私が車椅子で生活するようになってから、人との距離感や言葉の重さについて、以前よりも敏感になりました。ちょっとした一言や態度が、相手を楽にも苦しくもするということを、日常の中で何度も実感しています。
そんな中で、ふと頭に浮かんだ四字熟語があります。それが「得手勝手」です。この言葉、ニュースや会話の中で何となく聞いたことはあるけれど、意味をきちんと説明できる人は意外と少ないかもしれません。
私自身も、以前は雰囲気で使っていました。でも改めて考えてみると、この四字熟語は人間関係のトラブルや誤解を、とても的確に言い表している言葉だと思うようになりました。
得手勝手の意味とは?

得手勝手とは、簡単に言えば「自分の都合や考えだけを優先し、周囲の事情や気持ちを考えないこと」を意味します。「得手」というのは、自分の得意なことや都合のよいことを指し、「勝手」はそのまま、自分本位である様子を表します。
つまり、得手勝手とは、自分にとって都合の良い判断や行動を、周りを顧みずに押し通す態度のことなのです。この言葉には、はっきりとした否定的なニュアンスがあります。
褒め言葉として使われることはなく、「あの人は得手勝手だ」と言えば、それは自分勝手で協調性に欠ける人だ、という批判を含んでいます。
得手勝手の使い方とは?
得手勝手は、主に人の行動や考え方を非難するときに使われます。例えば、会議で自分の意見だけを通そうとし、他人の話をまったく聞かない人がいた場合、「あの発言は得手勝手だ」と表現できます。
また、約束を守らず、自分の都合で予定を変更することが続く人に対しても、「得手勝手な行動ばかりだ」と使うことができます。日常会話だけでなく、文章や評論の中でも使われることが多く、「得手勝手な理屈」「得手勝手な解釈」といった形で使われる場合もあります。
この場合も、自分に都合のよいように話をねじ曲げている、という否定的な意味合いが強くなります。
得手勝手をわかりやすく解説
得手勝手という言葉が分かりにくいと感じる人は、「自分勝手」と言い換えて考えると理解しやすいと思います。ただし、得手勝手には、もう一段深い意味が含まれているように、私には感じられます。
それは、「自分にとって得な部分だけを切り取って正当化する姿勢」です。例えば、「自分は忙しいから仕方ない」「悪気はなかったから問題ない」といった言い分は、一見もっともらしく聞こえます。
でも、その裏で困っている人や傷ついている人がいるとしたら、それは得手勝手な考え方だと言えるでしょう。私自身も、体調が悪い日や外出が難しい日が続くと、つい周囲への配慮が足りなくなることがあります。
そんなとき、後から振り返って「あれは得手勝手だったかもしれない」と反省することがあります。この四字熟語は、他人を責めるためだけの言葉ではなく、自分自身を見つめ直すための言葉でもあるのだと思います。
最後に
得手勝手という四字熟語は、少し厳しく、耳にするとドキッとする言葉です。でもだからこそ、私たちに大切な気づきを与えてくれる言葉でもあります。人は誰でも、自分の都合を優先したくなる瞬間があります。
それ自体は自然なことです。ただ、その気持ちが行き過ぎて、周囲を傷つけたり無視したりしてしまうとき、それは得手勝手になってしまいます。私がこの言葉を好きなのは、完璧を求める言葉ではないからです。
「気づいて、立ち止まって、少し考えてみよう」と静かに促してくれるような力があると感じています。もし誰かの行動に違和感を覚えたとき、あるいは自分の言動を振り返るとき、この得手勝手という四字熟語を思い出してみてください。
きっと、人との関わり方を少しだけ優しく見直すきっかけになるはずです。


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