際は、気配りをしていただければありがたいです。
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- 車椅子ユーザーが転倒しやすい理由とは?
- 上半身のバランス感覚が悪いので
- 車椅子ユーザーの転倒に気を付けたい場所とは?
- グレーチング
- 大小さまざまな段差
- 急な坂
- 車椅子の転倒での予防対策として知っておく内容とは?
- ブレーキが外れて、車椅子が後退したから
- ブレーキが甘く、車椅子が後退したから
- フットレストが介護者の足に引っかかり、バランスを崩したから
- 足に痙攣が引き起こされ、ピーンと伸びて体勢を崩したから
- 病院や施設で転倒を引き起こしやすい時間帯とは?
- 危険な時間(6:30~8:30)
- 車椅子の転倒で友人に聞いた内容とは?
- メンバーの介護に係る回数の少ない人の場合、転倒する確率が高くなる
私のような頚髄損傷者は、意外と衝撃に弱いのです。突然モノにぶつかると、前や横へスローモーションのように、落ちていきますからね。
だからいろんなバリアがある際は、優しく対応して頂けるとありがたいです。
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