「身体障害者手帳のメリットって何かあるの?」中途障害者の家族を持つ人の中でこの様に思われる方が、おられるのではないでしょうか?車椅子に乗って生活している私でさえ、過去に思いましたからね。
そこで今回は、身体障害者手帳のメリットについて解説します。後半には、私が利用している内容も記載してみました。ぜひ今後の生活の為に、知っておくといいですよ。それではいってみましょう。
身体障害者手帳が必要な理由とは?
文章だけではわからないと思いますが、私自身19歳の時に車の自損事故で首の骨を折り、車椅子で生活している頚髄損傷者なんです。障害を持ってからのほうが、長くなりました。
当時は同級生が見舞いに来て近況を語っていくのを聞き、うらやましくてたまらなかったですね。だって若い時は遊びや恋愛も盛んなのに私自身、ハンデのために思うようにいかなかったのです。
そこでリハビリの先生が何かに打ち込めるものがないか?と探してくれたのが、車いすツインバスケという障害者スポーツでした。頚髄損傷者の患者が多く入院していたのもあり、真剣に取り組める何かをと、提案してくれた経緯があったのです。
今ではチームの代表も任せられ、楽しみながら、そして普及にも努力していますよ。
中途障害者のご家族とも、よく会話することがあるのです。その時に親御さんが私によく聞く内容が、慌てて身体障害者手帳を申請しなければいけないのか?ってことなんですよね。
要するに、「周りからは手続きを一方的に勧められるがメリットがわからない。」とのことだったのです。確かに理由を知らないと、実際に取得できたとしても手帳を活用することができませんよね。
メリットを伝える前に、障害を持った際に必要なものの例を出してみました。こんなにもたくさんの物が必要になります。
- 歩けなくなった場合 ⇒ 車椅子が必要
- 歩きにくくなった場合 ⇒ 杖、手すりが必要
- 起き上がりができなくなった場合 ⇒ 介護用ベッドが必要
- 入浴が一人でできなくなった場合 ⇒ 福祉サービスが必要
全て実費となれば料金がかかって負担額は大きくなり、生活するのも大変になりますよね?
そこで身体障害者手帳があれば、車椅子の購入や手すりの設置などにかかる資金の助成を受けることが出来ます。
身体障害者手帳のメリットとは?
そして他にも各種サービスが受けられるという、優遇措置があるのです。利用する場合は各市区町村の福祉課(障害福祉課や社会福祉課という名の場合あり)で、申請しなくてはいけません。
でもお金の負担を、少しでも補助してもらえるのはありがたいですが、どんなものに対して補助をしてもらえるのでしょうか?気になりますよね。ちょっとまとめてみました。
- 各種福祉用具の給付(車椅子、義肢、装具、杖、etc・・・)
- 医療費の助成
- 税金の控除(所得税、住民税、相続税、贈与税)
- 公共交通の減額
- 自動車関連(自動車税減免、改造費助成、高速料金割引、駐禁除外交付)
- 携帯電話・NHK受信料割引
(※市町村によっては、内容も金額も違ってくるため、利用する前に確認が必要です。)
大まかに言えばこんな感じですがまだまだ細かくあり、手厚く保護されていますよ。これだけでも身体障害者手帳のメリットが多いのは、納得できると思います。
しかしアバウト過ぎて、どういう項目でいくらくらいの金額が?って疑問に思うのです。そういう方のために次の項では実際に私が利用している内容を、詳しくお伝えさせてもらいますね。
身体障害者手帳 私が利用している内容とは?
身体障害者手帳は、障害者が生活していく上で非常にありがたい存在と理解できたのではないでしょうか?さらに細かく知ってもらいたいのが、障害者総合支援法の中に自立支援給付があります。
以下のモノになるのですが、要は費用を助成してくれるのです。
- 補装具(車椅子、歩行器、義肢、杖 etc…。)
- 日常生活用具(介護用ベッド、移動用リフト、シャワーチェアー etc…。)
私が利用している補装具や日常生活用具の限度額と対応年数を、ちょっとまとめて書いてみますね。
地域によって違う場合もありますので、各市区町村の福祉課へお問い合わせ願います。
- 【補装具】
- 車椅子 - 限度額=100,000円~ 対応年数=5年
- 【日常生活用具】
- 特殊寝台(介護用ベッド) - 限度額=154,000円~ 対応年数=8年
- 入浴補助用具(シャワーチェアー、etc…) - 限度額=90,000円~ 対応年数=8年
- オムツ券 - 限度額=2,000円~ 月々
≪介護・訓練支援用具≫
≪自立生活支援用具≫
≪排泄管理支援用具≫
所得制限はありますが、利用者は1割負担しなければいけません。基本的に償還払いという全額を最初に払った後に、9割のお金が後日返ってくる方法です。ですが代理受領方式と呼ばれる市区町村が先に払ってくれる場合もあるので、問い合わせてみるといいですよ。
その他に、私が利用している内容はこちらです。
- 【医療費の助成】
- 重度障害者の場合 - 医療費免除
- 【自動車関連】
- 自動車改造費 - 限度額=100,000円~ 対応年数=5年
- 自動車税・自動車取得税 - 減免
- 高速料金 - 半額割引
その他に私自身あまり利用していませんが、新幹線や飛行機、バスやタクシー、その他施設利用の時なども身体障害者手帳を掲示すれば減額されます。
これだけお金が安くなれば、重要な存在ではないでしょうか。私は十分に優遇されているので、大変ありがたいと思っていますよ。
それじゃぁ逆にデメリットは、どうなのでしょう。
身体障害者手帳のデメリットとは?
私自身がこれまで障害者となってからのことを、考えてみました。だけどハッキリ言って、身体障害者手帳を保持してのデメリットが見つかりません。
でもネットで検索すると、「世間の目が障害者として見られているようで嫌」といったストレス関連が多いですね。
どちらかというと身体障害者や知的障害者は、見た目で障害者とわかります。ですが精神障害者は外見だけでわからないために、偏見的に見られるという理由から手帳取得をデメリットと捉え、躊躇される方もいるようなんですよね。
確かに私が怪我した20年以上前は車椅子で道路を散歩しただけでも、振り返って見られることが多かったです。そのせいで、外出するのが嫌になったときもありましたからね。
でも今ではノーマライゼーションという考えが、世間で浸透しています。
障害のある人もない人も、区別しないで共にに暮らせる社会のこと。
だから以前に比べるとすべての障害者にとって、住みやすい社会になってきているのです。
東京オリンピック・パラリンピック2020も開催されます。田舎ではまだまだ偏見はありますが、障害者だとしても堂々と生きることが一番ではないでしょうか。身体障害者手帳を持つことは、決して恥ずかしいことではありません。むしろ特別なんだと、誇りを持つといいですよ。
まとめ
今回、身体障害者手帳のメリット・デメリットについて、お伝えさせて頂きました。参考になったでしょうか?身体障害者手帳を大いに活用し、今後の生活に役立てるといいですよ。
身体障害者手帳はいくら待遇がいいと言っても、不正や当たり前の感覚でいてはいけません。感謝の気持ちを持って、利用させてもらうといいですよ。
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