パラリンピックのテコンドーをご存知ですか?私は車椅子ユーザーですが、このような競技が障害者スポーツにあったと聞いて驚いています。ルールなど違ってくるのでしょうか?
今回はパラリンピックテコンドーについて、詳しく解説します。後半には、見どころも記載してみました。それではいってみましょう。
パラリンピックテコンドーのルールとは?
まずは動画で、パラリンピックテコンドーを見てみましょう。こんなに激しいスポーツだなんて・・・。
障害者がするテコンドーは、基本的なルールや装備品(ヘッドギア、電子防具、マウスピース及びグローブなど)が、一般のテコンドー競技とほぼ変わりありません。
勝負は蹴りを相手にヒットさせて得たポイントの合計で、決まるのです。
試合は、一辺3.3m・直径8mの八角形のコートで行われます。1ラウンド2分を1分ごとのインターバルで挟み、3ラウンドまで行う一般の競技と一緒です。有効な攻撃は2~4ポイントのポイントが与えられ、試合時間内に多くの得点を取ると勝者になります。
技の有効性は、胴部に装着した電子防具のセンサーの定められた位置に蹴りが入るとポイントが加算されるのです。相手のガードをうまく外しながら一瞬の隙を見計らって強烈な蹴りをヒットさせることが、必要になります。
なお頭部への攻撃は禁止されており、パンチなど手による攻撃もポイントにならないことなどが一般のテコンドー競技と違うのです。つまり障害者テコンドーで許されのは、胴部への蹴り技のみということになります。
3ラウンド終了時点で同点の場合は、2分間の延長戦(ゴールデンポイントラウンド)が行われるのです。ここでも決着がつかなかった場合は、試合内容の優劣により勝敗が決められることになります。
パラリンピックテコンドーのクラス分け
パラリンピックテコンドーは公平にするため他の競技と同じように、レベルによってクラス分けが行われます。障害の重い順から、以下の4分類となっていますよ。
- ≪K41≫
- 切断及び欠損等の理由により両上肢を有しない選手
- ≪K42≫
- 両上肢の肘関節より末端側を有しない選手
- 左右いずれかの上肢全体を有しない選手
- ≪K43≫
- 両上肢の前腕部に欠損を有する選手
- ≪K44≫
- 左右いずれかの上肢に機能障害や麻痺を有する選手
- 左右いずれかの前腕部に欠損を有する選手のうち、上肢の残存部分が規定以上の長さを有している選手
- 足の指の欠損を有する選手
またこのクラス分けに加えて、男女別・体重による階級別(3階級)で競技が実施されます。
ちなみに2020年開催のパラリンピック東京大会では、障害が比較的軽度な「K43」と「K44」のクラスを一まとめにしたクラスのみが男女別及び体重別で実施されることになっているのです。
- 男子
- K44 (+K43) 61kg級
- K44 (+K43) 75kg級
- K44 (+K43) 75kg超級
- 女子
- K44 (+K43) 49kg級
- K44 (+K43) 58kg級
- K44 (+K43) 58kg超級
どのような熱い戦いが待っているのでしょうか?
パラリンピックテコンドーの歴史
パラリンピックテコンドーは、他の主要な障害者スポーツと比べても歴史が浅いです。というのも2009年に初めての世界選手権が行われ、2015年1月になってパラリンピック東京大会(2020年開催)で、初めて正式種目への採用が決定したという経緯があります。
障害者のテコンドー競技は、上肢の障害を有する選手が参加できる「キョルギ(組手)」と知的障害を有する選手が参加できる「プルセ(型)」の2種目があるのです。
2020年開催の東京パラリンピックの大会で実施されるのは、キョルギ種目のみになっています。
2020東京パラリンピックテコンドーの日程
2020年開催の東京パラリンピックで開催されるテコンドー競技の日程は、すでに発表されています。以下に記載しますので、予定の参考にしていただけると幸いです。
【テコンドー】
8/25 | 8/26 | 8/27 | 8/28 | 8/29 | 8/30 | 8/31 | 9/1 | 9/2 | 9/3 | 9/4 | 9/5 | 9/6 |
★ | ★ | ★ |
【9月3日】 決勝 10:00 – 15:00 17:00 – 21:50 | 【9月4日】 決勝 10:00 – 15:00 17:00 – 21:50 | 【9月5日】 決勝 10:00 – 15:00 17:00 – 21:50 |
幕張メッセは、千葉県千葉市美浜区にある、日本最大級のコンベンションセンターです。JR京葉線の海浜幕張駅が近くにあるので、電車で行った方が快適に行けるのでしょうね。
パラリンピックテコンドーの見どころ
パラリンピックテコンドーの最大の見どころは、選手同士が繰り出し合う多彩な蹴り技のスピード感と力強さです。障害者スポーツの中では柔道と同じく、数少ないフルコンタクト競技になります。
肉体と肉体が音を立てて全力でぶつかり合うのは、生々しい迫力ですね。その闘いの様子は、脚のボクシングとも表現されるほどです。
なお蹴り技の得点は、2点から4点まで異なる配点となっています。最も高得点の蹴り技(後蹴りから軸足を入れ替える計360度の回転蹴り)を決めると、勝負の優勢と劣勢が一気にひっくり返ることがあるのです。
試合展開が一撃で変わることが、パラリンピックテコンドー競技の魅力と言えますね。さらに攻撃面だけではなく守備の面においても、各選手の戦略の立て方が凝縮されています。そのあたりに着目して観戦するのも競技を深く味わうポイントの一つと言えるでしょうね。
申し遅れましたが、私は19歳の時に車の事故で首の骨を折り、頚髄を損傷して車椅子で生活しています。障害を持ってからは車いすツインバスケという障害者スポーツを、趣味と健康のために行っていますよ。
スポーツの種類は違いますが、私もアスリートの端くれです。そんな私が思うのは、障害者が真剣にメダルに向けて頑張る姿をぜひ見ていただきたいですね。
ひたむきに挑戦するアスリートは、輝いています。そして応援してあげれば、その声で勇気付けられますからね。私も何回もその応援に助けられました。みなさんの声援が、メダル獲得への足掛かりになりますよ。
まとめ
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パラリンピックテコンドーは、まだまだ競技人口が少ないです。そのため選手やスタッフの獲得が、必要不可欠になります。東京大会を機に、盛り上がることを願っていますね。
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