障害者作業所が私の自宅近くにいくつかあります。いろいろな種類があるのをご存知でしたか?私自身は障害者ですが、利用したことが無かったので未知なる場所だったのです。だけど友人が行っていたので、いろいろと取材してみました。
今回は障害者作業所について、詳しく解説したいと思います。後半には、実際にある問題点も記載してみました。それではいってみましょう。
障害者作業所とは?
障害者でも生きていくために、働いてお金を稼ぐことをしなければいけません。しかし障害が重いほどハンデが大きく、一般企業での就労が難しくなります。障害者雇用の制度は企業にも浸透していますが、配慮に限界があるのです。
けれども働くことが出来れば、生きる意欲に繋がります。また就労する可能性があるなら、訓練の場が必要になるのです。そのために障害者作業所があります。種類は2つあるので、表にしてみますね。
就労継続支援A型作業所 | 就労継続支援B型作業所 | |
対象者 | 通常の事業所に雇用されることが困難であり、雇用契約に基づく就労が可能な者。65歳未満。 | 通常の事業所に雇用されることが困難であり、雇用契約に基づく就労が困難な者。一定年齢に達している者など。 |
サービス内容 | 通所により、原則雇用契約に基づく就労の機会を提供し、一般就労に必要な知識、能力が高まった者に支援。 | 事業所内において、雇用契約は結ばない就労の機会や生産活動の機会を提供し、一般就労に向けた支援。 |
利用期間 | 制限なし。 | 制限なし。 |
このように作業所はA型とB型があるのですが、次の章からさらに詳しく解説していきたいと思います。
就労継続支援A型作業所とは?
A型作業所は訓練によって、一般企業に就職を目指し働く場所になります。たとえステップアップは難しくても、ここで働き続けることが可能です。目指すのは一般企業への就職である以上、遅刻・早退・欠勤には厳しいですね。
仕事内容はいろいろあり、適正や障害の程度に応じて選ぶことができます。
ただ精神障害者のようなハンデを持った人は病気が回復して日常生活が送れるようになっていても、いきなり一般企業で働くのが難しいのです。
もしA型の作業所に行けたとしてもこの時点ではまだ疲れやすく、長い時間を外で過ごすことが無理というケースもあります。結果的に、また病気が悪化しないとも限りません。そのためにまずリハビリの要素をかねて、状態に応じた働き方から始めることが大切です。
どうしても障害者雇用に対しては一般企業も慎重になるところがあるので、まず働いている姿をみせることが重要になります。すると雇う側は不安が軽くなり、どのように働いてもらうかのヒントも得ることができると思うのです。
また事故等で麻痺の障害が残った方の場合はハンデがあってもできる技術を身に付けることで、就職の可能性が広がります。ちなみにA型の場合は、65歳までが対象になりますね。
就労継続支援B型作業所とは?
B型作業所は、A型に通う方に比べてさらに一般企業への就職が難しい方が対象です。そのため、より易しい作業内容になっています。A型への訓練の目的の一つとされ、時間が厳しくないのです。
また雇用契約を結ぶわけではないので融通をきかせて続けることができ、年齢制限もありません。どうしても重度障害者が多いので、作業が単調になるのです。
ただ発達障害者の中には黙々と単純作業をこなす方もいるので、内容によって健常者よりシッカリ仕上がることもあります。B型作業所はその人の能力に適した仕事とのマッチングで、続けて能力を生かすように考えているのです。
工賃はいくら?
作業所は作業する場所ですが働くのに変わりないので、賃金がいくらなのか気になりませんか?
ただ最初に言っておきますが作業時間も短くて厳しくない仕事環境からか、労働基準法で決まっている賃金よりも安いです。
厚生労働省が調べた平成27年度平均工賃(賃金)を、掲載させてもらいますね。
施設種別 月額 時間額 就労継続支援
B 型事業所15,033 円 193 円 就労継続支援
A 型事業所67,795 円 769円 引用:厚生労働省
A型の時間額は沖縄や九州の最低賃金762円よりは高いですが、かなり安い状態ですね。
最低賃金は、各都道府県によって違ってきます。
次の章では、実際に作業所で働いていた友人の話をお伝えさせていただきます。
友人から聞いた障害者作業所の問題点とは?
私の友人に、脳性麻痺の車椅子ユーザーがいます。長くB型作業所に行っていたのですが就労移行支援を利用して就職先を探し、今では病院に勤務していますよ。
障害者総合支援法の職業訓練制度であり、適性に合った職場探しの支援をするもの。
そんな彼からB型作業所の実情を聞いたのですが、ちょっと驚く内容でした。というのもこの彼は脳性麻痺で車椅子に乗っていますが、身の回りのことは一人でできます。
だから作業所に来ている重度障害者のお世話やその他にも与えられた作業を、作業所の職員と同じくこなしていました。それなのに工賃として月1万5千円しか貰えなかったのに対し、作業所の職員は雇用契約のために十数万円の基本給をもらっていたのです。これを聞いてどう思いましたか?
しかも作業所まで行く交通費と利用料や食事代を引けば、完全に赤字と言っていました。友人の彼は頭では理解しているでしょうが、かなり不満が残っているのが現実だと思うのです。この部分は改善して欲しいですね。
現在では病院勤務なので手取り12万以外に交通費も出て、以前とは比べてだいぶ助かっているようですよ。
作業所は有意義な場所となるはずですが、同じ通う障害者同士の間でも能力差があります。それなのに作業能率に反映されず、一律で金額が同じという不公平さも生まれるのです。お互いが分かり合いたくても、なかなか難しくなります。
このような問題が解消できる環境が生まれるのを願っておりますね。
まとめ
にほんブログ村
応援お願いしますm(_ _)m
どんな人でも、その人にだけ与えられた能力があります。もしかしたらお金に結びつかないものかもしれないですし、その価値を認めてもらいにくいものかもしれません。
しかし能力を発揮させる育てる場がないと埋もれたままで誰にも気づかれず、自覚もできないまま終わってしまいます。そうならないためにも、作業所本来の目的を全うできるような職場づくりが求められているのです。
とはいえ、友人のような問題が起きぬようにしてもらいたいですね。
コメント