アイススレッジホッケーをご存知ですか?障害者スポーツであり、アイスと言われるだけあって冬季がシーズンの競技なんです。激しい激突が、目を奪われますよ。
今回はアイススレッジホッケーについて、わかりやすくお伝えしたいと思います。それではいってみましょう。
アイススレッジホッケーとは?
まずは動画で、アイススレッジホッケーを見ていただけるとありがたいです。
アイススレッジホッケーは下肢に障害を抱える選手が専用のそりに乗り、両手にスティックを持って行う競技です。
アイスホッケー同様に激しいぶつかり合いが魅力の団体競技で、氷上の格闘技と呼ばれています。
障害の程度は様々で、交通事故で足を切断した人も脊髄損傷で下半身を麻痺した人もいますよ。
競技で使用される特殊なそりはスレッジと呼ばれ、選手はスティックを両手に持ってこぐのです。このとき、ピックエンドと呼ばれるギザギザの部分を氷に突き立てて進みます。またドリブルは、スティック先のブレード部分でパックを操るのです。
ボールに当たるもので、円盤型の硬質ゴム製のもの。
選手は、片手でこぎながらもう一方の手でパックをドリブルする技術を用いることもあります。こぐために腕の力が重要なのはもちろん、腹筋が使えるかどうかが大きくかかわるのです。そのため、脊髄損傷で腹筋が弱い選手はこぐ力に影響が出てきます。
アイススレッジホッケーのルール
アイススレッジホッケーに出場できるのは、切断や脊髄損傷、麻痺、機能障害などの下肢に障害がある選手です。ちなみにWorld Para ice Hockey(IPC アイススレッジホッケー)に認定された選手なら、男女の区別なく出場できます。
- ≪チーム編成≫
- 1チームGKを含めて15の選手で構成し、リンクの上で戦うのは6名
- 各ピリオド15分で3ピリオドの合計45分(15分ずつインターバル)
- 延長戦で戦い先に得点したチームが勝者
- シュートアウト(ペナルティーショット)を行い勝敗を決める
≪試合時間≫
≪同点の場合≫
≪延長戦でも決着がつかない場合≫
アイススレッジホッケーはアイスホッケーと同じリンクを使用し、ゴールの大きさや使用するパックも同じ大きさなのです。
アイススレッジホッケーのペナルティ
ここでは詳しく述べませんがペナルティは、「技術的な反則」と「罰を科せられる反則」と大きく二つに分けられます。
- 技術的な反則(ゲームを停止し、定められた場所でフェイスオフにより試合を再開)
- アイシング・ザ・パック
- オフサイド
- 罰を科せられる反則(危険な行為に対して、退場を伴う厳しい罰則が科せられる)
- マイナーペナルティ
- メジャーペナルティ
- ミスコンダクトペナルティ
- ゲームミスコンダクトペナルティ
- ペナルティショット
アイススレッジホッケーは体当たり(ボディチェック)が認められており、これが迫力ある試合の大きな魅力です。反面、特にけがを防ぎながら公正な試合を進めます。
ペナルティの内容は、ほとんどアイスホッケーと同じです。
だけど、ティーイングは独自のルールになります。
相手選手のスレッジに対し、直角に衝突する危険行為のこと。
一定時間ペナルティベンチに入った退場選手のいるチームは、少ない人数で戦うことになるのです。
- キルプレー - 相手チームより少ない人数で戦うこと
- パワープレー - 多い人数で戦うこと
またゲームの始まりは、リンク中央にあるセンターアイススポットでレフェリーの落としたパックを奪い合うフェイスオフからです。選手はスティックを使ってパスしながら最終的にシュートを打ち、相手チームのゴールを入れようとします。
ゴールはパックが相手のゴールラインを完全に超えると1点が入り、ラインと重なっている場合は得点になりません。
アイススレッジホッケーの歴史
アイススレッジホッケーの発祥地はスウェーデンで、1994年のリレハンメル大会から冬季パラリンピックの正式種目となりました。日本では1993年にノルウェーから講師を招き、講習会を実施したのを切っ掛けに国内での歴史が始まります。
尚、主催したのは当時の日本身体障害者スポーツ協会です。
国内での年表を記載してみますね。
- 1994年 日本初アイススレッジホッケー競技組織 長野スレッジスポーツ協会が発足
- 1995年 「北海道ベアーズ」「東京アイスバーンズ」が結成・活動開始
- 1998年 長野パラリンピックで、日本代表選手が初出場
- 2010年 バンクーバー大会で銀メダルを獲得
- 2017年 「アイススレッジホッケー」の競技名称を「パラアイスホッケー」と統一
(日本最初のクラブチームとなる「長野サンダーバース」が結成・活動開始)
まだまだアイススレッジホッケーの歴史は新しいですが、激しい競り合いが魅力的なスポーツです。ファンが増えることを願っております。
さいごに
近年、世界中でアイススレッジホッケーの女子選手が増えています。ヨーロッパや北米では、ナショナルチームを発足させる国も見られるほどです。
女子パラアイスホッケーが、パラリンピックで開催される日もあるかもしれませんね。
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