電動車椅子とは、上肢の筋力が弱いことで以下のように、重度の障害者に使用される車椅子を言います。
- 手動の車椅子を利用者自身が使用できない場合
- 障害により手が自由に動かない場合
次の章から、じっくり見ていきましょう。
電動車椅子の構造
まずは電動車椅子を、動画で見てみましょう。
電動車椅子は動画でもありましたように、モーターを原動力とする大小4個の車輪が付いている車椅子のことを言うのです。
最近では、高齢者がよく使用するスクーター式の三輪型もあります。
モーターで動くため、自走で車椅子を漕ぐことが難しい人に適していますよ。
コントロールボックス
電動車椅子の操作は、コントロールボックスについているジョイスティック(コントロールレバー)でします。コントロールボックスとは、以下が取り付けられた操作のメイン部分です。
- ジョイスティック
- 電源スイッチ
- バッテリーメーター
ジョイスティックは進行方向を決定し、角度でスピードを調整します。目一杯倒すと、最大で時速6km程度の速度が出ますよ。
成人男性の平均歩行速度は、およそ5kmと言われています。
また手先でするものが一般的ですが、障害によって他の部位である顎先で操作することもあるのです。写真は、リクライニング用の電動車椅子。
これにチンコントロール方式を用い、操作することがあります。
あごを使ってジョイスティック・レバーを操作したり、リクライニング用のスイッチ操作を可能にしたもの。
利用者が自立するために、いろいろと工夫が必要になります。
バッテリー
バッテリーは、充電が必要です。車椅子本体からコンセントを繋ぐものと取り外し可能で、比較的コンパクトなものがあります。
バッテリーの残量は、コントロ-ルボックスで確認できますよ。電動車椅子の使用時は充電できないため、使う前に確認しておくことが必要です。
ニッケル水素バッテリーとリチウムイオンバッテリーを比較してみました。参考程度にご覧いただければありがたいです。
ニッケル水素バッテリー | リチウムイオンバッテリー | |
---|---|---|
1充電の電動走行距離 | 15㎞~20㎞ | 27㎞~40㎞ |
価格 | バッテリー=54,000円 専用充電器=25,000円 | バッテリー=125,000円 専用充電器=23,000円 |
重量 | 2.9kg | 3.6kg |
寿命 | 通常使用で約3年 | 使用開始から8年経過 |
充電時間 | 通常充電 =2.5時間~3時間 | 通常充電 =約4.5時間 |
クラッチレバーは、モーターとの接続を切り替えるものを言うのです。解除(手動)にしておくと電源が切れ、移動介助ができます。介助者用に取り付けられているボタン操作で、重い車椅子でも左右に移動するのが簡単にできるようになっていますよ。
電動車椅子の注意点
電動車椅子を利用する際は最低限、外での交通法を理解してマナーを守れる方が対象となります。そのため、認知機能に問題がないことが条件です。
さらにスティックの細かい操作が必要なため、スピードの制限や利用場所(範囲)を考慮して施設や建物内では細かな走行確認が必要になります。
また利用する際は、以下の内容を注意しておけばいいですよ。
- 使用するときには、バッテリー充電量の確認をする
- 朝や移動の、距離が長くなる時には、十分に充電しておく
- 移動する必要がない時には、電源を切っておく
- 介助で押す場合には、クラッチレバーを解除しておく
- 使用しないときも含めて、介助の必要のないときは接続しておく
- 段差では、重量があることを考えて必要なら周囲の手を借りる
- 建物では、エレベーターの位置を確認しておく
このように利用者や介護者が、最低限に安全を考慮するための確認が、必要になってくるのでしょうね。
さいごに
今回、電動車椅子についてお伝えさせていただきました。いかがだったでしょうか?適切に利用していただければ、さらに快適さが増しますよ。
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