車椅子の移乗!四肢麻痺者を簡単に介助する方法や注意点を当事者が解説!

車椅子

 
 
体重の重い四肢麻痺者の車椅子移乗方法をご存知ですか?私自身が、頚髄損傷者の車椅子ユーザーだからです。これまでいろいろ経験しましたが、安心できる方法があります。それをお伝えしようと思うのです。
 
 
今回は健常者から障害を持って長い私が、体重の重い四肢麻痺者の車椅子移乗についてお伝えしたいと思います。後半には、頚髄損傷者の友人にも聞いた内容を記載してみました。それではいってみましょう。

 

 

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車椅子の移乗 四肢麻痺者を介助する注意点とは?

 
私は車の事故で首の骨を折り、車椅子に乗って生活している頚髄損傷者です。

 
 
損傷の部位はC6で、レベルがC6-Aになります。
 

≪C6とは≫

≪頚髄損傷C6≫
★が多いほど障害がキツイです。

C6-A ★★★★
C6-B1 ★★★
C6-B2 ★★
C6-B3 ★

 
今回は三頭筋が利かない、C6-A、C6-B1レベルで解説させてきただきますね。

≪三頭筋とは≫
腕を伸ばす際に必要な筋肉

 
 
ところで足が不自由になると車椅子が欠かせなくなり、ベッドからの移乗が日課となります。私のような重度障害者になれば一人で乗り移ると時間がかかるので、介助が必要になってくるのです。その際に注意点があります。
 
 
実を言うと介助者1人でする車椅子の移乗は、非常に危険なのです。その理由がこちらになります。
 

  • 頚髄損傷者は下半身が麻痺のため、片麻痺者のように片足を軸にすることができない
  • 頚髄損傷者はバランス感覚が不安定なため、上半身をキープできない
  • 結果的に介助者が、頚髄損傷者の全体重を背負わなければならなくなるため
  • 突然の痙攣が引き起こされることがあるため

 
上記の理由が重なり、転倒する可能性が大になります。
 
 
そこで私がおすすめしたいのは、2人組で両脇と両足を持ってよいしょと移乗です。この方法であれば、介助される側としても転倒することがないため非常に安心できます。
 
 
写真はバスケ用車椅子に移乗する際なんですが、ベッドでもこのようにすればいいのです。さらに予備でもう一人の方が見守りや補助をすれば、完璧だと思いますよ。


 
 
ただ介助者2人もしくは3人が必要になるため、いつでも揃ってできることが難しいと思うのです。そこで次の章では私が実際に自宅で行ってる方法を、お伝えさせていただきますね。
 

車椅子の移乗 労力2分の1の方法とは?

 
ベッドから車椅子の移乗は毎日のことで、非常に重要になります。ここで年々心配になってくるのは、私のように母や身内が介助する場合、お互い年齢を重ねて負担が大きくなってくることなんです。

さらにヘルパーさんは女性の方が多いため、男性の方に比べて大変だと思うのです。介護ロボットが出てくれば負担も減ります。しかし、もしできたとしても一般ピープルには一生かかっても買えない高価なモノになるでしょうし、そんな理想を言ってても解決できません。
 
 
上記の内容を見越して私の自宅は、平成5年に家を新築した際に部屋の天井に走行式リフトを設置しました。この写真に写っているモノは福祉機器のリフトではなく、業務用のチェーンブロックです。

家業が建設業だったため、大きいタイプを工場のほうで利用していて小型タイプの存在を知っていました。



 
 
新築した当時は今のように福祉機器が豊富ではなく、天井走行リフトが普及していなかったのです。そこで仕事で活用しているチェーンブロックが、自宅の介護でも利用出来るのではないか?と考えて取り付けたのです。

ちなみにリフトについている4点吊りの金具ですが、近所の鉄工所にお願いして作ってもらった代物。両親や親類、その他多くの方が試行錯誤して作った家なので、感謝してもしきれません。

おかげさんで私は使って25年以上経ちますが事故も無く、母一人またヘルパーさん一人でベッドから車椅子に、毎日簡単に移乗させてもらっていますよ。

でも実をいうとこのチェーンブロックは物を移動させる為の目的であり、医療介護用ではありません。怪我の補償などはされませんのでもし使用される際は、ご自身の責任でお考えいただければと思います。
 
 
気になるチェーンブロックの料金は、私が使用しているタイプであれば取り付け料込みで50万円前後になります。それに比べて福祉機器の天井走行リフトは、80万円~150万円と高額になるのです。

そう考えると、チェーンブロックのほうが、そうとう安価で手に入ります。
 
 
ちなみに福祉機器のリフトを購入する場合は、日常生活用具給付制度が利用出来ます。
 

    ≪移動用リフト≫

  • 対象者 - 1級・2級の下肢または体幹機能障害者(児)の方で原則として3歳以上の方
  • 限度額 - 159,000円
  • 耐用年数 - 4年
まっつん

159,000円を超える費用は、自己負担となります。

 
なお床走行用リフトは、天井用とは違って金額が40万円前後であります。もし補助金を利用すれば、25万前後の負担で手に入れることができるのです。利用したい場合は、各市区町村の福祉課のほうにお聞き頂ければと思います。

≪市区町村の福祉課とは≫
市役所や区役所、町役場にある障害福祉課(地域によって呼び名が違う)

 
 
ここまで福祉機器のリフトについて、お伝えさせていただきいました。要するに私が移乗時に利用をおすすめするのには、こんな理由があるのです。
 

  • 介助者の腰の負担が無くなる
  • 転倒する危険性がない
  • 体重が重い介護者でも、ベッドから車椅子の移乗が介助者1人でいつでもできる
  • リフトに慣れない人でも簡単な操作で利用できる

 
お手軽で簡単にできるのは、本当に魅力的です。普段介護に関わっていない父は母が都合悪い際に手伝ってくれますが、難なく操作をこなすことができますからね。
 
 
私は車椅子に乗るようになってから、どれだけこのリフトにお世話になったかわかりません。介助者はもちろん、される側も安心なんです。将来を見据えて、リフト利用をおすすめしたいですね。
 
 
ところで私は車いすツインバスケを行っていますが、チームでよく似たレベルの選手がいます。その彼にどういう風に車椅子に移乗しているのか、方法を聞いてみたのです。次の章ではその内容について、お伝えさせていただきますね。
 

車椅子の移乗 同じレベルの頚髄損傷者の方法とは?

 
私の身長は174㎝で、体重が65㎏くらいのスタイル。それに比べて同じバスケチームの彼は160㎝で55㎏しかなく、私より10㎏軽いのです。そのため自宅でのベッドから車椅子の移乗はリフトを持っていないこともあり、ヘルパーさん一人で行っていると言っていました。

 
 
実を言うとその彼は訪問リハを行っているのですが、来てもらっているヘルパーさん数人を対象に移乗の講習会をしたようです。

まっつん

担当のPT(理学療法士)さんがヘルパーさんに、生で移乗の実演を見せたようですよ。

 
 
現在はヘルパーさんがその内容を真似して、一人で移乗を行っているのです。しかし転倒することがしばしばあり、そのたび嫌な思いをしているようですよ。だって落とされてしまえば、このように両者がブルーになってしまいます。
 

  • 介助する側 - 怪我させてしまったのではないか?
  • される側 - 足の骨が折れたり負傷したのではないか?

 
だから、福祉機器のリフトを購入しようかと真剣に迷っていると言っていました。
 
 
私も経験済みですが、確かに転倒するときは痙攣やその他いろいろな理由が重なり引き起こされます。落とされると、本当に両者が気まずくなりますからね。そのようにならないためにも、安全に移乗できるリフトを使うことが最善な方法なのかもしれません。
 
 
ただ福祉機器を利用すればいいのは誰もが知っていると思いますが、最終的に購入するための負担額が必要です。そのためにも、誰でもリフトが利用できるよう優しい世界になることを願っております。
 

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まとめ

 
今回、車椅子の移乗について私の普段から行っている方法をお伝えさせていただきました。いかがだったでしょうか?
 
 
無理しないことは、お互い快適に思えるのです。
 


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    車椅子の移乗 四肢麻痺者を介助する注意点とは?

  • 介助者が一人ですると、慣れないうちは転倒しかねない

 

    車椅子の移乗 労力2分の1の方法とは?

  • 天井走行用リフトで、介助者が一人で快適にされている

 

    車椅子の移乗 同じレベルの頚髄損傷者の方法とは?

  • ヘルパーさん一人で行っているが、転倒することが多い

 
リフトを使用するのは介助者の負担が一気に減るので、おすすめの移乗方法だと思いますよ。何事も負担ない方が、スムーズにいきますからね。

明日も車椅子に乗りたいという意欲を出させるためにも、快適さが一番です。陰ながら応援しています。
 
 
 

はじめまして、頚髄損傷者のまっつんです。

健常者から障害を持つようになり、車椅子で生活していることでの感じた考えを綴ろうと思います。

共感していただければコメント欄からどしどし書き込んでもらえると幸いです。

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