車椅子の介助で段差を越す方法をご存知ですか?私自身、車椅子ユーザーなのですが、気を付けてもらいたい注意点がいくつかあるのです。
今回は健常者から障害を持って長い私が、車椅子の介助で段差を越す方法についてお伝えしたいと思います。それではいってみましょう。
車椅子で段差を介助 方法とは?
日本ではバリアフリー法の浸透により、早急なユニバーサルデザインの環境が求められています。だけど現実は、車椅子ユーザーに快適な空間になっているとまだまだ言い切れないのです。
中でも階段のバリア(障害物)が、たくさんの場所に存在します。またちょっとした段差は至る所にあるため、建物内の廊下のようにスムーズに通れません。
ここで車椅子の介助をされる場合は、気を付けたいポイントです。一段の段差であれば、以下の方法で移動できますよ。
- 前進の場合 - 前輪をウィリーさせて段差を越え、後輪を持ち上げる
- 後退の場合 - バックで後輪を先に降ろし、その後前輪をゆっくり下す
慎重にゆっくりを心がけると上手くいきますよ。それでは次の章から方法を、さらに詳しく見ていきますね。
車椅子で段差(大)を介助 方法とは?
車椅子ユーザーと外出した場合、行く所々でさまざまな障害があることが確認できると思います。そこで介助者の役割が、重要になってくるのです。
まず大きな段差があれば、写真赤矢印のティッピングレバーという部分が重要になってきます。
前輪昇降バーとも呼ばれ、車椅子後方下部にあるパイプ
この部分を片足で踏みこむと、前輪を浮かすことができるのです。
前輪が段の上に乗れば、あとは手押しハンドルを持ち上げると乗り越えることができるのです。ちょっと不安になると思いますが、初めて介助する人でも意外と簡単にできますよ。
ただ私の車椅子はオーダー製で体に合わせて作られてて、なぜかティッピングレバーが付いていません。病院や施設にある大きなタイプは大概ついているのですが、このようなバージョンも存在するのです。
この場合だとどうすればいいのでしょうか?次の章で、詳しくお伝えさせていただきますね。
車椅子で段差(大)を介助 ティッピングレバーがない場合は?
ティッピングレバーがない車椅子は、ちょっとしたコツを掴むことで前輪を浮かすことができます。私のであれば、手押しハンドルに体重をかけ押すようにすると上手くいきますよ。
写真は外出したとき、学生さんに前輪を上げてもらい縁石に乗せた瞬間です。ちなみに、負荷をかける部分を知る必要があるので力任せだけではできませんね。
そこで簡単な方法が、一人ないし二人で前輪を持ち上げてもらい浮かせる方法です。女性の場合であればちょっと重いので、二人で行ったほうがいいかもしれませんね。
私はこのほうが、初めての介助の人であればあるほど安心します。大きい段差の場合であれば細心の注意を払って、接するのがいいと思いますよ。
では小さい段差は簡単なの?と思われるかもしれませんが、あなどってはいけません。それでは次の章で、解説させていただきますね。
車椅子で段差(小)を介助 方法は?
歩いていればちょっとした段差があったとしても、難なく越すことができます。写真は高そうに見えますが、10㎝も無いくらいなんです。
介助する側が低いと思っていても近距離で見ると、このような大きい障害になっていることがわかると思います。ティッピングレバーがある車椅子だと、片方を踏んでゆっくり越せば難なく乗り越えられますよ。
ただ気を付けなければならないのは、「強引に段差を乗り越える前進」です。
その方法で進むと、車椅子ユーザーの転倒に繋がりますね。無茶をする介助者であれば、怖くて信用されなくなります。あくまでもソフトに対応することを心がけると、信頼されることに繋がるのでしょうね。
それでは次の章で、ティッピングレバーがない場合の方法をお伝えしたいと思います。
車椅子で段差(小)を介助 ティッピングレバーがない場合は?
建物の入口には、玄関マットが置かれている場合があります。薄いと思われるでしょうがこの厚さでも十分な段差となり、強引に前進すれば前輪が引っかかりますね。ぶつかる衝撃も怖く、結果的に転倒へと繋がるのです。
そこで私はこのような小さい段差があると、あえてバックで引っ張ってもらうことをお願いするよう心がけています。写真は、ゆっくり後ろに引っ張ってもらっている様子。
安心して介助者に任せられます。なぜなら後輪タイヤは空気が入っててクッションとなり、樹脂だけでできている前輪と違ってスムーズに越えられるのです。この内容は、チェックしておいたほうがいいですね。
とは言え、車椅子を介助するとなれば一番気を付けなければならないのが、転倒です。怪我をすることに繋がりますし、関係が気まずくなってしまいます。それでは次の章で私が思う過去の経験からの注意点を、お伝えさせていただきますね。
車椅子で段差を介助 気まずくならないためには?
私は今から10数年前に小さな段差を強引に進められ、反動で道路に転倒したことがあります。
実を言うと、私のような頚髄損傷者は腹筋が利きません。もし段差にぶつかると衝撃で体が前のめりになり、転倒してしまうのです。踏みとどまっていられないのが原因で、このときは足の骨は折れなかったのですが打撲で腫れたのでしばらく病院に通いました。
転倒直後は私の思う範囲で、お互い下記のように気まずくなりましたね。
- 介助者(転倒させたことが申し訳ない)
- 車椅子ユーザー(勘弁してほしい)
このようになってしまうと、コミュニケーションが取りづらくなると思うのです。
確かに、私はその人に介助されるのが怖くなり、避けるようになりましたね。
さらに、同じ頚髄損傷者の友人に聞いた転倒させられた内容がこちらです。
- 【車椅子からの転倒内容】
- 看護師さんに押されて院内を移動中、清掃の掃除機コードに引っかかって転がり落ちた
- ボランティアが時間に間に合わないと加速付けて押し、段に引っかかって転がり落ちた
- 外出先でグレーチングに前輪が引っかかり、転がり落ちた
- 急に止まられ、転がり落ちた
介助者に押されてて段差以外でも転がり落ちた内容があるので、それだけ危険と隣り合わせなのが分かると思います。そのため車椅子ユーザーが怪我しないよう、ソフトな対応が必要になりますね。
少しでも段差を越す際の参考になれば、書いた甲斐があります。
まとめ
今回、車椅子の段差介助について経験をもとに書かせていただきました。いかがだったでしょうか?
まずはゆっくり対応することを心がければ、バッチリだと思いますよ。
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- 車椅子で段差を介助 方法とは?
- 前進の場合 - 前輪をウィリーさせて段差を越え、後輪を持ち上げる
- 後退の場合 - バックで後輪を先に降ろし、その後前輪をゆっくり下す
- ティッピングレバーを足で踏んで前輪を浮かして段差を越す
- 車椅子で段差を介助 ティッピングレバーが無い場合は?
- 手押しハンドルに体重をかけて前輪を浮かす
- 他の人に前輪を持ち上げてもらえば簡単に前輪を浮かせられる
- 車椅子で段差を介助 小さい場合は?
- ティッピングレバーを足で踏むか、バックにして進む
車椅子ユーザーは介助の仕方によって、危険にさらされることになるのです。その内容を心に留め、安全第一でお手伝いすることにより感謝されると思いますよ。
陰ながら応援しています。
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