ブラインドサッカーというスポーツ名を聞いたことありませんか?障害者が行うサッカーなんですが、通常のサッカールールと違ってくるのです。
今回はブラインドサッカーについて、わかりやすくお伝えしたいと思います。それではいってみましょう。
ブラインドサッカーとは?
まずは動画で、ブラインドサッカーを見ていただけるとありがたいです。
ブラインドサッカーは、視覚障害の選手がプレーできるように考案されたサッカーです。別名で、視覚障害者5人制サッカーとも言います。ヨーロッパや南米を中心に広まり、2004年アテネ大会からパラリンピック正式競技になっているのです。
選手は視覚障害はありますが、程度が様々。そこで以下のようなクラス分けが行われます。
- B1 – 全盲、ほぼ全盲 – 光を感じないか、感じても影を認識できない
- B2 – 弱視 – 影が認識でき、矯正後の視力が0.03未満、また視野が5度未満
- B3 – 弱視 – 矯正後の視力が0.03~0.1、または視野が5度~20度まで
パラリンピックなど、公式国際試合に出場できるのは全盲~ほぼ全盲までの選手(B1)のみ。視力はあるけれど著しく視野が狭い弱視の選手(B2/B3)の選手は、出場できません。
用具
ボールはフットサルと同じ大きさですが、転がると「シャカシャカ」音がする特殊な構造になっています。
また選手はアイマスクを装着し、ボールの音などを頼りにプレーするのです。理由として、光を感じる程度に差があるため。同じような条件と装着が義務付けられています。
その他に選手は頭がぶつかって負傷しないように、ヘッドギアの装着もあるのです。
ルール
ブラインドサッカーのルールは一般のサッカーやフットボールとほぼ同じですが、以下のように独自ルールもありますよ。
- 1チーム:ゴールキーパーを含む5人で構成
- コーラー(ガイド):ゴールの位置と距離、角度などを選手に伝える
- ゴールキーパー:晴眼者または弱視の選手が務め、選手に情報を与える
- 試合時間:1試合前後半20分ハーフ合計40分プレーイングタイム
- ハーフタイム:10分間
両サイドラインには、高さ1mのフェンスが並びます。だから、サイドラインからボールがピッチ外に出ることはありません。そのためフェンスを活用したパスやトラップなどのプレーも、この競技の特徴です。
その他のルール
選手たちはボールを追いかける際、衝突して怪我する恐れがあります。そこで、「ボイ!(スペイン語:行く)」と言って自分の存在を伝えなければなりません。
このとき「ボイ!」と言わずにボールに向かっていくと、ノースピークという反則が取られるのです。
以下も、反則行為になります。
- ハンドや相手をつかむ
- 足をかけて倒してしまう接触プレー
前後半それぞれでチームの合計ファウル数が6回を超えた場合は、第2PKが相手チームに与えられます。
- ≪PK≫
- 6m - ペナルティーエリアで反則があった場合
- 8m - 第2PK
PKやフリーキックを蹴る前、ゴールの位置をガイドが選手に伝えます。その際、ゴールポストを金属棒で叩いたり手を叩いたりしながら「正面」などで声を出して伝えるのです。
ブラインドサッカーの魅力
ブラインドサッカーは、静寂の中で行われる競技です。選手たちはボールの転がる音や声だけでなく、足音や息遣いなども頼りにプレーします。
声援を送ることができるのは、ハーフタイムや選手交代、タイムアウトなど試合がストップしている間のみです。それ以外のタイミングで声や音を出してしまうとプレーの妨げになります。
そのため得点が入りそうなとき、グッとこらえて心の中で声援を送るのです。そしてゴールが決まった瞬間は、大きな声でゴールが入ったことを伝えます。
見えない選手たちにとっては、ゴールが入ったかどうか理解するのが歓声なのです。
さいごに
ブラインドサッカーは、視覚障害者が全力でプレーするスポーツ。障害をものともせず、ボールを巧みに操ります。見てて感動を与えてくれますよ。あなたも生で観戦してみませんか?
コメント