ユニバーサルデザインとバリアフリーの違いをご存知ですか?よく聞く言葉なのに、ハッキリと意味がわからない人も多いと思うのです。何を隠そう、私がそうでした。そこでしっかりと違いを調べてみたんですが、改めて気付くことも多かったのです。
今回は健常者から障害を持って長い私が、ユニバーサルデザインとバリアフリーの違いについてお伝えしたいと思います。後半には、私が感じたメリットとデメリットを記載してみました。それではいってみましょう。
ユニバーサルデザインとバリアフリーの違い
まずはユニバーサルデザインとバリアフリーの違いが比べられるように、表にして2つに分けてみました。
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こうやって表にすると、分かりやすくないですか?さらに詳しく解説すれば、ユニバーサルデザインで補えない部分をバリアフリーでカバーするという関係なんです。
申し遅れましたが私は19歳のときに車の事故で首の骨を折り、頚髄を損傷して車椅子で生活しています。障害を持ってからは、毎日が不便になりました。だけど何とか工夫して、頑張って生きていますよ。そのため私にとっては、バリアフリーという言葉のほうが身近に感じますね。
ただここまで文字だけで説明しましたが、写真を使ったほうがさらにわかりやすいと思うのです。それでは次の章でその内容について、詳しく解説させていただきますね。
ユニバーサルデザインとバリアフリーの例
実をいうと私たちが生活している中で、ユニバーサルデザインのモノがいくつも存在するのです。ユニバーサルデザインの例とバリアフリーの例を、分けて説明しますね。
ユニバーサルデザインの例
まずどこの施設にでもあると言えば、自動ドアがあります。誰にでも共通して使いやすいモノです。だって前に立つだけで自動的に開くなんて、小さいお子さんでも使用できますからね。
もちろん、車椅子ユーザーの私でも利用できて便利なドアです。
違うもので言えば、エレベーターがあります。階段を利用しなくても上や下の階に行けるので、ありがたいモノです。
さらに、最近、多くの施設で増えている多目的トイレがユニバーサルデザインになります。下の写真は、某サービスエリアにあった男性用トイレです。
たくさんのマークが書かれていて、いろんな人が使用できるトイレになります。実を言うと、この多目的トイレマークはピクトグラム「絵文字」や「絵単語」と呼ばれ、ユニバーサルデザインに該当するのです。
バリアフリーの例
エレベーターでバリアフリーになる箇所は、わかりやすいように番号で表してみますね。
- 【バリアフリー】
- 手すり - 足腰の弱い障害者や高齢者が手で掴んで、行動を補助する
- 点字ブロック - 視覚障害者が通路を認識する
- 鏡 - 車椅子利用者が振り返らずにバックする
- 低い位置の押しボタン - 車椅子に座った状態でも押しやすくする
何気なく使っていたエレベーターですが、いくつもバリアフリーになる箇所がありました。
そしてトイレ内には、バリアフリーにあたる箇所がいくつもあるのです。写真に番号を振ってみますね。
- 【バリアフリー】
- 広いトイレスペース - 車椅子でもトイレ内で方向転換できるよう確保
- 手すり - 足が不自由な人への補助のために設置
- おむつ交換台 - 小さいお子さん連れのおむつ交換のために設置
- オストメイト対応便器 - オストメイト(人工肛門保持者)が排泄しやすいように設置
上記2つのことを見るだけでも、ユニバーサルデザインの足りない部分をバリアフリーが補っているのがわかると思うのです。
ただ誰でも使いやすいというメリットは多いのですが、健常者の方にはわからないデメリットも存在します。それでは次の章で、詳しくお伝えさせていただきますね。
ユニバーサルデザインとバリアフリーのメリットとデメリット
ユニバーサルデザインは、すべての人に使いやすいように設計してあるとお伝えしました。まずはメリットを見てみましょう。
メリットは?
下の写真はトイレの照明ボタンですが、確かにこのタイプであれば手の不自由な私でも押すことができます。
さらに以下のピクトグラムは、地下鉄を表す表示です。絵文字を見るだけで、電車を表しているのがわかると思います。
だけど障害を持ってからの私は、どうしても使いにくいモノが出てきたのです。それではデメリットを見てみましょう。
デメリットは?
まず1つ目は、多目的トイレや車椅子用トイレにあるセンサー付きの蛇口になります。写真は、某ファミレスの多目的トイレ内にあった洗面台ですね。
私は普段から外出するとき、財布や携帯と自己導尿の用具を入れるためにバッグを持っています。トイレを使用する際はそれを室内の洗面台に置き、自己導尿するのです。
もしセンサー付きの蛇口であれば気を付けないと、置いた瞬間すべて水浸しになります。そのため、レバー式の蛇口のほうがバッグも濡れず安心してどの箇所にでも置けるのです。
手をかざすだけで水が出るのはそれは快適でしょうが、私は不便だと思いますね。センサー式は反応しないときがあり、水が出なくて困る場合もあるのでアナログタイプがいいと思うのです。
また点字ブロックは視覚障害者にとってバリアフリーでも、車椅子ユーザーにとってはバリアになってしまいます。ちょっとした凹凸なんですが前輪キャスターが引っかかり、実際に転倒したこともあるのです。
写真は、某施設にある点字ブロックをアップで撮ってみました。わかりづらいですが、前輪キャスターにとって大きなバリアになっているのです。
以前に書いた記事があります。お時間がある際に、お読みいただければ幸いです。
こんなことを言っても、持ちつ持たれつなんですがね。ただユニバーサルデザインやバリアフリーには、メリットもありますがデメリットも実在するのをわかっていただけるとありがたいです。
またすべての人が使えるという言い方は小さいお子さんや私のように手に障害を持った方もいて、実現することが不可能なのかもしれません。それを踏まえたうえで少しでも多くの方に使いやすい製品が出てくるのは、さらに優しい社会になるのではないでしょうか?
共存していく上で、今以上に使いやすい生活環境が生まれることを願っております。
まとめ
今回ユニバーサルデザインとバリアフリーの違いについて、お伝えさせていただきました。いかがだったでしょうか?
日常で色んなモノをチェックしてみるのも、面白いかもしれませんね。
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- ユニバーサルデザインとバリアフリーの違いとは?
- ユニバーサルデザイン – すべての人が対象に設計された、施設・製品・情報
- バリアフリー – 障害者や高齢者を対象に、障壁を取り除くための施策
- 施設にあるもので例を挙げると?
- ユニバーサルデザイン – エレベーター・多目的トイレ
- バリアフリー – 手すり・点字ブロック・広いスペース・オストメイト対応便器etc
- 頚髄損傷者の私から見たデメリットとは?
- センサー付きの蛇口や点字ブロックがバリアになる
この記事で紹介したエレベーターやトイレ、ピクトグラムや自動ドアは、ごく一部になります。世の中には意外と知らない場所にたくさんのユニバーサルデザイン、及びバリアフリーがありますよ。
これを機会に色んな発見につながれば、嬉しい限りです。
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