パラリンピックのパワーリフティングをご存知ですか?簡単に言えば、バーベルを持ち上げる競技です。健常者だけの種目と思っていましたが、ハンデを持つ人もできるなんて凄いと思いますね。
今回はパラリンピックのパワーリフティングについて、詳しく解説します。後半には見どころも記載してみました。それではいってみましょう。
パラリンピックのパワーリフティングのルールとは?
まずは動画で、パラリンピックのパワーリフティングを見てみましょう!まさに自分との戦いですね。
障害者のパワーリフティングは専用の競技台に仰向けとなり、重りが付いたバーベルを両手であげる競技。バーベルの重さで、順位が決まります。
一般の重量挙げ競技と異なる点は、下肢に障害があることと専用の競技台を使用することです。健常者のように、下半身の力で踏ん張りを利かせることができません。そのため上半身の力のみで、バーベルを持ち上げなければならないのです。
以下に、競技の流れを順に説明していきます。
選手は主審の「準備完了(Bar is loaded)」の掛け声で入場し、競技台に向かう。
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競技台へ移乗し、仰向けになって脚をベルトで競技台に固定する。
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体のポジショニングが定まり、準備ができた時点でバーベルのバーを握る。
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主審の「試技開始(Start)」の合図で、一気にバーベルを押し上げる。
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持ち上げて3秒ほどで主審から「バーを戻せ(Rack)」の掛け声で、元の位置に戻す。
3名の審判のうち2名以上が「試技成功」と判断して白旗をあげれば、記録が認められるのです。
試技失敗であれば、赤旗があげられます。
なおバーベルを上げる際は、主審の「準備完了」の発言から2分間の制限時間内で実施しなければなりません。この時間を超過してしまうと、失格になってしまいます。
ちなみに試技成功と認められる主な着眼点はこの2点です。
- 左右バランスよく真っ直ぐにバーベルが上がっているか?
- 上方へ押し上げる途中でバーベルが下がらなかったか?
試合では各選手3回ずつ試技を行うことができます。3回目の試技を終えた時点で、最も大きい重量をあげることができた選手が優勝です。
ただ新記録を狙う目的で「特別試技」と呼ばれる試技を、4回目に実施することがあります。これは、あくまで記録を狙うことに限っての実施です。試合そのものの成績や順位に、影響を与えるものではありませんがね。
審判は主審1名・副審2名の計3名で構成されます。また競技補助と安全面への配慮を目的に、2名のアシスタントが競技者の側方に待機。さらに国際大会ではコーチが選手に付き添い、選手の入場やメンタル面のサポートが認められているのです。
パラリンピックのパワーリフティングの種目
障害者のパワーリフティング競技は他の障害者スポーツと異なり、クラス分けが行われません。体重による階級別に競技が実施され、下肢の切断や欠損の障害を有する選手はその分の体重を加算して階級が決定されます。
ちなみに2020年開催のパラリンピック東京大会では、男女それぞれ以下の10階級に分かれて競技が実施されることが決定しています。
- <男子>
- 49kg級、54kg級、59kg級、65kg級、72kg級、80kg級、88kg級、97kg級、107kg級、107kg超級
- <女子>
- 41kg級、45kg級、50kg級、55kg級、61kg級、67kg級、73kg級、79㎏級、86㎏級、86kg超級
どのような熱い戦いが生まれるのか、今から楽しみですね。
2020パラリンピックのパワーリフティング日程
2020パラリンピックのパワーリフティング日程は、すでに決まっています。
以下に記載しておきますので、予定する参考にどうぞ。
【パワーリフティング】
8/25 | 8/26 | 8/27 | 8/28 | 8/29 | 8/30 | 8/31 | 9/1 | 9/2 | 9/3 | 9/4 | 9/5 | 9/6 |
★ | ★ | ★ | ★ | ★ |
【8月27日】 決勝 11:00 – 14:30 16:30 – 20:00 | 【8月28日】 決勝 11:00 – 14:30 16:30 – 20:00 | 【8月29日】 決勝 11:00 – 14:30 16:30 – 20:00 | 【8月30日】 決勝 11:00 – 14:30 16:30 – 20:00 | 【8月31日】 決勝 11:00 – 14:30 16:30 – 20:00 |
東京国際フォーラムは東京都千代田区丸の内三丁目にある、公的総合文化施設。有楽町駅や東京駅のそばにあるので、行きやす場所ですね。
パラリンピックのパワーリフティングの見どころ
障害者のパワーリフティング競技は、徹底的に鍛え抜かれた筋骨隆々の上半身が見どころの一つに挙げられるでしょうね。
また一般のベンチプレスと違って脚を床面に接地させることなく競技台にベルトで固定して試技を行うため、下肢の踏ん張りを利かせることができません。つまり、純粋に上半身の筋力のみでバーベルをあげる必要があるのです。
そのため、三角筋・大胸筋・上腕二頭筋・上腕三頭筋といった筋肉の発達ぶりは見事ですね。主審の「Stert!」の合図とともに一瞬でダイナミックに押し上げる光景には競技を見る人の心を揺さぶる十分な迫力があります。
驚くことに障害者のパワーリフティング競技では、健常者のベンチプレスを上回る重量のバーベルを持ち上げることもあります。
また障害者のパワーリフティングでは、試技に当たって選手のそばでサポートを行うことができるのです。
その際にコーチは選手の競技能力を最大限引き出すとことができるよう、時には選手の闘争心を煽るような言葉を掛けたり。かと思えば、時には選手の集中を乱さないよう静かに見守ったりと、選手の個性を踏まえて最善のサポートを提供します。
ほんの数秒間の試技にすべてを出し切るためにコーチがどのような意図でサポートを行っているか注目し、試技を観戦するのも一つの醍醐味と言えるのでしょうね。
申し遅れましたが、私は19歳の時に車の事故で首の骨を折り、頚髄を損傷して車椅子で生活しています。障害を持ってからは、車いすツインバスケという障害者スポーツを、行っているのです。
私もアスリートの端くれで毎日の筋トレをしてて思うのが、個人競技というのは自分との戦いでもあります。黙々と練習をして世界の頂点を目指すことは、孤独と感じることもあるでしょう。
そのため、声援されることでさらに奮起へとつながると思うのです。私も練習時に応援されると、調子に乗りますからね。
東京でパラリンピックの開催時は、パワーリフティングを応援してみませんか?日本選手のメダルが増えるかもしれませんよ。
まとめ
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パラリンピックのパワーリフティングはバーベルを上げる競技ですが、見ているこちらも大声を上げたいくらい緊迫します。それぐらい迫力があるスポーツです。東京大会では多くの階級でメダルが取れることを、祈っています。
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