バリアフリーの意味を知っていますか?私は障害をもっているため、車いすに乗って生活しています。だから誰よりもよくわかるのです。でも、ほとんどの人は何となくしか知りません。具体的なことがわかっていないのです。
そこで今回は、健康な体から事故で障害をもった私が、バリアフリーについて詳しくお伝えしたいと思います。わかりやすいように心がけ、画像をたくさん使って紹介させていただきました。それではいってみましょう。
バリアフリーとは何?
バリアフリーという言葉が、最近ではいろんなところから聞こえてきませんか?
だけど、こんな風に疑問になられる方が多いと思うのです。
- 「バリアフリーとは何?」
- 「どんな意味があるの?」
バリアフリーを日本語にすると、こんな感じになります。
- 【バリア(しょうへき)】を【フリー(とりのぞく)】という意味
さらに簡単に説明すると車いすに乗られている障害者の方はもちろん、その他の障害をお持ちの方や足こしの弱いお年寄りの方、妊婦さんも対象にして「暮らしやすく社会環境を整備する」ということなのです。
またバリアフリーは大きく言うと、このようににわかれています。
- 建物外部
- 建物内部
ただ、くわしく言葉だけでいろいろ言われても、わかりづらいと思います。そこで次の章からは私が外出したときに撮った写真を使い、説明させていただきますね。
バリアフリーとは 外部編
まず建物外部から説明していきますが、その外部でも、駐車場・スロープ・公共乗り物というこれだけのポイントがあります。1つずつわかりやすく解説していきますね。
駐車場
私は19歳のときに車の事故で首の骨を折り車いすに乗るようになりました。手足は障害を持っていますが、車の運転ができるのでどこへでも遠くに行くことができます。ただ行った場所に車を停めるのですが、バリアフリーになっていなければこまるのです。
写真は、ある建物の車いすユーザー専用の駐車スペースですね。普通と違い両サイドに斜線スペースが入っていて、広くなっているのがわかると思います。
車いすユーザーは車から降りるときにドアを全開にしていないと移動できないため
もし普通のようにせまいと、隣の車にドアがぶつかってしまうのです。このような理由から、車いすユーザー専用の駐車スペースが広くなっています。
スロープ
また建物に階段がある場合は、写真のようなスロープが必要になってきますね。
スロープを通ることで、階段やエレベーターがなくても上り下りできる
このくらいの坂だと長い距離があるので、車いすを自力でこいで上るにはすごい力が必要です。
公共交通
また私は車を運転しているので、なかなか利用することはないのですが、このような乗り物もバリアフリーになっています。
- ノンステップバス(バス)
- 超低床電車(路面電車)
車いすユーザーが乗りやすくするため
車高が低くなれば、結果的に車いすユーザーだけではなく足こしの弱い高齢者の方や妊婦さんが、足を高く上げなくても乗れるのです。街で確認してみるのがいいかもしれませんね。
ここまでは外を中心に説明してきました。次の章からは建物の中にかんして、お伝えさせていただきますね。
バリアフリーとは 内部編
車いすユーザーにとっては段差がないことが、一番のバリアフリーになります。
車いすユーザーがスムーズに進むことができるため
写真はある建物の廊下ですが、凹凸がまったくないのでスムーズに車いすを進めることができます。外でも中でもすべての場所がこのようになっていれば、苦労しなくて済みますね。
なぜならアスファルトの道路は、写真のような廊下のようにツルツルになっていません。非常にザラザラした路面で、車いすに乗って進むことが大変なんです。
さらに、エレベーター・点字ブロック・トイレ・多目的トイレというポイントがあります。1つずつわかりやすく解説していきますね。
エレベーター
また写真のようなエレベーターは、建物内の上や下の階にボタン1つで行けてしまうやさしいシステム。
車いすユーザーが前進で入っても振り返らずにバックできるようにするため
足こしの弱い障害者や高齢者がつかまって移動するため
さらに、エレベーターの外と中にあるボタンを近くで大きく撮ってみました。入口の右下と中の左低い位置に、ボタンがあるのがわかると思います。
車いすユーザーがボタンを押しやすいようにするため
点字ブロック
上のエレベーター写真に写っていた黄色の点字ブロックを、大きく撮ってみました。
視覚障害者の行先をしめす誘導用ブロック
病院内やいろんな建物、駅構内や歩道とかで見たことがありませんか?視覚障害者の方は視力が無くてもこの凹凸を頼りに、進むことができるのです。
ちなみに、意味がこちらになります。
- 誘導ブロック(線状) - 移動(いどう)の方向を示す
- 警告ブロック(点状) - 注意喚起(ちゅういかんき)・警告(けいこく)をうながす
線は続いているので、進んでよし!丸い点はエレベーターのドアがあるので、ストップ!です。
点字ブロックは車いすユーザーにとって、直接に関係がありません。ただ、バリアフリーに関して大きく関わってくるので、ちょっと紹介させてもらいました。
トイレ
トイレのドアは、自分で開くドアタイプ(上)と自動ドアタイプ(下)があります。下の2枚目にあたる自動ドアタイプの写真は、緑と赤のボタンが写っているのがわかるでしょうが、押すだけで開け閉めできるので非常にありがたいものです。
【自分で開くドアタイプ/車椅子ユーザー専用トイレ】
車いすユーザーが中で転倒して開き戸が開かなくなるのを防ぐため
【自動ドアタイプ/車椅子ユーザー・妊婦専用トイレ】
ドア入口に描かれているマークの意味も、写真上に赤字で書いてみました。
また下2枚はトイレ内部の写真です。1枚目はベビーベッドがないタイプで、2枚目がベビーベッドがあるタイプです。あるかないかはドアにマークに描かれているので、わかりやすいと思いますよ。
【車椅子ユーザー専用トイレ】
車いすユーザーがトイレ内で方向転換できるようにするため
【車椅子ユーザー・妊婦専用トイレ】
赤ちゃんののオムツ交換のため
また洗面所の蛇口は、手をかざすだけで水が出るセンサー式になっています。荷物を持っているときは、ありがたい機能ですね。
多機能型トイレ
上記の章までのトイレとは違い、このようなマークを見たことがありませんか?
多機能型トイレと言い、車いすユーザーだけではなく妊婦さんや足腰の弱いお年寄りの方、オストメイトの方も利用できるのです。
人工肛門・人口膀胱を持っている人のこと
さらに変わった形の便器を見たことがありませんか?写真は、オストメイトの方が使用される専用のトイレになります。立ったまま使用されるので、この高さになるのです。
オストメイトの方は、普通のトイレだと使いづらいため
このように、見たことがあるモノや初めてのモノまでとたくさんあったと思います。
施設のバリアフリー化は、現在は急ピッチに進められています。学校や学校施設の建築物も同様のこと。ホテルでも車椅子対応可能な客室が増えているのです。私のような車椅子ユーザーにとっては、予約時に本当に助かりますよ。
なお最近よく耳にするユニバーサルデザインに関する内容については、改めて記事に書かせていただきました。お時間がある際にお読みいただければありがたいです。
現在では多くの場所がバリアフリーになっているのですが、この記事で紹介したものは一部にすぎません。この機会に街に出たとき、いろいろなところで探してみるのがいいかもしれませんね。夏休みの自由研究に、ちょうどいいかもしれませんよ。
まとめ
今回バリアフリーについて、多くの写真を使って書かせてもらいました。いかがだったでしょうか?
この記事を見て福祉について興味を持っていただければ、ありがたいかぎりです。
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- バリアフリーとは何?
- 【バリア(しょうへき)】を【フリー(とりのぞく)】という意味
- バリアフリーとは 外部編
- 車いす駐車スペース、スロープがある
- バリアフリーとは 内部編
- 段差のない廊下やエレベーター、点字がある
- トイレ
- 広いスペースがあり、車椅子に乗ったまま使用できる
- 車いすユーザー・高齢者・妊婦・オストメイトが利用できる
今回は大まかなバリアフリーを中心に、お伝えさせていただきました。まだまだこの他にも、いろんなモノや場所が存在します。
気にかけて探し出してみると、新たな発見につながりますよ。
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