「青息吐息(あおいきといき)」という四字熟語、みなさんも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
なんとなく「はっきりしない」とか「よくわからない」っていうニュアンスで使っている人が多いと思います。
青息吐息の意味とは?
「青息吐息(あおいきといき)」という四字熟語、みなさんは聞いたことがありますか?読み方だけを見ると、なんだか風邪をひいたときの様子を想像しちゃいそうですが、実はこれ、けっこう日常にも使える便利な表現なんです。
まず、この言葉の意味をざっくり言うと、「困り果てて苦しんでいる様子」や「どうにもならない状態で、ため息ばかり出ているような状況」を表します。「青」は顔色の悪さや疲れ切っている様子、「息」はまさにため息を意味しているんですね。
そして「吐息」はその名の通り、息を吐くこと――つまり、やるせない気持ちを吐き出すようなニュアンスが込められています。
昔の人は本当にうまく言葉をまとめたものだなと感心します。言葉の中に情景が浮かぶ、そんな四字熟語のひとつが「青息吐息」なんです。
青息吐息の使い方とは?
さて、実際にどういうときに「青息吐息」を使えばいいのか。たとえば、こんな場面を想像してみてください。
例1:
友人A「最近どう?仕事忙しい?」
友人B「もう青息吐息だよ……残業続きで寝る時間もないし、上司のプレッシャーもすごくて。」
例2:
ニュースのナレーション:「コロナ禍の影響で経営が悪化し、個人経営の飲食店の多くが青息吐息の状態に追い込まれています。」
こんなふうに、「しんどいよ〜」「もう限界……」といった気持ちを、少し落ち着いた表現に置き換えたいときに使えるんですね。日常会話でも、ビジネスの現場でも、さらには報道や文章の中でも幅広く登場する四字熟語です。
ただし、注意したいのは「大げさに聞こえすぎる」場合もあるということ。たとえば、ちょっと疲れたぐらいで「青息吐息」と言うと、「それは言い過ぎじゃない?」と思われることもあるかもしれません。
本当に大変な状況のときや、相手に深刻さを伝えたいときに使うと、より効果的です。
青息吐息をわかりやすく解説
ちょっとここで「青息吐息」をもっと身近に感じてもらうために、もう少し掘り下げてみましょう。
まず「青い息」という表現、現代の感覚ではあまりピンとこないかもしれません。でも、昔は「青い顔=体調が悪い、苦しい」というイメージが強く、青ざめた表情というのが「弱っている」ことの象徴だったんですね。
たとえば、風邪をひいて顔が青ざめているとか、ショックを受けて顔色がなくなっているとか、そんな感じです。
そして「吐息(といき)」というのは、ため息よりももう少し感情を込めた、深いため息のようなもの。重い悩みを抱えていたり、がっくり肩を落としたりするときに自然と出てくるような呼吸です。
この2つの言葉を合わせて、「青息吐息」という四字熟語ができているんです。つまり、「顔色が悪く、ため息ばかりついているような、追い詰められた人の姿」が浮かんでくる表現なんですよ。
ちなみに、「青息吐息」はネガティブな意味だけでなく、ある種の「がんばっている感」も含んでいると、私は思います。ただ何もせずにボーッとしているのではなく、何とかしようともがいている、でも報われない……そんな状態。
だからこそ、ちょっと同情したくなるような、人間味のある言葉なんです。
最後に
「青息吐息」という四字熟語、どうでしたか?読み方からしてちょっと不思議で、意味も少し重たく感じるかもしれません。でも、実際には私たちの生活の中にすごく溶け込んでいる言葉なんですよね。
たとえば、家計が苦しくて「青息吐息」。人間関係に疲れて「青息吐息」。子育てや介護で手いっぱいになって「青息吐息」――誰でも、そんな時期はあると思います。
だからこそ、この言葉には「共感できる力」がある。自分の苦しさを表現するにも、人の大変さを思いやるにも、ぴったりな表現だと思います。
また、「青息吐息」にならないように心がける、という逆の使い方もできますよね。疲れを溜めすぎる前に休む。自分の限界を知る。他人に頼る。そういったことが大切なんだと、この言葉は教えてくれているようにも感じます。
言葉には、人の気持ちを代弁してくれる力があります。そして、四字熟語というのはその凝縮された形。今回紹介した「青息吐息」も、そんな言葉のひとつ。みなさんも、ぜひ日常の中で使ってみてくださいね。
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