頚髄損傷者C6の排尿方法をご存知ですか?私自身が当事者なため、これまで行ってきたので知っているのです。この辺の話はデリケートなことですが、思い切って書いちゃいました。^^;
今回は健常者から障害を持った私が、頚髄損傷者C6の排尿方法についてお伝えしたいと思います。すべて今まで経験してきた内容なので、目標にしていただければ嬉しいですね。それではいってみましょう。
頚髄損傷者の排尿方法とは?
私は19歳のときに車の事故で首の骨を折り、頚髄を損傷して車椅子で生活しています。受傷した箇所はC6で、その中でもレベルがC6-Aになるのです。
- ≪頚髄損傷C6レベルの内訳≫
- C6-A ★★★★
- C6-B1 ★★★
- C6-B2 ★★
- C6-B3 ★
★が多いほど障害がキツイです。
そこで今回は、私と同じ完全麻痺C6レベルの人を対象にお伝えできればと考えているのです。ご了承願いますね。
ところで頚髄損傷者には、3つの排尿方法があります。
- 【尿バルーン】
- 尿道から尿バルーンを入れ、抜けないように膀胱内で生理食塩水を入れて風船のように膨らまし、尿バッグ(尿袋)に尿を溜める
- 【膀胱瘻(ぼうこうろう)】
- お腹から膀胱に直接穴を開けて尿バルーンを入れ、尿バッグ(尿袋)に尿を溜める
- 【自己導尿】
- 自分自身で尿道にカテーテルを入れ、排尿させる
私の場合は、何年にも渡って段階を経て自己導尿に移っていきました。だけど病院によって指導方法は違うでしょうし、下の私が行ってきた過去の流れは参考程度にご覧いただければと思います。
≪私が受傷してから現在に至る排尿方法の流れ≫
尿バルーン(受傷してから1年後まで)
尿路感染が多く高熱が頻繁に出て、膀胱瘻に変更した
⇩
膀胱瘻(受傷1年後から受傷2年半後)
傷口がMRSA(院内感染)に感染し、閉じるため自己導尿に変更した
⇩
自己導尿(受傷2年半後から現在)
作業療法士と看護師に方法を教えてもらい、練習して自立した
上記のような経過があり、現在に至ります。私が入院していたのは、受傷した平成2年2月から平成5年9月まで連続して3年半の長期間だったのです。
3つの過程を入院中に全て通過してきましたが、現在の医療システムは私が入院していた当時と違い、最大でも8ヶ月くらいしか入院できません。そのため看護師さんの仕事を短縮するため尿バルーンをし続けたり、膀胱瘻を造る場合もあるようですよ。
ただ私の経験上、自己導尿以外の方法は多くのデメリットが存在するのです。次の章ではその内容について、お伝えさせていただきますね。
頚髄損傷と排尿方法 尿バルーンや膀胱瘻のデメリットとは?
尿バルーンや膀胱瘻は頚髄損傷者にとって、このようなデメリットがあるのです。
- 【尿バルーンのデメリット】
- 大きい尿バッグ(尿袋)のままだと、見た目が悪い
- ベッドや車の移乗時に、気を付けないといけない
- 入浴時に外さないと、体を洗うのに不都合が出る
- 【膀胱瘻のデメリット】
- 大きい尿バッグ(尿袋)のままだと、見た目が悪い
- お腹の皮膚からカテーテルが出ているため、傷口の保護が必要である
- 入浴後は、消毒とガーゼ交換が必要である
私は見た目を、メチャメチャ気にしましたよ。だって恋愛したい多感な時期なのに尿の入った袋が車椅子から下がってると、絶望感を抱きましたからね。また尿バッグを付けていると、軽快に身動きが取りづらくなります。結果的に、ベッドや車の移乗時その他に何かと不都合になるのです。
このように考えるとADL(日常生活動作)を確立に自己導尿をすることは、非常に重要になることをご理解いただければと思います。
最低レベルC6ーAの私でさえできているので、C6レベル以上だと練習さえすれば自分でカテーテルを入れられますよ。今後の人生のためにもおすすめします。
私が行っている自己導尿の方法について、書いた記事があります。お時間がある際に、お読みいただけば幸いです。
ただ頚髄損傷C6レベルは、胸から下の感覚がありません。もし自己導尿すると失敗がついて回ります。次の章では漏れにポイントを当てて、お伝えさせていただきますね。
頚髄損傷と排尿方法 なぜ尿が漏れるようになるの?
頚髄損傷者は受傷して日が経つにつれ、だんだんと膀胱の容量が小さくなってくる症状が出てきます。
悲しいことです。(´;ω;`)ウッ…
人の排尿する機能は、脊髄の一番下の部位にある排尿中枢という箇所が制御しています。そこから大脳や脳幹部からの指令によって調節されるので、脊髄のどの部位に障害を受けても排尿障害が起こるのです。
大まかに脳に存在する高位中枢と仙髄に存在する下位中枢に分かれる
過去に私が泌尿器科で膀胱容量を測定してみると、130mlしか溜まらなくなっていました。健常者の成人で平均400ml~500ml程度と言われていますので、かなり少ないのがわかると思います。
なお私は動かない部分の皮膚感覚はありませんが、悪寒して鳥肌が立つ感覚はあるのです。便やガス、床ずれの傷の痛みも悪寒で感じ、それはその時の状況によって判断しています。
しかし、その感覚から尿が出るまで時間は短いので、尿意を催してからすぐに漏れてしまうのが現実でした。
これを、薬で防ぐ方法はあるのでしょうか?それでは次の章で、詳しくお伝えさせていただきますね。
頚髄損傷と排尿方法 薬で漏れを防ぐ方法は?
尿漏れを防ぐ薬は、いろんな種類があります。
泌尿器科の先生に聞くとわかると思いますが、私が以前に飲んでいたのはこちらです。
- ポラキス
- バップフォー
どちらの薬も膀胱(ぼうこう)の収縮を抑制する作用があり、膀胱容量を増大させて尿を貯める働きがあります。しかしハッキリ言えば、この薬だけでは漏れを防ぐことができません。
毎日飲んでいましたが、しょっちゅう失敗していましたよ。^^;
そこで尿漏れをさせないために、いろんな注意をしてきました。次の章では、その詳細についてお伝えさせていただきます。
頚髄損傷と排尿方法 尿漏れを防ぐ注意点とは?
私の普段はボクサーパンツをはいてズボンを履き、車椅子に乗って生活しています。だからもし尿が漏れると、車椅子用の座布団まで濡れてしまいますね。
おまけに皮膚もふやけ、床ずれの危険性が出てきます。そのようにならないためにも、尿漏れには細心の注意を払っていたのです。
その内容がこちらになります。
- ≪自宅にいるとき≫
- 2時間おきに自己導尿していた
- カフェインの含まれる飲み物を飲まないようにした
- ≪外出時≫
- 1時間30分おきに自己導尿していた
- 飲み物を飲まないようにした
どちらもほとんど変わりませんが、外出時の方が自宅にいる時よりさらに注意を払っていましたね。過去の私は、尿意がある前に自己導尿をして漏れを防いでいたのです。
このような経緯もあり、生活していくのにも不便や苦痛を感じて膀胱を拡大するという手術をしました。そのおかげで今では尿がたくさん溜まって漏れがほとんど無く、薬も飲まず快適に生活していますよ。
結論としては、長い人生を考えると、自己導尿をするにあたっての膀胱を拡大する手術が一番ベストだと思います。ただこの話は長くなりますので、次回にゆっくりとさせていただきますね。
まとめ
今回、頚髄損傷者の排尿方法について、私の経験にもとづいてお伝えさせていただきました。いかがだったでしょうか?
外出時の尿漏れはテンションガタ落ちになりますので、細心の注意が必要なのです。^^;
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- 頚髄損傷者の排尿方法とは?
- 尿バルーンをして排出する
- 膀胱ろうを造って排出する
- 自己導尿で排出する
- 尿バルーンのデメリットとは?
- 大きい尿バッグ(尿袋)のままだと、見た目が悪い
- ベッドや車の移乗時に、気を付けないといけない
- 入浴時に外さないと、体を洗うのに不都合が出る
- 膀胱瘻のデメリットとは?
- 大きい尿バッグ(尿袋)のままだと、見た目が悪い
- お腹の皮膚からカテーテルが出ているため、傷口の保護が必要である
- 入浴後は、消毒とガーゼ交換が必要である
- 頚髄損傷と排尿方法 薬で漏れを防ぐ方法は?
- ポラキス・バップフォーという頻尿を抑制する薬がある
- 頚髄損傷と排尿方法 尿漏れを防ぐ注意点とは?
- 尿意が出る前(2時間おきに自己導尿)する
- 飲み物(カフェインを含む飲料)を減らす
私は頚髄損傷者が生活していく上で、自己導尿が一番の排尿方法だと思います。漏らさないために、いろんな気くばりが必要ですがね。ただ体が動きやすくなりますし、自己で管理できて最高な方法だと思いますよ。
もし聞きたい事があれば、コメント欄からご質問いただければありがたいです。
コメント
体験談ありがとうごじました。
私も貴殿同様の頚損(15年目)です。
今までにはなかったのですが、最近微熱が出るようになり、他の症状は
有りません。
本件に関して、アドバイスがありましたらご教示願いたくよろしく
お願い申し上げます。
はじめまして。
お返事ありがとうございます。
微熱が続くのであれば、
一度泌尿器科に受診して検査がいいと思いますよ。
お体ご自愛下さいね。