ローンボウルズという球技をご存知ですか?歴史は古く、古代エジプトに遡ると言いますので驚きですね。どんな競技なのでしょうか?
今回はローンボウルズについて、わかりやすくお伝えしたいと思います。それではいってみましょう。
ローンボウルズとは?
まずは動画で、ローンボウルズについて見ていただけるとありがたいです。
ローンボウルズはカーペット上や整備された芝生の上でプレイする、高齢者や障害者に親しまれているスポーツ。ボウルと呼ばれる偏心球を転がし、ジャック(目標球)にどれだけ近づけるかを競う球技です。
よく似たゲームにペンタンクやボッチャがありますが、芝生の上で競技することやボウルをゆっくり転がすことに違いがあります。
競技の名前にも「Lawn(芝)」がついており、海外では単に「Bowls(ボウルズ」」と呼ばれることも多いのです。
ローンボウルズの用具
ローンボウルズのボウルズという言葉は日本語の発音が似ていても、ボール(Ball)とは区別されています。
- ≪ボウルの特徴≫
- 合成樹脂でできた偏心球
- 完全な球体ではなく重心が一方に傾いている
- 1.59kgを超えてはならない
- 色は、黒か茶色
- ≪ジャックの特徴≫
- 別名、キティ(kitty)とも呼ばれる
- ボウルよりも小さな球
- 重さは225~285g
- 色は白、もしくは黄色
これらの用具を使い、ゲームを進めていくのです。
ローンボウルズのルール
ローンボウルズは、ジャックを標的にボウルを転がします。ボウルはスピードが遅くなるにつれて、大きなカーブを描きながら転がるのです。同時に芝の状態を予測しながら、できるだけジャックに近づけて停止させることに難しさと面白さがあります。
以下のような場所でゲームを開始するのです。
- ≪コート≫
- 幅5.5m×長さ35mの長方形の専用コート(リンク)
- ≪ゲーム≫
- 1対1で行うシングルス
- 2対2(ペアーズ)
- 3対3(トリプルズ)
- 4対4(フォアーズ)
一般的な競技場(グリーン)は約35m四方に作られており、リンクはそのスペースを6または8等分したものです。
チームプレイは4種類あり、次のように進めるのです。
- 先攻がジャックを転がす
- ジャックの到達点までと同距離のリンクのセンターライン上にジャックを置く
- 交互にジャックとの距離が近づけるよう、ボウルを投げる
以降、交互に1球ずつ転がし、持ちボウルの全てを転がし終えるとエンドとなりって得点を計算します。次のゲームは、前のエンドで得点したチームが先攻になるのです。
人数や使用するボウルが増えると、以下のような戦略も必要になる緻密なスポーツとなります。
- 相手のボウルを弾く
- ブロックやジャックを移動させる
ローンボウルズの歴史
ローンボウルズは、古代からあったとされています。なぜなら近年のピラミッドの遺跡調査により、一対のボウルと目標球が発掘されたのです。古くは紀元前5200年頃の古代エジプトから、ギリシャ、ローマへと伝えられました。
現在、楽しまれているゲームの原型は13世紀にイギリスで行われていたものです。当時の人気はとても高く、「ボウルズ禁止令」が出されたこともあるというから驚き。16世紀後半にはシェークスピアも楽しんだとされています。
- ≪世界でのローンボウルズ≫
- 1880年 - オーストラリアのニューサウスウェールズで近代的な統一組織完成
- 1892年 - スコットランド協会設立
- 1903年 - イングランド協会と各国にボウルズ協会が組織される
- 1905年 - 国際ボウルズ委員会(IBB)が結成される
- 1992年 - 世界ボウリング委員会(WBB)と改称される
- 2002年 - ワールドボウルズとなる
日本では1966年IBBに加盟した後、数回の組織変更・統合。その後2008年に認証されたNPO法人ローンボウルズ日本が、WBBに加盟して活動に参加しています。
ローンボウルズは、コモンウェルスゲームズの競技種目です。
イギリス連邦に所属する国や地域が参加して4年ごとに開催される総合競技大会のこと。
世界大会も開催され、アジアでは香港やマレーシアなどで盛んになっています。ローンボウルズは年齢や性別、体力や障害の有無に関わらず、誰もが一緒に楽しめるスポーツです。パラリンピックでは、1968年イスラエル大会から1996年アメリカ大会まで競技が行われていました。
(1992年スペイン大会を除く)
さいごに
今回ローンボウルズについて、詳しくお伝えさせていただきました。体に負担なく、適度な運動量で楽しめる競技です。日本では東京や神奈川、大阪や兵庫で盛んに行われていますよ。
興味がある方はこちらもご覧いただければと思います。
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